一般に, CG画像には目が疲れやすいものが多い.画像のいたるところに焦点が合っていることや, ペンキで一様に塗ったような印象を受けることがその理由と考えられる.これらの解決手法は種々存在するが, 我々は, 両問題点を解決する目に優しい画像の一例として, 色えんぴつ画に注目し, 人に優しい機能を実現するディジタルペイントシステム : Pumpkins(a Painting Unit of Multi-Purpose Kind and INtelligent Stationery)の開発の一環として, 色えんぴつ画作成機能の実現を試みている.本研究では, 色えんぴつ画の描画プロセスを明らかにし, プロセスにおいて重要な柱の1つである, 加水操作フェーズの再現を試みる.ミクロ構造の観察より, 加水効果の表現には1993年にB.Cabral他によってSIGGRAPHで発表された, LIC(line integral convolution)[4]と呼ばれるアルゴリズムの利用を考えた.LICとは, 与えられたベクトル場から得られる流線に沿って通過する各ピクセルの値を平均化して, 中央のピクセルの新しい値とするフィルタリングである.本論文では, 元のアルゴリズムを加水操作に適応するように拡張することにより, 加水操作フェーズを再現する.
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