ディジタルデータを記録する際, 変調方式の情報語に対する符号語の対応テーブルを一定のデータブロック毎に変調後の直流成分が最小になるように適宜選択することにより, 直流成分を抑圧できる方式を既に提案している.しかし, この方式は対応テーブルを示すテーブル情報がデータブロックの先頭に多重されているため, テーブル情報に誤りが発生した場合, 1データブロックの誤り伝搬を引き起こす欠点があった.今回, 誤り訂正方式の一つであるRS符号がガロア体の上で成り立っていることに着目し, 各データブロック毎に変調信号の直流成分が少なくなるようなある一定のガロア体の元をバイト単位で乗算する方式を開発した.この方式により, 効率的に直流成分抑圧を行うことができ, かつ, 従来手法の問題点であった誤り伝搬も防ぐことができる.
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