日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
1982 巻, 7 号
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  • 栗田 雄喜生, 横山 泰, 城風 淳一, 藤井 義久
    1982 年 1982 巻 7 号 p. 1111-1116
    発行日: 1982/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    FeClsを含む種々のN-アルキルアミドの光分解機構について,ESRその他の分光学的手法を用いて調べた。
    IR,UVによって,アミドは酸素原子でFeCl3に配位し,電荷移動錯体を形成していることが確認された。N-プロピルヘキサンアミドの場合,電荷移動吸収帯(λmax312nm)のεは4.3×103であった。アミドに対して,2~3×10-4molのFeCl3を加え,液体窒素温度で真空下光照射を行ない,生じたラジカルをESRによって同定した。紫外光照射によって,まず,アミド結合の開裂による7シルラジカルが生じた。このラジカルは可視光照射によって脱カルボニルし,アルキルラジカルにな海た。アルキルラジカルが小さい場合には,この試料のアニールによって, アルキルラジカルによる他の分子からの水素引き抜きが起き,アミドのカルボニル基のα-位に不対電子のあるラジカルと,イミニルラジカルが生成した。イミニルラジカルの検出によって,最初のアシルラジカル生成のさいにイミ堵も同時に生成していることが初めて明らかになった。
  • 北村 孝司, 小門 宏
    1982 年 1982 巻 7 号 p. 1117-1122
    発行日: 1982/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    印刷版として使用されている平版用感光樹脂版(PS版;A1板上にフォトポリマーを塗布したプリセンシタイズ版の略称)上に有機光導電材料からなる電子写真感光層を積層することにより/PS版の高感度化が可能であり,高解像力,高耐欄性を有する印刷版を得ることができた。β型メタルフリータロシアニン顔料をアルカリ可溶性の樹脂中に分散し,ポジ型PS版上に直接あるいはPVAの中間層を介して塗布した。電子写真法により感光層上に微粒子トナー像を形成し,それを光マスクとして全面露光を行なう。光照射をうけたフォトポリマーはアルカリ可溶化し,その後のアルカリ現像により除去され,印刷版が形成される。静電画像形成に必要な半減衰露光量として170erg/cm2の高感度を示し,解像力は25本/mm以上を有する。
  • 山本 善史, 平松 恭輔, 白砂 哲治
    1982 年 1982 巻 7 号 p. 1123-1128
    発行日: 1982/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    アルカリ電池の正極板としての銀電極の容量増加を目的として,電解質であるアルカリ溶液中に塩化ニッケル(II)または塩化コバルト(II)を微量添加したとき,銀電極の酸化・還元挙動におよぼす影響について検討し,つぎのような結果を得た。
    1)充放電曲線から,塩化ニッケル(II)または塩化コバルト(II)いずれの添加によらても,銀電極の容量が顕著に増大することが認められた。なかでも,塩化ニッケル(II)添加の場合の方がより顕著に増大した。2)電流一電位曲線から,塩化ニッケル(II)または塩化コバルト(五)のいずれの添加によっても,酸化第1・第2および還元第1・第2のすべてのピークが顕著に増大することが認められた。3)電子顕微鏡による電極表面状態の観察から,塩化ニッケル(五)または塩化コパルト(II)を添加した極板では,活物質の結晶微細化作用が認められた。それゆえ,各塩化物添加による電極の容量増加は,この結晶微細化作用と関係があるものと考えられる。これは,塩化ニッケル(II)添加の場合には, ニツケ爵貼遍(II)塩から形成されるコ旨イド状粒子の充放電時における吸着・脱着により,また塩化コバルト(II)の場合には,コパル軸ト(II)塩からのイオン状粒子の充放電時における吸着と電析・溶解によるものと思われる。
  • 山本 裕三, 馬場 宣良, 田島 栄
    1982 年 1982 巻 7 号 p. 1129-1135
    発行日: 1982/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    シュウ酸,マロン酸などの脂肪族カルボン酸水溶液でのアルミニウムのアノード酸化中,封入陰イオンに生じる変質過程を,酸化物の発色,フォトルミネッセンス(PL),ESR特性およびIRスペクトルの点から,カルボン酸+水酸化アルミニウム混合物を焼成する方法によりシュミレーションを行なった。
    この目的は,カルボン酸皮膜に認められる発色,PL,ESR特性がアノード酸化中,電解液から皮膜内に封入された有機酸陰イオンの炭素化物に起因するという推定の妥当性を検討することである。ぞあ結果・焼成アルミナはアノード酸化によるものと本質的に一致する上記の諸特性を示し,さらに化成電凪戯温度に依存してみら泌両過程での諸特性の挙動にもきわめて朗な対応碗賜読康鱒わかった。このことからアノード酸化時の封入陰イオンの変簸構眼素化過程を想定することは峨分妥当なものであることが証明された。
  • 岩倉 千秋, 西岡 正人, 田村 英雄
    1982 年 1982 巻 7 号 p. 1136-1140
    発行日: 1982/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    種々の金属硝酸塩を白金基体上500ないし1150℃ で熱分解することによってスピネル型フェライト薄膜電極を作成し,それらの物理。化学的性質ならびに電気化学的性質を検討した。その結果,電極の酸素過電圧と磁気的性質の間に相関性があることを見いだした。すなわち,Pt/CoFe2O4電極以外の検討したすべての電極の1mA・cm-2における酸素過電圧は室温での飽和磁化および有効Bohr磁子数の増大につれてほぼ直線的に低下した。酸素発生反応の解析により,Pt/CoFe204電極では第2段階すなわちOH-イオンと・OHラジカルとの化学反応が律速であり,それ以外の電極では第1段階すなわち・OHラジカルを生成するOH-イオンの放電反応が律速であることが明らかとなった。そこで,上詑の酸素過電圧と磁気的牲質の関係は酸素発生反応の律速段階の差異ならびに反応中間体である・OHラジカルの安定性の差異に基づいて説明された。
  • 岡崎 進, 倉持 勝義
    1982 年 1982 巻 7 号 p. 1141-1146
    発行日: 1982/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    アナタース形の2種の酸化チタン(IV)を炭素原子数3,4,6,8,12,14,16,18の8種の直鎖アルドまキルアミンおよび酢酸トリフルオロ酢酸完急香酸など3種のカルボン酸とベンギン中で1時間かきまぜ加熱処理した。反応後の試料の炭素分析および一部は加熱処理によリアミンおよび酸の反応量を求めたところドデシルアミンに関する場合を除き,300℃ 処理酸化チタンとの反応量は0.84ないし0.99mmol/gTiO2の範囲のほぼ一定値を示した。実際に酸化チタン表面がアミン・酸と反応1していることとは赤外吸収スペクトルの測定により確かめられたが,とくにアミンとの反応後にNH2+に帰属される吸収が認めちれることから,少なくとも一部のアミノ基は酸化チタン(N)表面(IV)Lewis酸点,たとえば表面チタンイオンと結合していることが示唆された。前に述べた反応量の平均値から,アルキル基が単分子層で表面に垂直に配列したと仮定した場合のアミンによる占有面積を求めたところ110m2/gTiO2となった。この値が窒素のガス吸着により求めた比表面積値150m2/gTiO2より少ないのは,吸着剤,反応剤の大きさおよび吸着・反応の相の違いである。
    ベンゼン-水相さらに一部は四塩化炭素-水相クロロホルム-水相をも加えて,「分散し好性」を調蝋括啄べた結果,ブチ相アミンより長い直鎖を有するアミンで処理した場合,酸化チタン表面は親水性から油性に変化することが認められた。13種の酸による処理のうち,安息香酸による処理のみが表面改子質上有効であった。
  • 山崎 仲道, 叶原 悟司, 松岡 清
    1982 年 1982 巻 7 号 p. 1147-1151
    発行日: 1982/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    クロム鉄鉱からクロム(IV)酸イオンの形でクロムを抽出する新しい方法を提示する。この方法は水熱条件下で酸素ガスによる酸化と生クロム(IV)酸イオンの抽出を同時に行なうことによるものである。実験は炉体をロッキング動作をさせることによって試料をかきまぜることができる超小型オートクレープ(内容積10ml)によった。クロム分が100%抽出する条件は,たとえば水酸化ナトリウム濃度7.5mol・dm-3,反応温度400℃,酸素初圧12~13MPa,反応時間20分であった。クロム分の抽出変化およびクロム分抽出にともなう残留物(鉱さい)の変化から抽出過程を考察した。すなわちマダガスカル産クロム鉱石粉末-(Mg,Fe)Cr2O4主成分-から鉄(E)が酸素ガ鼠によって酸化されクロム位置に移動し,同時にクロム(III)が酸化されCro42-となってアルカリ水溶渡中に抽出される。クロム分が60%抽出された時点で鉄(III)がすべて酸化されフェライト(MgFeO4)を生成し,余剰クロム分はMgCr2O4となる。ついでMgCr2Oが水熱下で酸化され,Mg(OH)2が生成し,CrO42-は溶解する。100%クロム分が抽出された場合・残留物(鉢さい)はMgFe2O4とMg(OH)2の混合物となる。またアルミナシリカはアルカリ堪として溶液中に移行することがわかった。
  • 和田 英男, 北村 孝雄, 藤井 綾子, 加藤 俊作
    1982 年 1982 巻 7 号 p. 1152-1156
    発行日: 1982/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    無定形含水酸化アルミニウムは海水中のリチウムイオンを選択的に吸着する。無定形含水酸化アルミニウムへのリチウムイオンの吸着過程を塩化リチウムー水酸化リチウム混合溶液によるpH滴定における溶液の成分濃度の維時変化,および滴定後の固相のx線回折により換討した。pH滴定に挙いて,添加された水酸化物イオンの量k対応したリチウムイオンが吸着された。滴定後の固相にばアルミン酸水素リチウム五水科物LiH(AIO2)2・5H2Oの生成が認められた。また滴定においてアルミニウムの一時的な溶出が認めら液た。これらの結果から,リチウムイオンの吸着は無定形含水酸化アルミニウムの溶解,アルミン酸水素リチウム五水和進物行のす析る出もとのいうと報過程をら経れてる。
  • 木村 優, 黒田 静代, 千葉 博子, 竹内 美恵, 岸田 夏美
    1982 年 1982 巻 7 号 p. 1157-1162
    発行日: 1982/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    水とメタノール(MeOH),エタノール(EtOH),t-ブチルアルコール(t-BuOH),ジメチルスルホキシド(DMSO),およびアセトニトリル(AN)の二成分混合溶媒中でトリス(オキサラト)コバルト(III)酸錯イオン([CO(C204)3]3-)の分解反応の速度論的研究を,イオン強度0.2moldm-3および温度25~40℃において行なった。どの溶媒においても分解反応速度は-d[[Co(C2O4)3]3-]/dt=k0bs[[Co(c2O4)s]3-]の速度式にしたがい,中性から酸性溶液中で1/2kobs=k0+kh[H+]+k2h[H+]2と表わすことができた。水一有機溶媒混合系の有機溶媒の種々のモル分率においてk0,kh,およびk2hを決定した。k0は溶媒の種類が変わってもほとんど一定値を示した。他方,梶および軌は溶媒の種類によりいちじるしく異なった値を示した。また,k0は有機溶媒のモル分率によらず一定値を示したが,梶およびk2hの値は有機溶媒量の増加にともなって大きくなった。khおよびk2hに対する溶媒効果は,モル分率0.2においてt-BuOH<EtOH<MeOH<DMSO<ANの順であった。このモル分率およびk2hの各反応経路の活性化パラメーターを決定した。どの溶媒に関しても活性化エントロピビンΔS0は負または小さな正の値であった。それに対し,ΔShおよびΔS2hはその数倍以上におよ擁ぶ大きな正の値を示した。得られた結果について,(1)溶媒の誘電率,(2)プロトンの溶媒和(HSolv+),(3)反応中間体の溶媒和,による影響を考慮して考察した。
  • 盛 秀彦, 藤村 義和, 武上 善信
    1982 年 1982 巻 7 号 p. 1163-1166
    発行日: 1982/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ホスホン酸ジフェニル-ブチルアルデヒド縮合樹脂を基体とする強塩基性陰イオン交換樹脂を合成し,その性質およびそれに関連してCrO42-,MoO42-およびWO42-イオンの相互分離を調ぺた。
    本交換樹脂はホスホン酸ジフェニル-ブチルアルデヒド縮合物をホルマリンで硬化し,つづいてクロロメチル化および第四級アンモニウム化によって得られた。交換容量は1.05meq/g(乾燥樹脂)で,1.0~11.0の広いpH領域で交換可能である。交換速度は速く,また通液性も良好であった。本交換樹脂はCrO42-,MoO42-およびWO42-イオンの吸着に対し選択的であり,かつこれらのイオンをpH7.0~9.0の範囲で調節された1.6%塩化ナトリウム溶液を溶離液として相互に分離できることが見いだされた。
  • 鈴木 俊雄, 小林 啓, 沢田 清
    1982 年 1982 巻 7 号 p. 1167-1170
    発行日: 1982/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    海水中のカドミウムをカプリコート溶液を用いて抽出したのち,過塩素酸溶液で逆抽出した溶液についてフレームレス原子吸光法によりカドミウムを定量する方法について検討した。
    海水中のカドミウムは1vo1%のカプリコートのキシレン溶液により定量的に抽出でき,さらに有機相中のカドミウムは0.2mol/l過塩素酸溶液により定量的にふりもどされ, この溶液中のカドミウムをフレームレス原子吸光法により再現性よく定量できることがわかった。カドミウムの抽出分離と定量法の最適条件を求めたのち,この方法を実際の海水に応用したところ,キレート樹脂分離法-フレームレス原子吸光法の結果とよい一致を示した。さらに,カプリコート抽出によるカドミウムの抽出化学種についても検討した。
  • 星 座, 四ツ柳 隆夫
    1982 年 1982 巻 7 号 p. 1171-1174
    発行日: 1982/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    種々の有機溶媒中におけるニッケル(II)-ジチゾン錯体の単座配位(ピリジン,イソキノリンおよびγ-ピコリン)および二座配位(2,2'-ビピリジル)の複素環窒素塩基による1:1付加錯体生成反応の平衡定数(IogKad)を測定した。単座配位子系では,その10gKad値は各塩基の塩基性の増大する順序にしたがった(ピリジン< イソキノリン<γ-ピコリン)。また,種々の溶媒中で得られた単座配位子系の10gK認値の間には,自由エネルギーの直線関係(LFER)が成立したが,2,2'-ピピリジル系のそれは単座配位子系とはまったく異なる挙動を示した。2,2'-ビピリジル系のlogKad値は溶媒のミクロな極性パラメーターであるEr値とよい相関を示したが,単座配位子系のlogKad値はほとんど変化しなかった。
  • 鉄見 雅弘, 松本 忠也, 劔 實夫
    1982 年 1982 巻 7 号 p. 1175-1178
    発行日: 1982/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ジアルキルジチオカルバミド酸ナトリウム類のポーラログラムの酸化波の半波電位を,支持電解質にBritton-Robinson緩衡液,参照電極にカロメル電極を用いて求め,それらのアルキル基の相違によって半波電位がどのように影響されるかを検討した。その結果,メチル-0.37V,エチル-0.41V,プロピル-0.45V,イソプロピル-0.48V,ブチル-0.53V,イソブチル-0.50Vの半波電倖を得た。アルキル基が大きくなるにしたがって半波電位はより負の値を示した。これらの半波電位の値を享麟俸のPKaまたはイオン強度0.01で得られているPKcに対しプロットすると直鎖アルキル系列では直線関係が得られた。
    これは,アルキル基が大きくなるにしたがって,S原子に電子が受容され,半波電位をより負め値にし,pKa値もより大きくしている。このことはIRの1500cm扁三付近の吸収帯(vo-N)が低波数側に移動し,1000cm-1付近の吸収帯(vc-s)が高波数側へ移動していることと一致している。
  • 橋本 巌
    1982 年 1982 巻 7 号 p. 1179-1186
    発行日: 1982/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    塩化アルミニウム(AICI,)存在下,各種脂肪族または芳香族カルボン酸無水物によるベンゼソのアシル化の反応速度を測定した,その結果,脂肪族カルボン酸無水物をアシル化剤として用いた場合,ナノしみのシル化の速度は,無水物濃度に3/2次,ベンゼン濃度に対し一次の見かけ上5/2次式で表わされた。Taftプロットの結果,ρ*=3.91,δ=-0.37であったeρ*値が大きな正の値を示すことから,本反応の律速段階は無水物とAICI3との相互作用から生成した陽電荷をもつ求電子剤によるベンゼンへの攻,撃段階にあると推定した.しかしながら,立体反応定数δの符号が負であることや,対称および非対称p,p-置換安息香酸無水物によるベンゼンへの競争的アシル化の結果と考えあわせると,AIC1パによる,カルボン酸無水物の塩化アシルへの開裂段階もアシル化の速度にかなり重大な影響をおよぼすことがわかった。以上の結果と,カルボン酸無水物によるアシル化と塩化アシルによるアシル化との問に多くの類似点が見られることから,AIC13存在下でのカルボン酸無水物によるアシル化でのフシル活牲種は,1塩化アシルーAICI31対1付加錯体と推察した。
  • 小沼 健治, 長谷川 博俊, 板橋 国夫
    1982 年 1982 巻 7 号 p. 1187-1192
    発行日: 1982/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    チオベンズアミド,N,N-ジメチルチオベンズァミドおよびオクタンチオアミドを三硫化モリブデソ触媒とともに加圧水素化し,反応の経路や開裂の様相などについて比較検討した。チオベンズアミドの200℃ 以下およびオクタンチオアミドの240℃ 以下の反応では,炭素一窒素結合の水素化分解反応のほかに,脱硫化水素その他の反応も併起しやすい。これに対して,N,N-ジメチルチオベンズアミドの場合には水素化分解反応のみが容易に進行した。チオアミドの脱硫化水素反応ではニトリルを生成するが,チオベンズアミドの場合にはジフェニルチァジァゾールやトリフェニルトリァジンのような二量体化および三量体化した化合物の生成しやすいことが特徴である。一方,水素化分解反応では最終的に炭化水素を生球するが,中間生成物としてはいずれの楊倉にもチオールが得られ,対応するアミンはごくわずかに過ぎなかった。反応温度の面からみた炭素一窒素結合の水素化開裂されやすさはPhC(S)N(CH3)2>PhC(S)NH2>C7H15C(S)NH2の順序となり,脱硫化水素反応によるニトリルの生成しやすさとは反対の傾向にあった。
  • 岩橋 尊嗣, 松原 文雄, 吉弘 芳郎
    1982 年 1982 巻 7 号 p. 1193-1198
    発行日: 1982/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    2,3-エポキシシクロペンタノンおよび2,3-エポキシシクロヘキサノンとエチルマグネシウム=プロミドとの反応で,1(Z)-1-エチル-2,3-エポキシシクロペンタノール(収率83%)および1-エチル-2,3-ノミエポキシシクロヘキサノール(Z-,E-体の約1:1混合物,収率54%)を得た。ボキシシクロナルカン化合物とカルボニル花合物との反応では,エポキシド環エからのα-位炭素にヒドロキシル基が存在し,しかもそれらがシス配置であるときにアセタール化反応がすみやかに進行し,生購構は図式2,3のように推定された。またアセタール化反応に用いる触媒Lewis酸が非常に有効であることが確認された。得られたジオキソラン環の開裂反応を1-プロパノールー塩酸溶液中で行なうと, -1たとえば6-エチル-3,3-ジメチル-2・4-ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン-6-オールからは2-エチル-2-シクPtペンテノンが82%収率で,2-エチル-8,8-ジメチル-7,9-ジオキサピシクPt[4.3.0]ノナン-2-オールからは2-エチル-2-シクロヘキセノンが40%収率で生成した。また,付加さ,せたカルボニル化合物はほぼ定量的に回収された。
  • 佐藤 耕一, 山口 正雄, 小倉 勲
    1982 年 1982 巻 7 号 p. 1199-1205
    発行日: 1982/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    3-アルキルグアイアズレンのVilsmeier反応の主生成物は2-ホルミル化合物で,4-位のメチル基が2-ジメチルアミノビニル基にかわった塩基性生成物であった。またこれらをエタノール性NaOH溶液の還流により加水分解すると2-ホルミル-3-アルキルグアイアズレンが得られた。しかしながら生成物の構造から,2-位にホルミル基が直接置換したとする反応機構だけでは難点があることから,1-位にカチオン試薬が付加することからはじまる反応機講をあわせて提案する。
  • 佐藤 耕一, 小倉 勲, 山口 正雄
    1982 年 1982 巻 7 号 p. 1206-1211
    発行日: 1982/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    アシルグアイアズレンの還元によるアルキルアズレンの合成を試み,3-アシルグアイアズレンでは水素化アルミニウムリチウムと塩化アルミニウムの等モル混合物による還元により高収率で3-アルキルグアイアズレンが得られ,3-アルキル-2-ホルミルグアイアズレンではヒドラジンを用いたWolff-Kishner反応による還元で2,3-ジアルキルグアイアズレンが得られることを見いだした。また3-アシルグアイアズレンを水素化アルミニウムリチウムで還元すると,生成したヒドロキシ体が不安定なため二量化あるいは脱水した生成物が得られた。
  • 道祖土 勝彦, 黒木 健, 池村 糺, 桐澤 誠
    1982 年 1982 巻 7 号 p. 1212-1217
    発行日: 1982/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    フタル酸エステル系可塑剤の代表的な化合物であるフタル酸ビス(2-エチルヘキシル)(DEHP),フタル酸ジオクチル(DOP)を試料として熱分解反応を実施し,その熱特性を検討した。反応は石英製流通き系装置を用い,250~500℃ の温度範囲を滞留時間2.2~8.4秒の条件によって,また窒素ガスと試料の希釈モル比を20として実験を行なった。
    反応生成物はDEHPで2-エチル-1-ヘキセン,2-エチルヘキサナール,2-エチル-1-ヘキサノール,フタル酸,無水フタル酸,フタル酸水素2-エチルヘキシル,DOPでは1-オクテン,オクタナール,1-オクタノール,フタル酸,無水フタル酸,フタル酸水素オクチルであった。定量された主要成分は脂肪酸エステルの熱分解反慈でよく知られているシス脱離反応によって説明されるがオクタナールなどのアルデヒドが見いだされたことから熱による側鎖の直接切断も存在することを示した。DEHP,DOPの未反応量を実測することによって得られた反応速度式は以下のとおりである。
    =
  • 猪熊 精一, 萩原 裕司, 柴崎 勝巳, 桑村 常彦
    1982 年 1982 巻 7 号 p. 1218-1222
    発行日: 1982/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ポリ(オキシエチレン)鎖を有するジエステル〔2〕の分子内縮合によりアシロイン型の大環状化合物〔3〕を合成した。〔3〕とGrignard試薬とから一系列の新しい界面活性クラウンエーテル〔Cn-AC(m)〕を合成した。Cn-AC(m)について,曇り点,臨界ミセル濃度(CMC),CMCにおける表面張力(γCMC)および1-プロモオクタンとアルカリ金属ヨウ化物の飽和水溶液との反応における触媒効果を調べ,鎖状ポリ(オキシエチレン)系非イオン活性剤〔S-n(m)〕,および同炭素数のアルキル鎖と同数のヘテPt原子を環内にもつ既知のクラウンエーテル〔4〕~ 〔8〕のデータと比較した。その結果,Cn-AC(m)は比較クラウンエーテルより高い曇り点,高いCMCおよび低いγCMOを示す点でむしろS-n(m)に近く,これらの値は,アルキル鎖長とヘテロ原子数に依存することが明らかになった。Cn-AC(m)は,比較クラウンエーテル〔4〕および〔7〕と同等の高い触媒効果を示し,さらに,アルカリ金属イオン種に対する選択性は,他のクラウンエーテルよりすぐれていた。
  • 村田 淳雄, 土屋 脩二, 鈴木 秀雄
    1982 年 1982 巻 7 号 p. 1223-1227
    発行日: 1982/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ベンゼンチオール存在下のネロールの異性化について研究した。ネロールに少量のベンゼンチオールとラジカル開始剤を添加して80℃ に加温すると,シスートランス異牲化と2-エン-1-オール-ケト異性化が起こり,ゲラニオールおよびシトロネラール(3,7-ジメチル-6-オクテナール)が生成した。一般にシスートランス異性化の方がずっと速かったが,シス-トランス異性化とアルデヒドへの異性化の割合はチオール量と溶媒に大きく影響された。ネロールの場合と同様にして,ゲラニオールからもネロールとシトロネラールが生成した。消費ネロールおよびゲラニオールに対するシト探ネラールの選択率は高く,80%以上で条件によってはほぼ定量的であった。アルカンチオールではシスートランス異性化は起こったが,シトロネラールはまったく生成しなかった。シスートランス異性化能もベンゼンチオールにくらべてずっと小さかった。ベンゼンチオール存在下の他のβ,γ-不飽和アルコールのアルデヒドへの異性化についても検討した。2-ブテン-1-オールおよびtrans-2-ヘキセン-1-オールはそれぞれ対応するアルデヒドに異性化したが,3-フェニル-2-プロペン-1-オールと2-メチル-2プロペン-1-オールは反応しなかった。
  • 村田 淳雄, 土屋 脩二, 鈴木 秀雄, 池田 久男
    1982 年 1982 巻 7 号 p. 1228-1232
    発行日: 1982/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    O-(3,7-ジメチル-2,6-オクタジエニル)-N,N-ジエチルヒドロキシルアミン〔1〕の種々の金属触媒による相当するナルコールへの接触水素化分徽検討レた。鋤よび雛鋸濃金属とではその水素化分解特性にきわめて特徴的な差のあることが観察された。銅および鉄族触媒ではもっぱらアミノオキシ基の水素化分解が優先し,鉄族触媒では引きつづき生成アルコールのβ,γ-位二重結合め水素化が〔1〕のアミノオキシ基の水素化分解と並行して起こる。相当するアルコールへの選択性はいずれも非常に高く,95%以上であった。貴金属触媒ではもっぱら二重結合の水素化が優先し,〔1〕の二重結合が全部が水素化されてからアミノオキシ基の水素化分解が起こり,テトラヒドロゲラニオールを生成した。テトラヒドロゲラニオールへの選択性はいずれも高い。これらの結果から,〔1〕の触媒への吸着特性について検討した。底
  • 村田 淳雄, 土屋 脩二, 今野 顕弘, 内田 潤
    1982 年 1982 巻 7 号 p. 1233-1236
    発行日: 1982/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    イソプレンとジエチルアミンのテロメル化反応によるN,N-ジエチルネリルアミン〔2〕の合成において,高価なブチルリチウムに代えて,安価なハロゲン化リチウムと金属ナトリウムを触媒とする方法について検討した。イソプレンとジエチルアミンの混合液に直接塩化リチウムと金属ナトリウムを加えて反応させると副生物が多く,〔2〕の収率はいちじるしく低いeジエチルアミンに塩化リチウムと金属ナトリウムおよびその可溶化剤として共役ジエンまたは縮合環芳香族炭化水素を少量加え反応させてあらかじめリチウムアミド触媒を調製しておき,これにイソプレンを加えて反応させることによりブチルリチウムの場合と同様に約80%の収率で〔2〕を得ることができた。臭化リチウム,ヨウ化リチウムでも餅結果が得られたが,フッ化リチウムでは成功しなかった。リチウムジエチルアミド触媒生成の機構について考察し,さらにフッ化リチウムのみ成功しなかった理由について熱力学的考察を加えた。
  • 曾根 孝明, 片田 昭二, 沖吉 勇二, 新海 征治, 真鍋 修
    1982 年 1982 巻 7 号 p. 1237-1240
    発行日: 1982/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    立体障害のある芳香族ニトロ化合物〔1〕として2,3-ジメチルニトロベンゼン〔Za〕,2,6-ジメチルニトロベンゼン〔1b〕,1-ニトロナフタレン〔1c〕および2-メチル-1-ニトロナフタレン〔1d〕を硫酸-メタノール中Pt-C触媒を用いて室温,常圧下で接触還元を行ない,それぞれ相当する1-アミノ化合物〔2〕の2,3-ジメチルアニリン〔2a〕,2,6-ジメチルアニリン〔2b〕,1-ナフチルアミン〔2c〕および2-メチル-1-ナフチルアミン〔2d〕と還元中間体の芳香族ヒドロキシルアミン類のBamberger型転位生成物である4-メトキシ-1-アミノ化合物〔3〕の4-メトキシ-2,3-ジメチルアニリン〔3a〕,4-メトキシ-2,6-ジメチルアニリン〔3b〕,4-メトキシ-1-ナフチルアミン〔3c〕および4-メトキシ-2-メチル-1-ナフチルアミン〔3d〕を得た。〔3〕の最高収率はそれぞれ〔3a〕=64%,〔3b〕=45%,(3c〕=68%,〔3d〕=55%であった。反応系に少量のDMSOを加えることにより〔3b〕の収率は72%まで向上した。
  • 松井 とも子, 片岡 一則, 岡野 光夫, 桜井 靖久, 田中 誠之
    1982 年 1982 巻 7 号 p. 1241-1245
    発行日: 1982/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Fourier変換赤外ATR法によりポリエチレン表面に吸着したアルブミン,γ-グロブリンの吸着量および二次構造の変化をアミド1パンドを用いて解析した。
    1)アルブミン,γ-グロブリンの存在量とピーク強度の関係を求めるため,重水溶液を用いて透過法によりスペクトルを測定した結果,両タンパク質とも単位重量あたり等積分強度を示すものであることがわかった。2)さらに上記関係は吸着状態においても適用されるものと仮定し,ポリエチレン表面への両タンパク質の吸着量を,1251標識化アルブミンを用いた放射化学分析法による結果を併用して検討を行なった。すなわち吸着タンパク質のリンス法を変えたところ,両タンパク質とも層流リンス法と渦流リンス法とでは吸着量に差が生じた。3)溶液状態と吸着状態とのスペクトルの比較を行なった結果,とくにγ-グロプリンではアミド1バンドの形状がいちじるしく異なり,吸着状態では不規則構造の存在が増加したものと推定されるバンド形状を示した。以上の結果,ポリエチレン上のアルブミン,γ-グロブリンの吸着量の推定が可能となり,これから,本方法は各種材料上の吸着タンパク質の解析に,重要であるとともに今後一般的に適用可能な測定法であることが明らかとなった。
  • 笠岡 成光, 笹岡 英司, 三隅 淳一
    1982 年 1982 巻 7 号 p. 1246-1251
    発行日: 1982/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ニッケル系触媒によるCOの水素化反応では,メタン化反応のほかにFischer-Tropsch反応,COと生成水蒸気との反応によるH2への転化反応,生成CO2のメタン化反応,COの不均化反応などが進行する。またCO2の水素化反応ではCOにいったん還元されてから水素化されるとされていることから,COの場合と同様の関連反応が考えられる。そこで,これらの反応の関連性を解明する一助として,Ni-α-Al203およびこれにLa,Y,Kを添加した含浸担持触媒上のCOおよびCO2の水素化反応を検討した。すなわち,定温下の触媒活性・選択性の評価と,定速昇温反応法(T.P.R.)による触媒表面上の炭素種とその反応性を検討した。実験は,常圧流通式固定層反応装置を用い,定温実験では触媒(1.0mm径)O.5mlに対し10%CO-30%H2-N2あるいは10%CO,-40%H2-N2を500Ncmslmin(空間速度6×104h-1)で供給し,200~500℃ で行なった。またT.P.R.実験では,触媒1.0mlに対し,10%CO-N2,10%CO-30%H2-N2,10%CO2-N2あるいは10%CO2-40%H2-N2を500Ncm3/minで供給し,200~300℃ で1時間処理し,室温まで冷却後,10℃minの定速昇温下30%H2-N2を供給した。
    得られたおもな結果は,1)CO-H,系では2種の,CO2-H2系では1種の触媒表面炭素種が存在する。2)CO-H,系の一つの炭素種と,CO2-H2系の炭素種は同一で,この炭素種がメタン化反応に関与する。すなわちCO2はH2によっていったんCOに還元され,COと同じ反応経路でメタン化反応が進行する。3)CO-H,系のもう一つの炭素種は低温域で起こるFischer-Tropsch反応に関与し・同時に進行するCOのメタン化反応を抑制する。このことがCOとCO2のメタン化活性の間に差異をもたらす一因となっている。4)H2と共存しないCO系では3種の炭素種が存在する。このうち2種はCO-H2系のものと同様で,もう一つは主としてCOの不均化反応(2CO→C+CO2)で生成する炭素である。
  • 玉鳳 元則, 平木 隆年
    1982 年 1982 巻 7 号 p. 1256-1258
    発行日: 1982/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    大気中の窒素酸化物系汚染物質の挙動におよぼす降雨の影響を調べるため,神戸地域において,降雨時ならびにその前後の大気汚染物質濃度を測定するとともに,雨水を容量別に採取し,そのなかに含まれる各イオンを分析した。粒子状物質中に含まれる化学塵分のうちでNO8扁は降雨によるwashoutをもっとも強く受け,約10mmの降雨により,降雨直前の大気中の濃度は降雨時に約1/2,降雨直後に約1/4に減少した。このことは,粒子状NOxはおもに粒径の大きい粒子に含まれること,ならびに二次的粒子であるため,光化学的生成による補給が降雨時に停止することに基づくと考えた。
    一方,気体状物質のうち,SOx濃度は降雨により,5~24%減少するのに,NOx濃度は降雨時に増加する傾向を示し,とりわけNO濃度は9~31%増加した。降雨時,他の地点にくらべて,自動車排ガスの影響を強く受ける地点でNOx濃度がとくに高くならなかったことから,このNOx濃度の増加は,気象的・地理的因子によるよりは化学反応によるものであり,おもに光化学反応によるNOxlossが降雨時に抑制されるため,見かけ上NOx濃度が高くなるものと考えた。また,降雨量の増加にしたがい,NO濃度が高くなることから,NO濃度の増加のなかには,雨水とNO霧との不均化反応(3NO2+H20=2HNO8十NO)に基づくものが含まれると考えた。
  • 高見 敬一, 今井 久雄
    1982 年 1982 巻 7 号 p. 1259-1261
    発行日: 1982/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    The decmposition of ethanol was carried out on the ZnO-W03 catalysts. The phase structures of the active catalysts were investigated by powder X-ray diffraction analysis. Both the diffraction intensity of WO, and the activity for dehydration of ethanol decreased with the increase of the content of ZnO in the ZnO-W03 catalysts. The maximum dehydrogenation activity was observed on the catalysts containing 50-60mol% of ZnO, giving the maximum diffraction intensity of ZnWO4. In spite of the existence of ZnWO4, the catalysts containing less than 50mol% of ZnO were almost inactive for the dehydrogenation (Fig.1). The role of ZnWO4 catalyzing the dehydrogenation of ethanol was briefly discussed.
  • 佐藤 弘次, 原 駿吾, 村瀬 啓
    1982 年 1982 巻 7 号 p. 1262-1264
    発行日: 1982/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Pyrolytic precursors of coupling component can be applied to th ermally developable diazonium type systems.α -, β -, and γ-resorcylic acids and 2, 4-dimethy1-3, 5-bis(ethoxycarbonyl)pyrrole were chosen as a precursor. The 1 st order kinetic constants (k) and activation energies in the pyrolytic decomposition reaction of them were obtained according to Niwkirk's method. The temperature at which a tenth amount of γ-resorcylic acid (2, 6-dihydroxybenzoic acid)decomposed corresponded to the thermo-sensitivity of the system. It was concluded that the storage stability of the system could be estimated from the k value of a pyrolytic precursor at room temperature.
  • 堂野 礼三, 小塚 康治, 白子 忠男
    1982 年 1982 巻 7 号 p. 1265-1267
    発行日: 1982/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Indene was effectively carboxylated with carbon dioxide under atmospheric pressure in the presence of potassium succinimide at room temperature to afford 1, 3-indenedicarboxylic acid in a considerable yield. Fluorene, acetophenone and cyclohexanone were scarcely carboxylated under these conditions, but carboxylated under increasing carbon dioxide pressure to give the corresponding monocarboxylic acids. Potassium phthalimide did not show the promoting effect so remarkably as potassium succinimide.
  • 松居 正樹, 森田 昌明, 柴田 勝喜, 高瀬 福己
    1982 年 1982 巻 7 号 p. 1268-1269
    発行日: 1982/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    The ozonolysis of indigo was investigated. Indigo[ 1 ] was ozo nated to isatin [ 2 ], from which isatoic anhydride [ 3 ] and a trace amount of “o-benzoylenequinazolone”(indolo[2, 1-b]quinozoline-6, 12-dione) [ 4 ]were produced. When indigo was ozonated in water, isatin and hydrogen peroxide[ 5 ] were produced. The reaction could be explained by the norm al ozonolysis mechanism of C=C double bond of indigo.
  • 堀江 徳愛, 高麗 寛紀, 大坂 秀明
    1982 年 1982 巻 7 号 p. 1270-1272
    発行日: 1982/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    The demethylation of 4', 5, 6, 8-tetramethoxyflavone with anhydrous aluminium chloride in anhydrous acetonitrile quantitatively afforded 5-hydroxy-4', 6, 8-trimethoxyflavone. When the solvent contained a small amount of water, the 5- and 6-methoxyl groups on the flavone were selectively cleaved to give 5, 6-dihydroxy-4', 8-dimethoxyflavone in a good yield. t Studies on Selective O-Alkylation and Dealkylation of Flavonoids. IV.
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