ディジタル画像を,Complex-Log Mappingにより回転,拡大・縮小する方法について述べている.Complex-Log Mappingは直交座標系で表現されているデータを,画像の中心からの半径と偏角とをパラメータに選んだ極座標系に座標変換(以下Mappingするものである.提案する手法では,このComplex-Log Mappingを用いてMappingを行うための変換表を生成する.そして,標画像の回転処理や拡大・縮小処理はMapping後の画像について半径と偏角に対応する軸に関して,データを平行移動することに対応する.平行移動後の画像データを同じ変換表を使って逆のMapping処理を行うことにより,回転,拡大・縮小処理を施したものが得られる.本手法の特徴はMappingに用いる変換表は元の画像とMapping後の画像の大きさのみに依存し,画像データや回転角度あるいは拡大・縮小率には依存しない点にある. このため画像の大きさに対応した変換表をあらかじめ用意しておくことができる.この変換表は画像の大きささえ同じならば,異なった画像に対して,また様々な角度や大きさの回転,拡大・縮小処理を行う際に繰り返しこれを利用することができるため,処理の度に変換表を生成する必要はない.処理例を示し提案する手法の有効性を確認している.
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