日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
34 巻, 10 号
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  • 多臓器障害への接近とDALBAR栄養評価スコア
    秦 葭哉
    1997 年 34 巻 10 号 p. 779-788
    発行日: 1997/10/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 森 眞由美, 太田 ケイ子, 永田 久美子, 堤 久, 岡田 豊博, 熊川 寿郎
    1997 年 34 巻 10 号 p. 789-792
    発行日: 1997/10/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    60歳以上の血液科入院中の患者で, 入院後一カ月以上経過した50例 (悪性腫瘍27例, その他23例) を対象とし, 告知に関する調査を行った. 医師の告知率は74%であった. 告知率は, 高齢になるに従い低下傾向を認めたが統計的に有意ではなかった. 疾患で告知率に差を認め, 悪性腫瘍患者では低値を示した. 一方, 患者が, 病名病態共に知らされたと感じている比率は42%にすぎず, 告知群でも43.2%であり医師と患者の間に大きな差を認めた. 医師の説明に対する理解度では, 説明がよく分かったと答えた患者は60%であったが, 自分の病名ないし病態に関し何らかの記載が出来た患者は全体の36%にすぎず, 説明がよく分かったと答えた群でも43.3%であった. 病気に対する不安の有無と告知の有無には, 相関を認めなかった. 告知に関する患者の意思の調査で, 病名を詳しく知りたいと答えたものは66%であったが, 治療を自分の希望に沿ってないし希望を入れて行ってほしいと答えた者は36%であり, 48%は医師に任せるという答えであった.
  • 李 兵紅, 井尻 裕, 殷 東風, 田草川 正弘, 望月 泰朗, 岩崎 宏, 奥谷 充章, 河埜 功, 望月 淳, 小森 貞嘉, 田村 康二
    1997 年 34 巻 10 号 p. 793-797
    発行日: 1997/10/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    閉経前後の健康な女性における血圧と心拍数の概日変動について検討した. 高血圧のない健康な女性64名 (閉経前24名, 35~45歳, A群; 閉経後40名, 55~65歳, B群) を対象に携帯型自動血圧計を用いて血圧と心拍数を30分毎に48時間測定し, 血圧と心拍数の平均値および夜間低下率 (昼間と夜間の平均値の差を昼間平均値で除した値) を求めた. A群およびB群の48時間平均血圧は, それぞれ117±9/71±8mmHg, 119±5/70±4mmHg, 48時間平均心拍数はそれぞれ74±7bpm, 72±8bpmであり両群間に差はなかった. 収縮期血圧の夜間低下率はA群とB群で有意差はなかったが, 拡張期血圧と心拍数の夜間低下率はB群が有意に小さかった (17.1±6.0% vs. 13.5±7.0%, 24.1±6.0% vs. 19.8±9.0%; p<0.05). 閉経後の健康な女性では閉経前の女性に比べて拡張期血圧と心拍数の夜間低下率が小さく, non-dipper 型の血圧概日変動様式を示すものが多い傾向が認められた.
  • 三村 和郎, 土師 正文, 梅田 文夫, 名和田 新
    1997 年 34 巻 10 号 p. 798-802
    発行日: 1997/10/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    長期臥床患者のインスリン感受性, 分泌能を検討し, physical activity の低下の糖代謝に及ぼす影響を考察した. 対象は3カ月以上長期臥床している非糖尿病症例 (n=11) と正常日常生活ができる健常症例 (n=9) を対象とした. また, 脳梗塞後遺症の片側麻痺患者72例について筋肉の萎縮度とリハビリテーション効果をあわせて検討した.
    方法: 筋肉量は大腿, 上腕, 脊柱支持筋肉量と尿中クレアチニン排泄量にて評価した. インスリン感受性はインスリン注入量1.12, 2.24mU/kg/min, 血糖値100mg/dlの2段階正常血糖グルコースクランプ法にて検討した. インスリン分泌能はグルカゴン負荷試験, 75g糖負荷試験, 尿中CRP排泄量にて検討した.
    成績: 長期臥床群の筋肉量は健常コントロール群に比し約20から25%減少していると推定された. 長期臥床群のインスリン感受性は健常コントロール群の50%と有意に低値を示した. 一方, 耐糖能は長期臥床群, 健常コントロール群ともに1/3はIGT pattern を示した.
    インスリン分泌能は初期分泌能の低下が示唆されたが, 尿中CRP排泄量の検討より長期臥床群のインスリン分泌能は亢進していた. インスリン感受性は健常コントロール群の1/2に低下していた. これは筋肉萎縮量を考慮しても著明に低下していた. 筋肉の機質的な萎縮, 機能的な障害とストレス状態が原因と考えられた. 総インスリン分泌能は亢進しており, インスリン抵抗性の亢進を代償していた. また, リハビリテーションは筋肉の萎縮を有意に防止した.
  • 倉林 均, 久保田 一雄, 田村 遵一
    1997 年 34 巻 10 号 p. 803-808
    発行日: 1997/10/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    1995年から1996年までに当院に入院した70歳以上の慢性閉塞性肺疾患高齢者15例 (男性12例, 女性3例; 75.7±3.7歳; 肺気腫6例, 気管支喘息9例) と70歳未満の同疾患若年者10例 (男性7例, 女性3例; 56.4±14.2歳; 肺気腫4例, 気管支喘息6例) を対象に, 草津温泉水を用いた運動浴 (5分間の休憩をはさんだ20分間の運動浴を1日2回, 週5日, 2カ月間) の効果を比較検討した. 全例とも5年以上前に診断を受け病状安定した患者で, 本研究期間中に内服薬の変更はなかった. 2カ月間の運動浴の前後で肺機能と動脈血液ガス分析を行った. 両者とも1秒率は有意に増加したが (p<0.05), %肺活量, 最大気流速度, 50, 25%の努力肺活量時の気流速度には有意な変化はなかった. PaO2は高齢者および若年者ともに有意に増加したが, PaCO2は若年者において有意に減少した. また慢性肺気腫よりも気管支喘息の方が本運動浴の効果が大きかった. 本運動浴は, 静水圧による呼吸筋群の訓練と水中呼気法による末梢気道虚脱防止により慢性閉塞性肺疾患のリハビリテーションとして有用で, 高齢者においても若年者とほぼ同様の効果がみられた.
  • 死因および心血管合併症について
    松浦 秀夫, 小澤 利男, 齊藤 昇, 盛岡 茂文, 日和田 邦男, 斎藤 史郎, 松尾 裕英, 小倉 俊郎, 梶山 梧朗, 真柴 裕人
    1997 年 34 巻 10 号 p. 809-817
    発行日: 1997/10/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    老年者高血圧症患者の薬物療法の実態と, 患者背景および投薬内容の予後に与える影響を検討する目的で65歳から84歳までの高血圧症患者を3年間追跡した.
    1,669例の登録症例中1,459例が解析対象となり, 332例が脱落 (脱落率22.8%), 1,127例が3年間追跡された.
    降圧薬単独投与は736例, 併用投与は664例であり, 単独投与症例中Ca拮抗薬は463例, β遮断薬100例,ACE阻害薬80例, 利尿薬64例, α遮断薬16例, その他13例であった. 非事故例は955例 (非事故群), 非致死性脳心腎等事故例は139例 (非致死性事故群), 死亡例は33例 (死亡群) であった. 死亡率は10.7人/1,000人・年, 死亡を含む事故発生率は55.6人/1,000人・年であった.
    登録時の患者背景因子に関しては, 死亡例で男性が多く, 高齢であり, 血清クレアチニン値が高値であったが, 血圧値, 心拍数は3群間に差がなく予後と関連が認められなかった. また, 登録時の投薬内容に関しては, 死亡例で利尿薬およびβ遮断薬の使用頻度が低い傾向にはあったが3群間に差がなく, 投薬内容と予後との間にも有意な関連は見出し得なかった.
    以上より, 現在の老年者高血圧症患者の降圧治療に用いられている降圧薬の差は予後に大きな差異を与えないことが示唆された.
  • 加藤 幹元, 望月 得郎, 根来 清, 福迫 俊弘, 野垣 宏, 森松 光紀
    1997 年 34 巻 10 号 p. 818-824
    発行日: 1997/10/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    症例は62歳, 女性. 発熱, 頭痛, 嘔吐で発症した. 入院時, 意識は傾眠, 左側方視で複視あり, 両側聴力低下, 軽度の左片麻痺, 踵膝試験で左優位の拙劣を呈し, PCR法で髄液結核菌陽性を認め, 結核性髄膜炎と診断した. 入院後, 抗結核療法を行い, 意識障害, 頭痛・嘔吐は一時的に軽快したが, 再度意識障害の出現と対麻痺を認めた. 頭部・胸髄MRIでは多発性脳結核腫の出現・増悪, 脊髄くも膜への病変の拡大・進展と脊髄梗塞を認めた. 結核腫は, T2強調画像で中心部が高信号 (bright central core) で辺縁が等信号, T1強調画像で, 中心部が低信号で辺縁が等信号, Gd-DTPA で ring 状に造影された. 脊髄梗塞は, 胸髄の血流境界域に相当する第3胸椎椎体レベルの部位に認めた. 本例のように, bright central core を示した結核腫や治療中にもかかわらず, くも膜炎と脊髄梗塞を呈した症例はまれと考えられる.
  • 荒井 敏, 藤巻 力也, 長嶋 淳三, 榊原 雅義, 大庭 治, 三宅 良彦, 村山 正博
    1997 年 34 巻 10 号 p. 825-829
    発行日: 1997/10/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    症例は91歳男性, 急性心筋梗塞のため当院を受診した. 高齢であったが心原性ショックを合併しており, 救命のため direct PTCAを施行した. 早期離床を目指し, 手技は6Fカテーテルを用い brachial approach で行った. CAGでは右冠動脈に99%狭窄を認めたが, 本治療により25%狭窄まで改善した. 術後も低血圧状態が遷延したが第31病日に退院できた. 6カ月後の現在も胸痛の再発を認めていない.
    高齢者に対する direct PTCAの成績については諸説あるが, 内科的治療や血栓溶解療法に比べ長期予後は良好との報告が一般的である. これが超高齢者にも当てはまるとすると, 本症例のような心原性ショック合併例に対しては, 救命のため躊躇せず direct PTCAを施行することが必要であると考えられた.
  • 1997 年 34 巻 10 号 p. 830-844
    発行日: 1997/10/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 1997 年 34 巻 10 号 p. 845-861
    発行日: 1997/10/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
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