ソルト・インスティテユートの加盟会社は, 主として固型塩を製造している. 米国における塩化ナトリウムのおもな市場とその使用量は表-7のとおりである.
塩素製造用の固型塩の市場は, 次の3つの要素により左右される. すなわち, メキシコ湾岸の工場が盛んになれば, ここはかん水を使うので減少し, 電解槽室の塩素の許容値が厳しくなり, 電気の安全性が強化されれぼ, これもまた固型塩は減少し, またイオン交換膜隔膜が米国において採用されれぼ固型塩の消費は増大し, せんごう塩まで購入しなければならなくなる.
融氷用の道路用塩は1971年にピークに達した. この用途で1965年の4,563,000tから1971年の9,538,000tに急激に増加したのは, 塩が研磨剤に置き換わったためであった. 1971年以降は道路用塩の使用量は冬の寒さの程度により変化したようである, この期以降の伸びは道路の延長によると考えられる. したがって道路用市場の伸びは緩慢で, むしろ冬の厳しさによると考えられる.
食卓塩用販売量は年間約275,000tで, 1日1人あたり3.42gにあたる. 1977年では食肉加工, 皮なめしおよびケーシング業者への販売量は569,000t, 乳製品業で71,000t, 缶詰用塩に235,000t, ベイキング112,000t, 粉加工用95,000t, その他食品加工用611,000tであった.
家畜飼料用塩の推定はきわめて正確で, これら各種家畜の頭数によるものである. 家畜飼料には散塩がそのままあるいは微量ミネラル, 主要ミネラル, 医薬品およびビタミンを添加して用いられる. この散塩を約110kgのブロック塩にもできるし, プロックにはイオウだけ, ヨウ素だけ添加したものもある. このほか動物の種類別に応じた処方の塩も販売されている.
硬水軟化器製造業および販売業用には300~350万tが使用されている. この市場は年8~12%の割合で増大している.
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