高純度塩の硫酸イオン分析法として, メチレンブルー法の操作条件および精度について検討し, 以下の結果を得た.
1) ガス流量, キャピラリー太さ, 吸収液pH (5.1~5.8), 光, 加熱時間および発色後の経過時間については試験を行った範囲では測定値に影響はなかった.
2) 吸収液温度が測定値に影響を与え, 低温では高く, 高温では低い吸光度を示し, 測定温度は20~30℃の範囲で吸光度差は小さいことが認められた.
3) 還元剤量:試料溶液量は2:1が適していた.
4) 定量範囲は硫酸イオン2~200μg (検塩量1gとして2~200mg/kg) であり, 変動係数は2.5%であった.
5) メチレンブルー法はクロム酸バリウム法に比較し6倍の感度を持ち, ばらつきも小さいことが認められた.
本報の検討結果より, 高純度塩中の微量硫酸イオン分析に, メチレンブルー法が十分適用できることが認められた.今後本法が導入されることにより, 高純度塩の品質管理の信頼性が向上すると確信できる.
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