ケーブルテレビは,従来,難視聴対策施設あるいは区域外再送信を主目的とした施設として設置されてきたため,地上波や衛星波等のテレビ放送を補完する脇役的なメディアとして位置付けられてきた.しかし,最近では,多チャンネル映像の経済的な分配能力および潜在的な双方向伝送機能が再認識されると共に,広帯域有線系インフラ整備の気運の盛り上がりに伴い,独立したメディアとして歩み始めたと言える.本稿ではこのような現状に鑑み,我国のケーブルテレビの発展経緯を振り返り,急速に進展しつつある光伝送技術導入の意義について述べる.また、米国での光ケーブルテレビの開発状況並びに我国の動向に関して具体例を交えて紹介し,今後の課題について論じる.
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