磁気記録において,最短符号反転長T_<min>、前,および2_<min>前の磁化遷移により発生する非線形磁化遷移点シフト量ε_1,ε_2をダイパルス応答から求める新しい測定法を提案する.次に,この測定法を用いて記録電流の振幅レベル,最短符号反転長,周波数特性を変化させたときのε_1,ε_2を測定した.その結果,ε_1,ε_2は最適記録電流の50%以上で増加し,再生電圧と良い相関があること,ε_1はT_<min>=0.5μm以下で,ε_2はT_<min>=0.25μm以下で増加すること,ε_1,ε_2を最小とする記録電流の低域抑圧度が存在することがわかった.最後に,非線形磁化遷移点シフトの記録等化,再生等化を8-14変調符号を用いて検討した.その結果,記録等化では非線形磁化遷移点シフト量が0になるように記録符号反転位置をシフトすることにより等化可能,再生等化においても低域に対し中,高域の振幅を強調するとともに位相を遅延させることにより近似的に等化可能であることがわかった.
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