フェリ磁性体であるGd-Coと,反強磁性体であるCo-Ni-OまたはNi-Oとからなる二層膜を作製した.これらの二層膜の磁化曲線はループシフトを示し,二層間に交換力が働いていることがわかったが,界面磁壁エネルギーσ_wの値はいずれもかなり小さかった.Gd-Coが垂直磁化膜の場合には,σ_wの温度変化はGd-Coの補償温度付近で最大値を示した.この原因として,分子場近似による計算から,界面におけるGd-Coの異方性の低下と,Gd-Coの反磁界エネルギーの変化が考えられる.また,反強磁性体のNeel温度はCo-Ni-Oで約280K,Ni-Oで約340Kであった.
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