本報告では,字体の変動や位置すれ等の影響を受けにくい文字を表す特徴として,文字線を構成している画素同士の方向別頻度分布(方向情報)と文字周辺の射影スペクトル(輪郭情報)の2つを用いるマルチフォント文字認識について述べる.また,方向情報を抽出する時に設定する小領域や輪郭情報を抽出する時に設定する区間の配置方法について議論を行い,より高精度な認識の行える特徴抽出法を提案する.5フォント(明朝体,宋朝体,ゴシック体,教科書体,楷書体)のひらがな,片仮名および常用漢字,合計10215文字に対して認識実験を行った結果,99.22%の認識率が得られ,本手法の有効性を確認できた.
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