J1ファージとその宿主
L. casei S1, 並びに, M2, SPO1ファージとその宿主
B. subtilis YS11に対する食塩の作用について検討した.
37℃において食塩は, J1ファージと
L. caseiの場合, 1) 0.8Mで菌の生育を完全に抑制した. 2) ファージを不活化しなかった. 3) ファージの吸着を阻害した. 4) 1.0Mでファージの増殖を完全に抑制した. M2, SPO1ファージと
B. subtilisの場合, 1) 1.2Mで菌の生育を完全に抑制した. 2) ファージを不活化しなかった. 3) SPO1ファージの吸着を阻害した. 4) 1.2~1.3Mでファージの増殖を完全に抑制した.
37℃より高い温度の影響について, J1ファージと
L. caseiの場合, 1) 42℃まで菌の生育は変わらなかった. 2) 40℃でファージの増殖は完全に抑制された. M2, SPO1ファージと
B. subtilisの場合, 1) 43~50℃で菌の生育は37℃より速かった. 2) 45~46℃でファージの増殖は完全に抑えられた. つまり, 高温で培養することによりファージを制御できることが示された.
高温における食塩の作用について, 次のことが分かった. J1ファ-ジと
L. caseiの場合, 39℃において0.4Mの食塩は, 菌の生育にほとんど影響せず, ファージの増殖をほぼ完全に抑えた. つまり, 温度を上げると, より低い食塩濃度でファ-ジを制御できる可能性が示された. M2, SPO1ファージと
B. subtilisの場合は, 44, 45℃において検討したが, このようなことは示されなかった.
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