本論文ではn+pn構造に対して放電及び分光特性を理論的に分析し, 製作された素子の測定結果と比べて, 素子設計と工程時の各變数が素子の特性に及ぼす影響を定量的に分析した.素子の構成はn基板にpウエルを形成し, 棧いn+層を形成したのであり, これらのn+層とpウエルで光ダイオードが構成される.光ダイオードの面積は18,250um2で, これは2/3", 20万画素, 固体撮像素子の光ダイオードの250倍である.このような構造の光特性を解析するために, 等価回路を構成して放電に寄與する各電流成分をモデリングして微分方程式を立てた.微分方程式から得た放電特性と測定した放電特性を比べて時間による放電特性の分析を行った.また, 光キャリアの發生位置と電位分布を考慮して, 数値解析的に各波長での光電流を計算して測定した分光特性と比べた.500nmの波長から遠くなると分光感度が減るのを計算と測定で確認した.基板電圧をコントロルして光キャリアの發生位置を變化させながら波長による光の吸収を計算した.測定値と計算値を比較してモデリングの妥当性を検討した.
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