テレビジョン学会技術報告
Online ISSN : 2433-0914
Print ISSN : 0386-4227
20 巻, 39 号
選択された号の論文の36件中1~36を表示しています
  • 原稿種別: 表紙
    1996 年 20 巻 39 号 p. Cover1-
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
  • 原稿種別: 目次
    1996 年 20 巻 39 号 p. Toc1-
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
  • 三谷 公二, 島本 洋, 藤田 欣裕
    原稿種別: 本文
    1996 年 20 巻 39 号 p. 1-6
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
    4板撮像方式と高速順次走査可能な200万画素CMD撮像素子を用い、さらに色線順次撮像方式を応用することにより、2000ラインカラー動画撮像を可能とする方式を提案する。2000ライン撮像実験装置内では、緑(G)信号用に2枚の撮像素子を用い、ハイビジョンの倍の2000ライン撮像を行っている。赤(R)/青(B)信号にはそれぞれ1枚の撮像素子を割り当て、光学像に対し1ラインずらした位置に設置することにより1ライン毎にR/B信号の撮像を行う色線順次方式を用いる。特に本報告では色線順次方式を用いた2000ラインカラー動画撮像実験装置においてR/Bチャンネルの偽信号を抑圧するための光学ローバスフィルタ(光学LPF)の設計、及び画素の補間方法について報告する。
  • 守田 了, 田中 稔
    原稿種別: 本文
    1996 年 20 巻 39 号 p. 7-12
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
    カラー画像に含まれる方向性と粗さからテクスチュアの違いが織別できることが重要である.そこで, 我々は非等方性ガウスを核にもつスケールスペース解析を用いて, 様々なテクスチュアを含むカラー画像の構造を記述する手法を提案する.カラー画像から得られる3つのプレーンに対して, 零交差面のトポロジーが変化する点をスケールスペースにプロットし、トポロジー変化面が囲む領域が最大の点をフィルタの係数として選ぶ.最適フィルタにより得られた画素を合成することにより安定画像が得られる.得られたフィルタの最適値を9次元空間にプロットし, 不連続面を求めることにより、画像の構造が記述される.実画像に最適フィルタをかけた画像および記述を生成し, 微妙に変動したり雑音を含むテクスチュア画像の認識に有効であることを示す.
  • 宇佐美 潔忠, 松浦 宣彦, 田尻 哲男
    原稿種別: 本文
    1996 年 20 巻 39 号 p. 13-18
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本稿では、多人数参加型仮想空間システムであるInterSpaceにおいて、一般オーサが容易にサービズ提供空間を構築するためのオーサリングシステムであるCyberCreaterについて述べる。CyberCreaterは一般のオーサによるサービス提供空間の構築および提供サービスの定義をその直感的理解を助けるユーザインタフェースにより可能とする。更には、可視化したエージェントの作成を可能にすることにより、人や情報・サービスとのコミュニケーション環境を支援する。
  • 新川 博, 陳 延偉, 仲尾 善勝, 山下 勝己, 田村 進一
    原稿種別: 本文
    1996 年 20 巻 39 号 p. 19-24
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
    半影カメラを用いた画像計測を行なう時, 計測されるencoded imageに含まれている雑音は, 再生する画像の画質に大きく影響を及ぼす.再生する時には, 極めて重要な情報をもつエッジ部分の保存が大切となる.本稿では, 雑音を含むencoded imageに雑音除去フィルタを通過させ, 雑音を取り除いた後, 従来の線形的再生法であるウィナーフィルタによって, decodingを行ない, 再生像を求める.この時, 雑音除去フィルタとして, 適応的窓幅をもつ雑音除去フィルタを提案し, 計算機シミュレーション実験によって, その有効性を検証する.また, 他の手法と比較検討する.
  • 岸本 啓作, 陳 延偉, 仲尾 善勝, 田村 進一
    原稿種別: 本文
    1996 年 20 巻 39 号 p. 25-30
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
    従来X線画像計測には, 単一ピンホールを用いてきたが, 高分解能を得るためには, ピンホールの径を小さくするする必要がある.しかし, これは, X線の捕集効率が小さくなる欠点がある.本論文では, 単一ピンホールの代わりにm-系列に基づくマルチピンホールをもつURAカメラを用いて, イメージングを行った.URAカメラは, 2次元平面像では, artifactのない完全な再生像が得られ, ノイズ抑制効果も確認できた.また, URAカメラは3次元的広がりをもつ物体の対してトモグラフィー性能をもち, その特性を計算機シミュレーションで検証する.
  • 川上 進, 岡本 浩明
    原稿種別: 本文
    1996 年 20 巻 39 号 p. 31-38
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
    ブロックマッチングに用いられる2次元相関は非常に多くの演算量を必要とする。本報告では, 空間微分画像の場合に2次元相関が, 一連の処理(ハフ変換・ハフ平面のρ座標に沿った1次元相関・逆ハフ変換)と近似的に等価になることを述べる。また, 上記微分に必要な2次元コンボリューションを, ハフ平面のρ座標に沿った1次元コンボリューションで行えることを報告する。これらにより, 微分画像の2次元相関を1次元処理(1次元コンボリューションと1次元相関)で行え, 演算量を軽減できる。
  • 高津 求, 川上 進, 岡本 浩明
    原稿種別: 本文
    1996 年 20 巻 39 号 p. 39-44
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
    相関演算における積に代わる演算として、2つの入力がいずれも0でないとき積と同じ極性の出力を出し、一方の入力が0の時に出力が0になると言う性質を持つ演算を提案する。この演算は積を拡張した演算と考えられ、適当なものを選べば積に比べ少ない演算量で実現できる。特に有効であると思われるla+bl-la-blと言う演算を中心に、これらの演算をディジタル回路、アナログ回路で実現する方法について検討した。その結果加算器、比較器、スイッチ等で比較的簡単に構成できることが判った。また、乗算的演算を得るための一般的な手法についても検討を行なった。
  • 長嶺 銀河, 幸地 俊之, 山城 毅, 安冨祖 忠信
    原稿種別: 本文
    1996 年 20 巻 39 号 p. 45-50
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
    画像の2値化にはさまざまな方法があるが, 本研究ではCCDカメラで取り込んだ単純な図形や文字の2値化手法について検討した.提案する手法は, 動的2値化処において, 画像に応じた最適なしきい値を, 地と思われる領域の濃度値との相関により定式化して, しきい値を決定する.この手法では, シェーディングのある画像でも, 従来の方法より簡易に2値化できるという利点がある.
  • 新垣 晃一, 陳 延偉, 仲尾 善勝, 田村 進一
    原稿種別: 本文
    1996 年 20 巻 39 号 p. 51-56
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
    画像復元とは、劣化した画像から原画像を求めるものである。画像に劣化を生じさせる劣化関数が既知である場合においては、インバースフィルタやウィーナフィルタ等の線形的な従来手法を用いることで簡単に原画像を復元することができる。しかし、多くの撮像システムにおいては、劣化関数を正確に求めることは困難である。得られた劣化画像のみから原画像を復元することは、blind deconvolution問題として知られている。この場合劣化関数が未知のため、線形的な従来手法を用いて復元を行なうことは、不可能である。本稿では、遺伝的アルゴリズムをこの問題に適用し、原画像および劣化関数を完全に復元することを目的としている。
  • 山田 悦久, 金子 正秀, 原島 博
    原稿種別: 本文
    1996 年 20 巻 39 号 p. 57-62
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
    MPEG-1方式を用いて映像信号を符号化する際に、マニュアル操作により画質改善・符号量の制御をインタラクティブに行うことのできるシミュレータの開発を進めている。符号化を実行する操作者が各領域ごとの重要度を判断しながら、前処理フィルタの選択や量子化スケールの重み付けをの設定を行う。この結果、不要と判断した領域からは符号が削減され、重要な領域に対してはより多くの符号が与えられる。シミュレーション実験を行い、本手法による復号画像の画質改善効果を検証した。
  • 箕浦 大祐, 山名 岳志
    原稿種別: 本文
    1996 年 20 巻 39 号 p. 63-68
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
    多人数が3次元仮想空間を共有し, 参加した場合のコミュニケーション環境を充実させることは重要である.しかし, 十分に論議されていないのが現状である.本研究の目的は, このようなコミュニケーション時に必要性の高い情報を抽出し, それらの情報を対人距離に応じた適切な手段で呈示すること, および多人数, すなわち群衆の動向の把握と対個人コミュニケーションを両立することの2点である.これらによって, 現実世界でのコミュニケーションと同様の, あるいはそれ以上の環境を提供することが可能となる.本報告では, 社会心理学における対人コミュニケーションの研究結果に基づいた仮想空間における対人距離の基準値の設定と計算方法, 呈示すべきコミュニケーション情報の抽出基準, および群衆内の個人の表示方法について述べ, これらのシミュレーションの結果を示す.
  • 馬渕 睦実, 稲垣 健太郎, 樫村 雅章, 宮内 新, 全 炳東
    原稿種別: 本文
    1996 年 20 巻 39 号 p. 69-74
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
    近年マルチメディアが盛んになり, コンピュータ上で動画像を扱う事が一般的になっている.そして, 現在コンピュータ上で動画像を扱うための世界的標準規格としてMPEGが一般的に用いられるようになって来た。動画像をコンピュータに表示させることは既に一般的に行われるようになって来ており、そこで我々は、そのMPEGデータを如何に活用するか、と言う点に着目し, 研究を進めている.我々はこの標準規格のMPEGデータの活用の可能性の検討の一環として.MPEGデータ中に符号化されている動きベクトルを用いて, MPEGデータを復号する事なしに動き領域の抽出を行ない, この結果を用いて動領域の輪郭抽出を行なった.解像度はマクロブロック(MB)の解像度になるが, 実用上は問題は無いと思われる.また, これを応用し, 動きベクトルを3次元的に抽出する手法を提案する.同一時間に同一目標物体を異なる視点から撮影した2つ以上の画像から得られる動きベクトルを3次元的に合成し, 3次元座標上に軌跡を投影する.これらの手法の有用性を実験により証明した.
  • 田場 信裕, 高良 富夫, 星野 聖
    原稿種別: 本文
    1996 年 20 巻 39 号 p. 75-79
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本研究では、ストレス負荷時における瞳孔反応を測定し、同時に心拍数変化も測定することにより、それぞれのストレス時における瞳孔径の変化を解析することを目的とした.実験は赤外線瞳孔撮影装置と心電計を使用し、無負荷時、身体的ストレス負荷時、精神的ストレス負荷時の3種類の実験をそれぞれ15分間行った.実験の結果、身体的ストレス負荷時では瞳孔動揺が少なくなり、精神的ストレス負荷時では時間経過にともなって散瞳が大きくなった.また心拍数変化では身体的ストレス負荷時では別の周期成分が表われており、精神的ストレス負荷時には全体的に小さい周期成分に偏った結果が得られた。このことから、瞳孔はストレス負荷がかかったときそのストレスの種類によって興なった変化を示すことが示唆された.
  • 星野 聖
    原稿種別: 本文
    1996 年 20 巻 39 号 p. 81-86
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本研究では, ドリフトを持つ1次元ブラウン運動の一定閾値への初通過時間関数により自発性瞬目をモデル化した.あわせて, 同モデルにより覚醒水準低下時における瞬目群発化の現象の説明を試みた.ドリフト量と初期値から閾値までの距離とを変数にして, 乱数により生成される初通過時間関数を計算機により求めた.ピアソンプロットにより分布形状を検討すると, 初期値から閾値までの距離の減少により, 形状はより指数分布に近づいた.一方, ドリフト量の変化により明瞭な分布形状の変化は確認できなかった.これらの結果は, 覚醒水準低下時の瞬目群発が閾値までの距離の減少で説明できることを示していた.
  • 吉松 浩
    原稿種別: 本文
    1996 年 20 巻 39 号 p. 87-92
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
    パソコン及びネットワーク等のマルチメディア応用ディスプレイの普及に従い, デイスプレイの多様化が生じている.この多様化の流れの中で視覚的ヒューマンファクタの位置づけは, 従来のディスプレイ画面の大きさ, 精細度等, ハードウエアを主とする考え方に加え, 近年は立体視及び運動視等, 大きな視覚的相互作用に関するヒューマンファクタも考慮することが重要となっている.本報告ではハイビジョン等の画質評価技術として知られる視線分析[1]を立体ディスプレイ, 虚像ディスプレイに応用する際に有効な評価技術として眼球運動のウェーブレット解析を提案し, 主に固視時の不随意眼球運動のウェーブレット解析を行った結果, 本解析法が眼球運動のモデル化に重要であることを報告する.
  • 松井 利一
    原稿種別: 本文
    1996 年 20 巻 39 号 p. 93-98
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
    刺激間間隔ISIを可変にした仮現運動パターン(2-frame仮現運動と連続仮現運動)に対する運動方向知覚特性を実験的に明らがにし、仮現運動の知覚にFourier motion検出機構とnon-Fourier motion検出機構がどの様に関係しているのか(特にISIとの関係)を考察した。その結果、以下の示唆が得られた。(1)2-frame仮現運動では、Fourier機構はISIの存在により知覚運動方向を逆転させるが、non-Fourier機構はISlの存在とは無関係に常に位相シフト方向の運動を知覚する。(2)連続仮現運動では、ISIの増加に伴いFourier機構の機能は低下して零となる。さらに、知覚運動方向は逆転しない。一方non-Fourier機構はISIの存在には影響されず、常に位相シフト方向の運動を知覚する。
  • 高橋 深雪, 宇野 めぐみ, 長谷川 敬
    原稿種別: 本文
    1996 年 20 巻 39 号 p. 99-104
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
    複数の同一画像を対象に、実体像、CRT像、液晶像表示における心理的感性評価をSD法で行い、対象と表示様態の相互関係を抽出された心理的因子の比較を通して分析した。その結果、美しさ(良さ)、活動性(力動、活発)、重厚さ(量感)などが主因子であり、自然さ(現実感)、質感(肌理)、鋭さなどが表示様態差を際だてることが示された。
  • 山之上 裕一, 永山 克, 元木 紀雄, 三橋 哲雄, 羽鳥 光俊
    原稿種別: 本文
    1996 年 20 巻 39 号 p. 105-110
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
    立体の撮像においては、左右カメラの空間的配置のアンバランスやレンズの焦点距離の違いによって、左右画像間で垂直のズレや傾きのズレさらにはサイズの違いといった幾何学的歪みが生じる。今回、立体ハイビジョン画像にこの幾何学的歪みが単独で生じた場合、さらに実際の撮像に照らし合わせて、歪みが複合して生じた場合について、その検知限を検討した。その結果、幾何学的歪みの歪み量から直接検知限、許容限を推定するよりも、幾何学的歪みによって生じる、対応点のスクリーン上でのズレ量から、検知限、許容限を推定する方が分析精度が高いことが明らかとなった。また得られた回帰式より、水平方向のズレに比ベ、垂直方向のズレの方が影響度が大きいことが示された。
  • 金次 保明, 金子 寛彦
    原稿種別: 本文
    1996 年 20 巻 39 号 p. 111-116
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
    両眼式立体ディスプレイにおいて, 輻輳開散運動を手がかりとしていると考えられる絶対距離知覚の検討を行った.輻輳角を手がかりとした距離知覚の感度を調べるために, 視差が一様な立体画像を観視したときの知覚される距離を測定した.その結果, 絶対的な距離を知覚できる被験者は8人中2人で, その2人でも感度が高いのはスクリーンよりも手前であった.また, 画面の一部にレファレンスとなる視差のない部分を設けた場合は, 絶対距離を知覚することの困難な被験者でも距離を知覚できるようになった.その反面, 絶対距離を知覚することのできる被験者はレファレンスの影響を受けて, 距離知覚の感度が低下することがわかった.
  • 竹内 義則, 山村 毅, 大西 昇, 杉江 昇
    原稿種別: 本文
    1996 年 20 巻 39 号 p. 117-122
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本稿では, 生体の視覚系を模倣するビジュアルトラッキングシステムを提案する.視覚処理過程で得られる様々な特徴の中で, 動きの特徴に着目する.人間が移動する物体を追跡するときの眼球運動は, 位置情報によるsaccade運動, 速度情報によるpursuit運動の2種類がある.この眼球運動のふるまいを模倣したトラッキングアルゴリズムを提案する.開発したシステムは, カメラ, 画像処理装置, パンチルトステージ, モータ駆動装置からなる.追従の速度や精度を向上するため, 最大回転速度50[deg/s], 精度0.002[deg]のバン・チルトステージを開発した.提案したトラッキングアルゴリズムを画像処理装置に実現し, 移動物体を33[ms]以内で検出することが可能となった.実験結果により, 移動物体(歩いている人間)を実時間で追跡することができることを示した.
  • 加藤 大一郎, 山田 光穂, 阿部 一雄, 石川 秋男, 尾幡 昌芳
    原稿種別: 本文
    1996 年 20 巻 39 号 p. 123-128
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
    カメラマンが撮影できない位置から迫力のある映像を自動的に撮影できたり、高度な撮影テクニックが必要な被写体を自動追尾して撮影できる知的ロボットカメラを目指して研究を進めている。知的ロボットカメラの実現には、カメラマンの状況把握の方法やカメラ操作の動特性を明らかにする必要がある。今回、カメラワーク分析システムを使って、スボーツ中継(Jリーグ)で選手を追尾しながら撮影するアドリブ性の高い条件で実験を試みた。その結果、カメラマンは、50msec程度の短い注視を繰り返して被写体の状況を把握しながら撮影を行っていることや、被写体の進行方向の前をあけて撮影し、被写体の動きが急変した場合でも300msec程度の短い時間内に状況を判断し最適な補正を加えていることなどがわかった。
  • 村上 明伸, 平井 有三
    原稿種別: 本文
    1996 年 20 巻 39 号 p. 129-136
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
    辞書を用いた言葉の意味の脱曖昧化は、各見出し語と連合した複数の語義の中から一つを選択するととである。電子化辞書の各見出し語と語義をノ一ドとする連想記憶回路を構成し、連想基準表から選んだ意味的関連語の意味の脱曖昧化に関する実験を行なった。その結果、ランダムに意味の組合せを選択した場合の正答率が約20%であるのに対して、70%以上の確率で正しい意味の組合せが検出できることが分かった。
  • 曹 建庭, チホツキ アンジェイ
    原稿種別: 本文
    1996 年 20 巻 39 号 p. 137-142
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
    非線形の入出力関係を持つニューラルネットワークがシステムの推定, 予測および制御など種々の分野に活用されている.本稿では, 未知非線形システムについての先験情報を利用せず, 誤差逆伝播法を用いた重みの学習と合わせ, スケーリングの適応学習アルゴリズムを提案する.本方法と従来の方法を比べると, 本方法を用いたほうが優れた結果を得ることができる.
  • 新井 賢一, 中野 良平
    原稿種別: 本文
    1996 年 20 巻 39 号 p. 143-150
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
    有限オートマトン(FSA)を学習するリカレントネット(RNN)において、ニューロン活性化パラメータ(β)が状態空間内の軌道の安定表現と学習の性能に及ぼす影響について報告する。最初に、βがある臨界値より大きいときRNNは任意の長さの入力データに対しても得られたFSAの状態を安定に表現し続けられることを示す。次に、βに関する状態表現の安定性や誤差平面の形状に関する知見から、βを制御するRNNのアニーリング学習法を提案する。また、計算機実験により従来の学習法に較ベアニーリング学習法の学習効率が改善されることが分かった。
  • 梅野 健
    原稿種別: 本文
    1996 年 20 巻 39 号 p. 151-156
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
    カオス力学系の逆問題、即ち力学系が生成する時系列から構成される経験測度からその力学系の不変測度かつ力学系そのものを推定する問題を考えた。この小論ではルベーグ測度に絶対連続な不変測度を持つカオス(Ergordic)力学系のクラスの逆問題、即ち力学系の不変測度の推定問題を、Neumann=Ulam写像をより一般化した陽な不変測度を持つクラスを超楕円関数の加法定理を用いて新しく構成することによって、Fisher行列を計算し、通常の不偏パラメータ推定の理論の枠組に載せることことができた。
  • 伊遠 章
    原稿種別: 本文
    1996 年 20 巻 39 号 p. 157-164
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
    物事の時間的な関係は, ニューロン間の結合の重みの形として, どのように静的に貯えられているのだろうか.その問に答えるため現在までHebb学習を修正したいくつかのモデルが提案されている(Foldiak1992,Griniasty et al.1993).本論文ではそれら以外にも, 外界に提示される事項とは独立に, 事項に対する内部表現(ランダム興奮パターン)が神経回路により自発的に生成されることにより, 記憶すべき情報が符号化されて貯えられている可能性を理論的に考察する.具体的には, ランダムで対称な結合をもつ回路モデルを用い, ランダム興奮パターンを生成する方法を示し, 生成されたパターン間の距離, パターン間の生成順序に依存する特徴, 等の統計的性質を調べた.最後に, 記憶の生理学的な実験事実との対応について議論する.
  • 章 宏, 石川 眞澄
    原稿種別: 本文
    1996 年 20 巻 39 号 p. 165-172
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本論文では, 非標準形2次評価関数を対象とする逆最適化問題を解く新しいニューラルネットワークアブローチを提案する.ここでの逆最適化問題とは, 与えられた解と線形制約条件の下でこの解を最適とする非標準形2次評価関数を求めることである.しかし, 標準形の場合とは異なり活性となる制約条件が1個の場合でも評価関数は一意に定まらない.この困難に対し, 標準形2次評価関数に最も近い評価関数を求めることを提案する.距離の指標として評価関数の非対角要素の絶対値和と自乗和を考える.前者の距離関数を用いて非対角要素に対して忘却付き構造学習を行ない, 簡単化された評価関数をうまく求めることができる.さらに活性となる制約条件が2個の場合評価関数の評価パラメータ及びラグランジュ乗数と勾配ベクトルの関係について分析する.
  • 青西 亨, 倉田 耕治
    原稿種別: 本文
    1996 年 20 巻 39 号 p. 173-180
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
    Von der Malsburgらが提案したダイナミックリンクは, パターンの歪み, 位置ずれなどに対してインバリアントなパターン認識のモデルである.2つの画像の近さは, elastic cost functionで測られる.このコスト関数の定義より, ダイナミックリンクは回転や拡大縮小に対してインバリアントでない.我々は, ダイナミックリンクを離散的なグラフマッチングのモデルからローカルリニアマップを考慮した連続的な偏微分方程式のモデルへと拡張した.本モデルは, 面像間の写像を形成する力学系とローカルリニアマップを形成する力学系の相互作用により, 画像間の対応問題を解く.これにより, パターンの歪みや回転に対してより柔軟なシステムが実現できた.
  • 白倉 準, 倉田 耕治
    原稿種別: 本文
    1996 年 20 巻 39 号 p. 181-188
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
    従来のトポグラフィックマッピング形成モデルは, 神経場に生じる定常な局在興奮に基礎をおいてきた.しかし神経場上の興奮パターンには, その他に伝播する興奮波があり, 古くから知られている.われわれは, すでに興奮波を生じる2枚の神経場の間にもトポフラフィックマッピングが形成されうることを示した.二つの神経場の興奮力学の間の引き込みという考え方を用いると, このモデルと従来のモデルを統一的な視点から捉えることがことができ, 興奮波を生じる神経場の間にもトポグラフィックマッピングの形成が予想できる.このモデルは神経場上の時空間パターンによってトポグラフィックマッピングが形成されると言う点でこれまでの他のモデルとは異なっている.興奮波の幅を時間とともに徐々に狭くしていくことによって, 初期値にトポグラフィックな傾向がなく, 完全にランダムのものでも, 最終的にほぼ完全なトポグラフィックマッピングが形成されることを確認した.
  • 清水 文貴, 青西 亨, 福島 邦彦
    原稿種別: 本文
    1996 年 20 巻 39 号 p. 189-196
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
    視覚系における受容野の不均一性を考慮した注視点移動モデルとして, 青西らが徒案したモデルがあるが, 本研究ではこれを拡張した.青西らのモデルは白地に黒の線画のみを扱うものであった.そのため, コントラスト検出層である神経節細胞は, オフ中心型の受容野を持つものだけが取り入れられていた.本研究では, 実画像にも対応できるようにするため, オン中心型の受容野をもつ神経節細胞もとりいれた.また, 実画像の特徴抽出をうまく行なうために, 特徴抽出機構にいくつかの改良を加えた.その結果, 人の顔の実画像を入力した時でも, エッジや折点などの情報密度の高いところに注視点を移動させることができた.
  • 五味 裕章, 大須 理英子
    原稿種別: 本文
    1996 年 20 巻 39 号 p. 197-204
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本報告では, 水平面内での人腕肩・肘の2関節による静止時力制御中における関節スティフネスおよび手先スティフネスを異なる姿勢において計測した結果について示す.比較的手先が体から離れた姿勢では, スティフネス楕円体の方向性および形状は, 手先力および筋の同時活性の変更に対して変化が少なかったが, 手先が体に比較的近い姿勢では両者とも大きく変化した.これらの違いは, 各関節スティフネスの割合が筋の配置により制約されることに加え, スティフネス方向性変更の感度が姿勢により変化することが原因であることを, ステイフネス変化の解析により明らかにする.この結果は, 手先スティフネス楕円体の形状・方向性の違いが僅かでも, 関節ステイフネスの比(肩, 肘, 2関節スティフネス)は大きく異なる場合があることを示している.
  • 仁木 和久, 貞包 哲男
    原稿種別: 本文
    1996 年 20 巻 39 号 p. 205-212
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
    自己組織型情報ベースの基盤技術の研究の一環として、将来型の情報ベース構築に不可欠な自己組織化機構と、ユーザにとって使い易い情報検索機構とに関する研究・開発を行こなった。具体的には、ネットワーク情報化社会における厖大な未整理の情報を対象に、情報の素人が情報検索を手軽に実現できるように、次のような機能や特徴を実現することを目指した。1)情報検索用の情報の蓄積が無い状態で、元情報からの自動的な情報検索システム構築手法の実現2)情報検索システムの素人でも使えるような、グラフィックインタフェースを用いた使い易い情報検索手法の実現3)検索特性や検索データの修正や、個人適応の為、学習あるいは自己組織化機能の実現4)インターネット環境での分散情報検索動作の実現
  • 高良 富夫, 宇久 斉, 新垣 好枝, 長山 格, 新垣 篤
    原稿種別: 本文
    1996 年 20 巻 39 号 p. 213-218
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
    WWW上で起動・操作可能な和琉翻訳音声出力システムを開発した.現在, 翻訳精度と操作性及び音声品質の向上のための研究を進めている.本システムは, WWWのハイパーテキスト記述とネットワーク透過性を利用した公開性を有しており, プラウザ上で入力された共通語テキストを琉球方言に翻訳し, 翻訳結果を合成音声で出力する.本稿では, 和琉翻訳音声出力システムの概要とその特徴について記述する.
  • 原稿種別: 付録等
    1996 年 20 巻 39 号 p. App1-
    発行日: 1996/06/21
    公開日: 2017/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
feedback
Top