慣性核融合を目的とした大強度イオンビームの2次元発散角, 強度の空間分布を時間分解して計測するため2次元アレイドピンホールカメラ(APC)を開発した。これにより従来, 計算機シミュレーション等で予測され, 実験的にはほとんど実証されていないビーム強度と発散角の相関, ダイオード内部の不安定性の成長によると考えられるビーム発散角の時間的増大等を観測し, イオンダイオード物理を解明していくことができる。2次元APCは, 1次元のAPC[K.Yasuike, S.Miyamoto and S.Nakai, Review of Scientific Instruments, (to be published).]の拡張である。計測の対象となるビームは, 磁場絶縁型イオンダイオードからの-1MeV, -10A/cm^2,パルス幅100ns.粒子種が主にプロトン(H^+)のアニュラービームである。APCはビームソース上20mmの範囲を15ns以下の時間分解能、発散角分解能10mrad程度で計測することができる。
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