社会学評論
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38 巻, 4 号
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  • 木下 謙治
    1988 年 38 巻 4 号 p. 398-399,495
    発行日: 1988/03/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    The forty-fifth annual meeting for reading research papers of Nishi-Nippon Sociological Society had been opened in May 1978 at Kagoshima economic college. Then, in addition to reading free research papers, we had two sectional meeting.
    Here we reproduce one of them. Main subject of the sectional meeting was “Summary of Japanese Society after World War II”. Each of following three papers is discussing about contemporary social change in our society. The first treats industrial change, the second agricultural, the third political. But, they are far from exhausting total change. So, in this special edition title of subject are changed.
  • 豊田 謙二
    1988 年 38 巻 4 号 p. 400-409,495
    発行日: 1988/03/31
    公開日: 2010/05/07
    ジャーナル フリー
    今日の情報革命は、産業の情報化と情報の産業化によって進展している。その革命は、工場やオフィス、さらに家庭をも巻き込みながら展開している。それは、大量生産と大量消費によって特徴づけられる社会とは一線を画すことになりそつである。本稿は、この時代の社会構造の特質を、生産と消費の循環論的視座から描き出そうとするものである。
    その革命的推進力は、産業のメカトロニクス化である。そのメカトロニクス機器を使って、工場ではFA (ファクトリー・オートメーション) 化が、オフィスではOA (オフィス・オートメーション) 化が進行し、省エネ化と省人化を実現している。
    メカトロニクス機器は、情報通信機器としての機能を併せもつ。その機器を利用して、工場やオフィスでコンピューターの制御によるシステム化が進みつつある。また、オンラインを利用した企業間の情報ネットワーク化も進んでいる。それは、受注して出荷するまでの時間と労力を節約し、労働の生産性を高めるためのものである。またそれは、消費需要の状況と変化に関する情報を、即時に生産現場に伝えるためのものである。
    こうした展開のなかで、工場の労働過程は、文字通り科学技術の過程に転化している。情報化は、一方では熟練技能工の職場を狭め、他方では情報処理労働者の需要を惹き起こす。産業構造の転換に伴う労働力需給のミスマッチは、教育問題を政治化しつつある。
  • 徳野 貞雄
    1988 年 38 巻 4 号 p. 410-420,494
    発行日: 1988/03/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    現在の日本農業をめぐる危機的状況は、国家独占資本主義という概念では把握し得ない政治・経済の国際的展開の中で、「産業としての農業」の構造的解体だけに止まらず、「食」の安全性低下や国土保全機能の衰退など、我々の同常生活基盤の掘り崩しにまで拡大してきている。そして、かかる危機は、日本農業の生産性の低効率性と云った経済的構造要因によって発生しているだけでなく、農業の担い手である農家や農協の内部変質やその「農業ビジョン」の無展望性によっても強められている。
    一方、経済的な生産機能だけではおさまりきらない農業の多元的機能を、意識的に「農業総体の魅力」として農業経営の戦略的ビジョンに位置づけている農業者も増え始めてきた。そこには、農業労働自体が賃労働 (labor) 的性格よりも、日常生活領域と深くかかわる「仕事」 (work) 的性格を濃厚にもつことを、再認識していこうという姿勢が背景にみられる。
    また、消費者も「食」の歪曲化進行の中で、食の主体性を回復させるために、直接農業者との連携を強めていこうとする動きも活発化してきた。そして、生産者と消費者の接点には、単に「産業としての農業」という位置づけではなく、「人間社会の存立基盤としての農業」という生活視点からの農業の再評価が存在する。そして、そこから日本農業の危機的状況に対する突破口を見出そうとする動きが高まっている。
  • 古賀 倫嗣
    1988 年 38 巻 4 号 p. 421-430,493
    発行日: 1988/03/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    わが国の政治過程を考察するさいもっとも重要なのは、一九五五年社会党統一と保守合同により成立した保守-革新の政治枠組をもつ「五五年体制」の検討である。国民経済レベルでの高度成長とパラレルに、政治レベルでの自民党長期政権が続き、「経済大国日本」を実現させた。ところが、六〇年代後半、高度成長路線は大都市における過密と公害、生活問題を引き起こす。こうした都市問題に対しては、中央より地方での反応が鋭く、七三年には東海道メガロポリスに沿った主要都市に「革新」自治体が誕生した。「地方革新」が「中央保守」を包囲するという政治戦略とともに、対話による行政、市民参加といったその政治手法は選挙以外に政治参加の手段が存在することを現実に示した。
    ところで、「革新」自治体の後退は七〇年代末期には始まり、横浜・沖縄・東京・京都・大阪と相次いでその拠点を失った。だが、地方「革新」の崩壊は「保守」の復権ではなかった。今や政治枠組としての有効性を失った保守-革新の図式にかわって「保革相乗り」で登場したのは、「脱イデオロギー」を標榜する自治省 (旧内務省) 出身の行政テクノクラートであった。こうしたタイプの首長を選択した住民の側にも「生活保守主義」という新しい動きがみられたのも、この時期からである、この層は、一般には浮動票層、支持政党なし層と呼ばれるが、彼らは政治的行為の有効性についてきわめて敏感で、どのチャンネルを使えば自己の利益がうまく実現できるかを常に考えるタイプの市民層といってよい。八七年四月、統一地方選挙のさいの「売上税反乱」はそうした一例にすぎない。
    戦後長期にわたって政治の基礎的な枠組であった保守-革新の図式は、こんにち中央-地方の図式に編成替えされ、さらに四全総にみられるように、東京-非東京との対立、「地方」内部の矛盾がいっそう深化している。そういう意味で、現代は「巨大な過渡期」なのである。
  • -デュルケームにおける社会再組織化論の構成-
    江頭 大蔵
    1988 年 38 巻 4 号 p. 431-448,492
    発行日: 1988/03/31
    公開日: 2010/02/19
    ジャーナル フリー
    デュルケームの「社会再組織化論」の諸側面を、「社会的連帯の確保」という彼の問題関心に即して原理的に把握する。正常-病理判断の方法論は、「社会体の一般的健康」という当時の社会理想の「合理化」の方策であり、その中心課題は社会的連帯への対応関係を選択的に強調して社会的諸制度の機能的連関を確定することであった。社会再組織化論は、有機的連帯論から多元的な結合原理の統合の理論へと発展するが、職業集団論をそれら諸原理の結節点としてとらえ、特に「個別主義的」結合と「普遍主義的」結合の統合の問題を抽出する。さらに、アノミー状態の社会的連帯に対する逆機能的対応関係を中心的関心としたアノミー論の分析枠組を提出する。
    結論的に、「社会的連帯」の欲求に対する対応関係への関心をデュルケームと共有しながら、アノミー発生の原因と過程の分析を、個々の社会状況に応じて特殊化するという、アノミー論の継承の方向を示す。
  • -カッシーラー哲学とヴェーバー社会学を手懸りとして-
    安村 克己
    1988 年 38 巻 4 号 p. 449-463,492
    発行日: 1988/03/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    本稿は、社会現象の科学的認識に、社会学理論の構成が急務であるという問題意識から、社会学的認識の科学基礎論を検討する。考察にあたっては、社会学史において伝統的な自然主義-反自然主義の哲学的論争には触れず、理想的な科学基礎論として、カッシーラーの精密科学認識論を提示する。さらに、その認識論と、社会学的認識固有の問題を探究したヴェーバーの社会学認識論とを比較.検討することによって、社会学理論構成の哲学的基礎をより明瞭にしてみたい。
    カッシーラーとヴェーバーは、伝統的自然科学認識論に対して、概念論と「法則性」概念の観点から、その難点を同様に指摘する。さらに、カッシーラーの精密科学認識論とヴェーバーの社会学認識論には、共通の認識論的特徴として、 (1) 認識における主観的思惟介在の前提、 (2) 科学概念の概念形成論、 (3) 法則と理念型の認識論的特徴、といった点が見られる。ヴェーバー社会学は、社会現象固有の属性ゆえに「自由な創意」に制約を課し、却って社会学的認識の科学的真理を放棄した。しかし、ヴェーバーの提起する社会学的対象の属性に関する問題には、科学的認識が可能であり、それは、カッシーラーの科学基礎論に基づいてはじめて達成されると考えられる。本稿は、カッシーラー哲学が社会学理論構成の哲学的基礎を考察するさいの指針となることを結論とする。
  • 中嶋 昌彌
    1988 年 38 巻 4 号 p. 464-465
    発行日: 1988/03/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
  • 山本 剛郎
    1988 年 38 巻 4 号 p. 466-468
    発行日: 1988/03/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
  • 古屋野 正伍
    1988 年 38 巻 4 号 p. 468-471
    発行日: 1988/03/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
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