日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
23 巻, 4 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 青木 延雄, 塩 栄夫, 稲田 潔, 坂井 誠, 永川 祐三
    1986 年 23 巻 4 号 p. 353-378
    発行日: 1986/07/30
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 加藤 暎一, 井上 剛輔, 梅田 博道, 福地 義之助
    1986 年 23 巻 4 号 p. 379-384
    発行日: 1986/07/30
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 浴風会病院に於ける20年間 (1962年1月~1981年12月) の検討
    板垣 晃之, 鈴木 孝臣, 早川 道夫, 大友 英一, 関 増爾, 春山 勝, 武内 寛, 久保 雅博, 野崎 太矩祠, 盤若 博司
    1986 年 23 巻 4 号 p. 385-393
    発行日: 1986/07/30
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    1962年1月から1981年12月までの20年間に浴風園に在住し, 死後剖検にて死因が確認された589例について, 直接死因を耐糖能別に検討した. (1)全症例では耐糖能に関係なく, 感染症が約半数を占め, 次いで血管障害, 癌であった. 虚血性心疾患 (IHD) は糖尿病 (D) 型で最も高率で, 正常 (N) 型の4.8倍, 境界 (B) 型の1.6倍であった. 脳出血はD型でB型に比し有意に低率であった. (2)20年間を前半, 後半で10年ごとに区切り死因の変化をみると, 前半, 後半期ともD型では感染による死亡が最も高率であった. 前半期の特徴としてD型では結核がB型に比べ有意に高率で, 脳出血はB型に比べ有意に低率であった. 後半期ではD型の尿路感染はN型の2.3倍, B型の3.3倍と高率で, IHDはN型の6.2倍, B型の1.8倍であった. 前半期と後半期での死因を比較すると, D型では感染症全体は後半期で減少の傾向であったが, 尿路感染のみ約6倍に増加した. 血管障害および癌は増加傾向がみられた. 死亡年齢の平均はB型で2.1歳, D型で4.3歳と後半期で有意に延長していた. (3)耐糖能検査時年齢が75歳未満(老年前期), 75歳以上 (老年後期) に分けて死因の変化をみると, 老年前期のD型ではIHDがN, B型に比べ有意に高率で, 老年後期ではN, B, D型で差はなかった. 脳出血は老年前期, 後期ともD型はB型より低率で, 特に後期では有意であった. 感染症は老年後期のD型でN, B型に比し有意に高率で, そのうち尿路感染はN型の2.3倍, B型の約2倍であった. 以上のことから耐糖能異常例の死因が1960年代と1970年代では変化し, かつ死亡年齢が1970年代で著明に延長していることを知り得た. また, 同じ老年者でも, 耐糖能異常が出現する年齢により死因も変化しており, かつ各疾患に対するリスクの程度も異なっている点から60歳以上の老年者の疾病を論ずる場合75歳前後で年代を区分する必要があろう.
  • 臨床データの加齢変動
    飯泉 久子, 雨宮 武彦
    1986 年 23 巻 4 号 p. 394-400
    発行日: 1986/07/30
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    健常な中高年男女60名を対象に, 1974年から1981年まで8年間, 食生活と若干の健康指標を追跡調査した. その中から動脈硬化の危険因子である血圧, 肥満度, 総コレステロール, β-リポプロティン (β-Lipo) の他, フィブリノーゲン (Fbg), GOT, GPT, LDH, アルカリフォスファターゼ (Alk-P), を選び, 加齢変動について性別, 個人別に検討した.
    1) 加齢変動が認められた項目は, Fbg, LDH, GOT, GPT, 肥満度 (男女とも共通), Alk-P (男のみ), β-Lipo (女のみ) であった.
    2) Fbg は男女とも, 加齢と共に低下した. この結果は, 調査した年齢の範囲で,“加齢と共に上昇する”というこれまでの報告と必ずしも一致するものではなかった.
    3) LDH, GOT, GPTは男女とも, 加齢と共に上昇し, 肝機能低下が推察された.
    4) Alk-P は男で加齢と共に有意に低下した. 一方, β-Lipo は女で加齢と共に有意に増加した. しかし, 個人別データでは個人差が大きく, 変化の方向は一定ではなかった.
    5) 血圧, 血清総コレステロール値は, 個人別の加齢変動が若干認められたが, 集団として共通の現象ではなかった.
    以上, 血漿フィブリノーゲン, 肝機能検査値等には加齢変動が認められた. しかし, 動脈硬化の危険因子そのものの変動は少なかった. その理由として本対象が成人病, 特に動脈硬化による疾患予防についての知識が普及した集団であり, 自ら健康管理を行ったものと考えられた.
  • 島田 和幸, 貞包 典子, 北澄 忠雄, 小沢 利男, 小倉 久和
    1986 年 23 巻 4 号 p. 401-405
    発行日: 1986/07/30
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    外来時に拡張期血圧90~104mmHgを示した年齢40~78歳の本態性高血圧患者について, 2時間安静臥床時の血圧を5分毎に求め, その全測定値の平均を「基礎血圧」とし, 外来随時血圧と比較してその情報の有用性を検討した. 安静臥床により血圧値は平均して約60分で最低値に下降した. 基礎血圧は, 外来随時血圧に比し, 収縮期血圧は21.1±12.5, 拡張期血圧は12.1±8.6mmHg低下し, 固定性および境界域高血圧ともにほぼ正常域にまで低下した. すなわち, 中高年軽症高血圧はストレスを除いた安静状態ではほぼ正常血圧であり, その高血圧治療に関しては, 十分に血圧経過を観察し, 一般療法をまず徹底させることの重要性が示唆された.
    加齢は外来随時と安静臥位時の間の心拍数及び血圧変動には影響を与えなかった. 一方, 外来随時血圧が基礎血圧から大きく変動しているものほど, 安静時の血漿ノルエピネフリンが大で, このような血圧変動に交感神経系の関与していることが示唆された.
  • 岩本 俊彦, 勝沼 英宇, 前畑 幸彦, 柚木 和太, 荒木 五郎
    1986 年 23 巻 4 号 p. 406-412
    発行日: 1986/07/30
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    高齢者虚血性脳血管障害の特徴を知り, その予防・治療に役立てる目的で, 虚血症状を呈した429例を年代別に分け, その臨床症状, CT所見, 脳血管撮影所見について比較検討した.
    対象は49歳以下50例I群, 50~59歳97例II群, 60~69歳161例III群, 70歳以上121例IV群であった. Risk factor としての既往歴では高血圧症が各群の半数にみられたが, 糖尿病はIII群に, 心房細動はIV群に多く, それぞれ21%, 25%であった.
    臨床症状の多くは片麻痺で, 加齢とともに高度の片麻痺をきたしやすく, IV群では39%に認められた.
    I群でCT上異常を認めないものは40%と多く, 基底核部梗塞 (34%), 皮質枝領域の梗塞 (18%) はあっても小さかった. 脳血管撮影 (以下AGと略す) で梗塞と関連ある病的所見 (狭窄・閉塞・early venous filling) の認められたものは30%にすぎなかった.
    II群ではAG上38%に病的所見を認めたが, CT上そのほとんどが lacune と考えられる基底核部梗塞で, 41%に認められた.
    III群ではCT上基底核部梗塞は34%に認められたが, 皮質枝領域の梗塞も32%と多く, さらにIV群ではそれぞれ31%と同頻度に認められた. 皮質枝領域の梗塞は embolism で多いことから, 高齢者ではembolism の増加が示唆された. またIV群では大・中梗塞が17%と増加した. AGではIII群の43%, IV群の49%に病的所見を認めた.
    以上から高齢者では lacune とともに embolism が多く, その原因として脳動脈硬化とともに加齢に伴って増加する心房細動が重要な役割を演じていることを示唆し, 心房細動を有する高齢者の脳梗塞への進展を予防することが重要と考えられた.
  • II. 臨床像の特徴
    秦 葭哉, 山本 実, 及川 孝光, 山内 喜夫, 長島 勉, 福沢 恒利, 中島 久実子, 重松 洋
    1986 年 23 巻 4 号 p. 413-421
    発行日: 1986/07/30
    公開日: 2009/11/24
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    高HDL血症の臨床的意義を明らかにする目的で, 高HDL血症 (≧100mg/dl) と対照しての低HDL血症 (≦30mg/dl) の例を人間ドック受診者の集団より選び出し, 両群の臨床像を比較した.高HDL血症 (頻度0.8%) は, 30歳以降では女性が高率を占め, 男性ではアルコール摂取量の多い者であった. 男女共比較的痩せており, 男性でγ-GTPが高いほかは, 血清脂質や臨床化学検査に著しい異常をみない人達より成っていた. 低HDL血症 (頻度0.9%) は, 中年男性を中心にふえ, 体重増減率も+15%と肥満気味で, 高トリグリセライド血症が顕著で, 喫煙量が多かった. 両群の病理発生に関係すると思われる因子の内訳は対照的で, 多くの場合高HDL血症は男性でもアルコールを過剰に摂取しても肥満や高トリグリセライド血症のおこり難いタイプの人達, 低HDL血症はライフ, スタイルを反映した高トリグリセライド血症, 肥満傾向の裏現象としておきている可能性が考えられた.
  • 黒田 広生, 高山 晴彦, 太田 善介, 小川 紀雄
    1986 年 23 巻 4 号 p. 422-423
    発行日: 1986/07/30
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 1986 年 23 巻 4 号 p. 424-451
    発行日: 1986/07/30
    公開日: 2009/11/24
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