非直交フィルタバンクを用いるサブバンク符号化では,各バンドに適切なフィルタ特性を配分することが必要である。すなわち一組のフィルタバンクに対し,フィルタを変調することによりバンド間で通過特性を入れ換えることができるが,可能な組合わせに対し,最もパワーコンパクションが高くなるようにすることにより符号化利得を高めることができる。例えばSSKフィルタバンクでは,通常5タップ低域,3タップ高域分析フィルタが逆の組合わせよりよい符号化特性をもつことが実験的に示されている。本論文では,この組合わせがすべての信号に対して成立しないことを示し,分析に先立って最良のフィルタの組を選択する適応化法を新しく提案する。
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