分子線を用いた光解離実験で,解離分子の散乱分布を直接的に画像でとらえ,それによって,解離分子の質量分析・速度分布・散乱角度分布を同時に高感度で測定するのが可能になる,という理想的でユニ-クな装置を開発した.また,この方法ではレ-ザ-共鳴イオン化法を使って分子を光電離するので,特定の量子状態にいる分子の画像を得ることもできる.装置の構成は,飛行時間型質量分析器の検出器に蛍光面付きのMCPを取り付け,その高速(<100ns e c)の発光をイメ-ジ・インテンシファイア-で撮影するようになっている.NO_2, HBrといった分子の光分解実験については,従来の方法では得られなかった高分解能で高感度の測定が行われた.その結果,分子が光分解によって量子レベルではどのような変化をおこすか,という光解離現象を基本からとらえる情報を得ることができた.
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