日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
32 巻, 1 号
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  • 蔵本 築
    1995 年 32 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 1995/01/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 大原 健士郎
    1995 年 32 巻 1 号 p. 9-14
    発行日: 1995/01/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    老人のうつ病では, 焦躁うつ病が多いこと, 慢性化しやすいこと, 自殺の危険性が高いこと, 身体症状を訴える患者が多く, しばしば仮面うつ病様の状態になることなどが知られている. 治療は, 副作用の少ない非三環系の抗うつ薬がよく使用されるが, 薬物療法だけでなく, 精神療法も必要である. 精神療法の要点は, 例え短時間であっても頻繁に接触する方がよい. 老人のうつ病では家族内人間関係の歪みや役割喪失のからまっていることが多いので, 家族調整をはかり, 役割意識をもたせるように努めるべきである.
  • 2000骨折について
    五十嵐 三都男
    1995 年 32 巻 1 号 p. 15-19
    発行日: 1995/01/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 赤澤 憲治, 牛木 信之
    1995 年 32 巻 1 号 p. 20-26
    発行日: 1995/01/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    東京都多摩老人医療センター婦人科で, 1986年7月から1992年6月までの6年間に50歳以上の中・高齢婦人の結核性腹膜炎または性器結核を8例経験し, その臨床統計的検討と文献的考察を行った.
    年齢分布は52歳から82歳までで平均年齢は72歳, 頻度は50歳以上の当科外来初診婦人1,034例の0.77%に相当した. 8例中5例は通常の子宮頸癌・体癌検診のための細胞診で結核性子宮内膜炎を強く疑い, 子宮内膜組織または子宮腔洗浄液の結核菌培養を行った結果陽性であったことにより診断が確定され, 3例は腹水所見から結核性腹膜炎を強く疑い, このうち2例は結核菌培養が陽性であったこと, 残り1例は腹水からの結核菌は証明されなかったが, 腹水所見と抗結核療法にて症状・所見の著しい改善がみられたことにより診断した (このうち1例は胸水の所見から結核性胸膜炎の合併例であった).
    活動性肺結核の合併例はなかった.
    現病歴に結核を有する例はなかったが, 全例に家族歴または既往歴に肺結核を認めた.
    ツベルクリン反応は強陽性3例, 弱陽性4例, 陰性1例であった.
    全例に, isoniazide, rifampicin, streptomycin を中心とする抗結核療法を行い, 全て症状・所見の著しい改善を認めた.
    全結核の新規登録患者数の減少速度に鈍化傾向がみられ, また活動性結核有病率が加齢と共に上昇している現在, 中・高齢婦人の結核性腹膜炎・性器結核は老年婦人科学領域における重要視すべき疾患であり, その診断や管理に婦人科的検査手技-子宮内膜の細胞診・組織診・細菌学的検査, 経腟的超音波断層法による微量腹水の検出と腹水穿刺など-が有用であることを強調したい.
  • 心房細動に及ぼす加齢の影響
    長尾 和彦, 土橋 和文, 田中 繁道, 飯村 攻
    1995 年 32 巻 1 号 p. 27-32
    発行日: 1995/01/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    成人型心房中隔欠損症における心房性不整脈, 殊に心房細動に及ぼす加齢の影響を検討した. 高度の右→左シャント (R-Lシャント率>10%) 例を除き, かつ他の心奇形を合併しない心房中隔欠損症患者48例 (男性18例, 女性30例, 年齢16~67歳, 平均42.6±2.3歳) を対象とした. 発作性を含む心房細動 (Af) 群12例と洞調律 (NSR) 群36例の2群で診断の契機, NYHA心機能分類, 血行動態諸指標 (平均左房圧; mLA, 同右房圧; mRA, 右室収縮期圧; RVs, 肺体血流比Qp/Qs, 肺体血圧比;Pp/Ps, 左→右シャント率; L-R%), 心エコー図上の左房径 (LAD), 三尖弁逆流 (TR) の程度, 心電図上のV1R/S比を比較, 加えて年齢とこれら諸指標との関連を検討した. さらに慢性Af例を除外した20例では Holter 心電図 (DCG) を用いて心房性期外収縮数 (PAC/日) も検討した. 上述例の診断契機は不整脈および動悸あるいは息切れが約1/3を占め, NYHA分類はNSR群2.0±0.2対Af群1.6±0.1 (p<0.05) とAf群で高値を示した. また, 年齢も52.8±2.6対38.6±2.8歳とAf群が有意 (p<0.05)に高く, 年齢とDCG上のPACは有意に正相関(r=0.642, p<0.05) した. 血行動態指標のmRA, mLA, QP/Qs, L-R%はいずれも2群間で差を認めなかった. 唯一RVsのみがAf群で高値を示したが, 体血圧で補正したPp/Psには差をみなかった. また, いずれの血行動態諸指標も年齢との相関はなかった. 心電図上のV1R/S比, TRの程度は両群間に差はないが, LADは加齢により増加し, 41.4±1.1対34.7±1.2mmとAf群で有意に高値であった. 以上より, 成人型心房中隔欠損症における心房性不整脈ことに心房細動は, 必ずしも血行動態指標とは関連せず, 加齢すなわち罹病期間が長くなるに伴い増加することが示された.
  • 大平 基之, 山田 政孝, 村住 ゆかり, 大平 賀子, 高杉 佑一, 並木 正義, 鈴木 貴久
    1995 年 32 巻 1 号 p. 33-38
    発行日: 1995/01/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    良性肝嚢胞に対する塩酸ミノサイクリン (MINO) 注入療法について検討した. 6症例7個の肝嚢胞に対してMINO注入療法を行い, 6個の嚢胞が消失もしくは著明に縮小しており, 長期成績をみてもMINO注入療法は有効であった. 初期にはエタノール注入療法に準じてドレナージチューブを嚢胞内に留置したが, 最近はドレナージチューブを留置せず, 穿刺注入のみで治療している. この方法でも良好な成績が得られており, 患者の負担も軽減した. この方法は高齢者や合併症を有する患者にも適応できる.
  • 特に気象因子との関連について
    岡田 和悟, 山形 真吾, 福田 稔, 飯島 献一, 小林 祥泰
    1995 年 32 巻 1 号 p. 39-46
    発行日: 1995/01/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    高齢化地域における脳血管障害の病型別発症頻度の検討を3年間にわたって行い, 高齢化による病型の変化, 発症の季節要因などについて検討を行った. その結果1) 期間中の脳血管障害者数は95例であった. 病型別にはTIA 19例, 脳血栓症30例, 脳塞栓症16例, 脳出血10例, クモ膜下出血7例,分類不能の脳梗塞13例であった. TIAを除く各病型の頻度は脳血栓症39.5%, 脳塞栓症21.1%, 脳出血13.2%, クモ膜下出血9.2%等であった. 2) 平成2年10月の基準人口に対するTIAを除く脳卒中の発症率は, 男性で7.66/1,000人/年, 女性で4.76/1,000人/年となり, 脳梗塞対脳出血比は男性で7.4倍, 女性で4.4倍, 全体でも6倍であった. 3) 危険因子として高血圧の合併が62.1%, 脳卒中既往が29.5%にみられた. 年齢では脳塞栓症群が, 他の群に比し高齢であった. また脳塞栓症群において心房細動が50%に認められた. 4) 季節ごとの脳血管障害の発症頻度は病型により異なり, TIA, 脳塞栓症は通年型, クモ膜下出血, 脳血栓症は春季に発症のピークがみられた. 5) 気温の日内格差の大きい時期に脳血栓症が多い傾向があり, 気温因子の発症への関与の可能性が示唆された.
    高齢化に伴い脳梗塞症の増加がみられ, 脳血管障害の危険因子として高血圧, 脳卒中既往歴, 心房細動が重要と考えられた. また気候因子が脳血管障害, 特に脳血栓症の発症と関連している可能性が考えられた.
  • 定方 宏人, 谷田部 寛, 篠崎 忠利, 楢原 伸裕, 成清 卓二, 土屋 純
    1995 年 32 巻 1 号 p. 47-50
    発行日: 1995/01/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    症例は81歳, 男性. 血尿, 皮下出血斑が認められ, 精査加療目的にて1992年12月当院に入院した. 入院時四肢, 体幹に広範な皮下出血があり, 血尿も認めた. 入院後さらに右頬部, 頸部の皮下出血, 口腔内及び咽頭血腫が出現した. 凝固時間20分以上, APTT108.6秒と著明に延長を認め, 第VIII因子活性は4%と著減していた. 抗第VIII因子抗体は65.0 Bethesda Unit/ml (以下BU) と高値を示した. 血清生化学的に異常なく, 基礎疾患を疑わせる所見はなかった. 以上より本例は高齢者に発症した後天性血友病と診断された.
    血腫による気道狭窄がみられ, 早急な治療が必要とされたため, 血漿交換 (Plasma Exchange, 以下PE) を施行し, 終了後に第VIII因子製剤2,000単位を投与した. また Prednisolone (以下PSL) を開始した. 治療後抗体活性は低下し, 各出血部位の症状所見も改善した. PSL投与開始3週目に一時悪化したため再度PEを施行し, Cyclophosphamide (以下CPM) を追加した. 以降出血も認めず, 入院約1カ月後に因子活性は正常化し, 抗体も陰性化した. 経過中慢性硬膜下血腫によると思われる全身性痙攣が出現したが, 抗痙攣剤の投与にて軽快し, 翌年3月退院となった.
    外来では問題なく経過していたが, PSLを減量後, 8月より血痰, 血尿が出現し再入院となった. 第VIII因子活性は21%, 抗体は3.0BUであった. 入院後, PSLを増量したところ, 出血症状は消失し, 因子活性も正常化, 抗体も陰性化した.
    多彩な出血症状を呈し, 抗第VIII因子抗体の除去と産生を抑制する目的で施行した血漿交換療法と免疫抑制剤療法が有用であった症例と考え報告した.
  • 石倉 菜子, 濱本 真, 大坪 孝一, 宮崎 徳蔵
    1995 年 32 巻 1 号 p. 51-52
    発行日: 1995/01/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 32 巻 1 号 p. 53-80
    発行日: 1995/01/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
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