Gd-Fe/Dy-Fe/Tb-Fe三層膜を取り上げ,交換力の膜厚依存性,及び温度特性を調べた.界面磁壁エネルギー密度は、Dy-Fe中間層の膜厚とともに減少し,100〜150Åで一定となった.一方,Dy-FeをAlに置き換えた比較試料では、10Åで交換力が働かなくなった.界面磁壁エネルギー密度の温度特性では、Dy-Fe中間層の膜厚が50Å以下の場合には、Dy-FeのCurie温度以上でもGd-Fe層の交換力が働き続けることがわかった。分子場近似を用いてシミュレーションを行った結果も考慮して、Dy-Feの単独のCurie温度以上でもGd-Fe層に交換力が働き続ける原因として、界面での原子の拡散、Feスピン自身の大きさの変化とともに上下層からの分子場によるDy-Fe中間層の磁気モーメントの誘起が考えられる。
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