日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
9 巻, 2 号
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  • 老年者連続剖検例についての検討
    村田 和彦, 藤井 潤, 蔵本 築, 栗原 博, 松下 哲, 倉持 衛夫, 池田 正男, 寺沢 富士夫, 関 増爾
    1972 年 9 巻 2 号 p. 65-68
    発行日: 1972/03/31
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    冠動脈の狭窄と心筋における虚血性病変の成立との関係を明らかにし, さらに高血圧の存在が心筋病変の成立・進展の付加的因子となる可能性をも追求するため, 60才以上の老年者剖検例418例について検討した.
    心筋硬塞またはこれに準ずる大きな心筋胼胝の出現率は冠動脈狭窄の著明なものほど高く, 冠動脈のいずれか1枝に完全な閉塞のあるものでは95.2%, 2枝以上に内腔面積75%以上の高度狭窄のあるものでは37.5%, 高度狭窄が1枝のみのものでは20.2%, 内腔面積の狭窄50~75%では15.7%, 狭窄の著明でないものでは7.2%であり, 冠動脈閉塞例のほとんど全例に著明な心筋病変のみられたことと, 高度狭窄が2枝以上にみられた群に心筋病変の出現率の高いことが注目された. 他方, 血圧と心筋病変の頻度との関係についてみると, 生前の最大血圧の平均値が180mmHg以上の高度高血圧例において心筋硬塞またはこれに準ずる大胼胝のみられることが多かったが, 冠動脈狭窄度によって群別して各群の中で比較すると, 血圧の影響は不明瞭となった.
    以上の成績からみると, 大きな心筋虚血性病変の成立には冠動脈の狭窄が一義的な要因となり, とくに冠動脈閉塞の存在は心筋病変の成立の重要な因子となるが, 血圧と心筋の大型病変との相関は, 主として高血圧例に冠動脈狭窄の高度なものの多いための間接的な結果であろうと考えられる.
  • 高血圧性諸所見と血清脂質との関係について
    澤井 廣量
    1972 年 9 巻 2 号 p. 69-83
    発行日: 1972/03/31
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    脂質代謝と高血圧あるいは動脈硬化の末期像ともいうべき脳血管障害, 心筋硬塞等との関係については, 多くの諸家の報告があるが, これらの疾患の発症にいたる前の諸所見と脂質代謝との関係を明らかにすることは,重要と考える.
    著者は, 山梨県白州町において, 循環器疾患の疫学的調査を行い, 血清 cholesterol (Ch) および血清 triglyceride (TG) と高血圧を中心とする諸所見との関係について検討を行った.
    対象は40才以上で, 検査所見のそろっている男424名, 女639名計1,063名であり, 次の成績を得た.
    1) 正常者のCh値は, 男168±28mg/dl, 女175±31mg/dl, TG値は, 男82±35mg/dl, 女82±36mg/dlであり, 女はCh, TG値ともに50代になると急増し, 以後男より高い傾向を認めた.
    2) 肥満, 高血圧, 心電図異常, 眼底異常などの群では, Ch値は正常者に比し高値の傾向を示し, TG値は, 正常者に比し有意に高い.
    3) 高血圧に肥満, 心電図異常あるいは眼底異常が合併すると, Ch, TG値はともに高い.
    4) 血圧値, 心電図変化, 眼底変化を重症度に分類し, 血清脂質との関係をみると, Ch値は, 重症度が進むにしたがい漸増の傾向が認められ, TG値は段階的に明らかに高値を示した.
    5) 高血圧例を心電図, 眼底変化を組合わせて, 重症度に3区分して血清脂質との関係をみると, 重症度の進展とともにCh値は漸増し, TG値は重症度と相関して段階的に高くなり, とくに高血圧III期では著明であった. また高脂血症の出現の型は, 高TG単独あるいは高Chを伴う高TGの型でくる頻度が高い.
    6) 以上の結果より, わが国の特異像の一つと考えられる高血圧を基盤とする循環器疾患の管理予防上, 集団検診においても血清TGの重要性を認める成績を示しえた.
  • 相澤 豊三
    1972 年 9 巻 2 号 p. 85-88
    発行日: 1972/03/31
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 五島 雄一郎
    1972 年 9 巻 2 号 p. 89-94
    発行日: 1972/03/31
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 1972 年 9 巻 2 号 p. 95-127
    発行日: 1972/03/31
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
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