本研究ではCCITTによるATM網の標準化において検討されているUPC(Usage Parameter Control)を考慮し,平均レートが規定された場合の映像伝送手法について検討する.まず平均レートを定められた値以下にするレート制御手法を提案する.次にシミュレーションにより,映像品質,セル廃棄率,網の輻輳の継続時間について,平均レートの規定に基づく伝送と従来の固定レート伝送,固定量子化ステップを用いた可変レート伝送との比較,更に異なる平均レート算出区間による平均レートに基づく伝送の比較を行なう.シミュレーション結果から,平均レートの規定に基づく伝送では,固定レート伝送に比ベシーンチェンジにおける画質が改善され,固定量子化ステップを用いた伝送に比ベセル廃棄率,輻輳の継続時間が大幅に改善されることを示す.また平均レート算出区間を長くするとズーミング,パニングなどによる短期的なレートの上昇も許容され画質はより安定するが,多重度数が低い場合セル廃棄率は高くなり,輻輳の継続時間も長くなることを示す.
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