社会学評論
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29 巻 , 4 号
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  • 庁 茂
    1979 年 29 巻 4 号 p. 2-15
    発行日: 1979/03/31
    公開日: 2010/05/07
    ジャーナル フリー
    ヴェーバーの学問観は、周知のようにいわゆる「理解社会学」として結実した。この方法論的な立場は、認識と人格という二つの視角からの議論が互いに基礎づけあいながら交わる点に成立しており、そのことが、彼の学問観の最も積極的な特色となっている。
    ところが、この二つの方向からの議論にはそれぞれ不明瞭な問題点が潜んでいて、そのために、ヴェーバーにおいて両者の視角が一体どのように連結するのか、わからなくなっている。
    第一は、彼がいわゆる動機理解以外の理解概念を導入していることに由来している。すなわち、彼のいう「理解」概念が多義的であるという問題である。第二は、彼のいう「人格」が、いわゆる「決断主義的な」人間に帰着するものなのか、それとも、あくまで現実に対し自己を開きながら責任をもって決断する人間なのか、ということである。すなわち、彼のいう「人格」概念の矛盾という問題である。
    ヴェーバーのいう「理解社会学的」立場は、この二つの問題点が首尾一貫しれ解明されない限り、認識と人格という二つの視角が、どう交わりあうのか十分納得できないと思われる。
    私は、この解明を通じて、彼が学問論のなかに独自にもちこんだ解釈学的理解の要としての基本的意義を、鮮明にしておきたいと思う。
  • 間々田 孝夫
    1979 年 29 巻 4 号 p. 16-30
    発行日: 1979/03/31
    公開日: 2009/10/20
    ジャーナル フリー
    経済行動を扱った理論には、新古典派経済学が展開してきた経済行動論と近年盛んになってきた行動科学的な経済行動論とがあり、両者はその関係を十分明らかにされないまま併存している。本稿は社会学を中心とした行動科学の立場に立って、まず第一に両者の性格を比較作業によって明らかにし、第二にそれを通じて行動科学的な経済行動論のメリットを明確にとらえることを課題とするものである。ただし、考察の対象は経済行動の中で最も重要な位置を占める消費者行動に限定している。
    経済学における消費者行動論と行動科学的な消費者行動論とは、理論の形態に顕著な相違が見られる。そのため、行動科学的な立場からしばしば経済学の消費者行動論に対する批判がおこなわれる。しかし理論形態のレベルにとどまらず、理論の目的についても考察するのでないと、こういった批判は不毛なものに終わる。経済学の消費者行動論は論理整合的な体系を構築するという目的を設定する限りはたしかに有効である。それに対して行動科学的な消費者行動論は、統計的なものにせよ非統計的なものにせよ、具体的・実証的分析と結びつく場合に有効性を発揮するものであって、この点が強調されなければならないのである。
  • 伴 恒信
    1979 年 29 巻 4 号 p. 31-43
    発行日: 1979/03/31
    公開日: 2009/10/20
    ジャーナル フリー
    「サイコヒストリー」とは、精神分析学の基礎的方法論をもって歴史的人物や歴史事象を解明しようとするもので、E・H・エリクソン、R・J・リフトン、K・ケニストン等が中心となりインフォーマルな形で設立した一種の学派である。本稿では、このサイコヒストリーを教育社会学との方法論上の関連に焦点づけて考察する。教育社会学は、従来より精神分析学と、 (1) 対象の共通性、 (2) 方法論的依拠の二点において関係が深かったが、近年では精神分析学者の側から社会学的領域へ関与を深める者が増大し、ますますその学際領域が拡大してきた。そこで社会学者も精神分析的概念を頻繁に援用するようになったものの、その際それらの概念を自分たちの学問視座に還元して使用する傾向がみられる。こうした傾向は、既にフロイトの歴史的研究における還元主義的解釈に現われていた。サイコヒストリーは、このフロイトのもつ還元主義を、 (1) 弁証法的発達論、 (2) 社会的共有イメージの二つの方法論で克服している。こうした方法論は同時に教育社会学に対しても、社会と人間発達との理論的統合、および質的事象の把握という調査方法論の補完の両面にわたって貢献すると期待されるのである。
  • 盛山 和夫
    1979 年 29 巻 4 号 p. 44-59
    発行日: 1979/03/31
    公開日: 2009/10/20
    ジャーナル フリー
    本稿は、現在その現実適合度をめぐって論争の闘わされている学歴社会についての二つの数理モデル、人的資本論とスクリーニング論に関し、 (a) 社会的最適性の条件、および (b) 私的均衡と社会的最適性との関係に焦点をあてて、分析・比較を行なっている。その結果、 (1) 二つのモデルの問で社会的最適性の条件にちがいがあること、 (2) スクリーニング・モデルでは私的均衡は必ずしも社会的最適性をもたらさないこと、が示される。
  • 武笠 俊一
    1979 年 29 巻 4 号 p. 60-74
    発行日: 1979/03/31
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    有賀理論は、大著『日本家族制度と小作制度』にいたって、はじめて体系的な社会学理論として確立された。すなわち、 (1) 分居大家族解体論の放棄により、同族団概念の適用範囲が古代・中世にまでひろげられ、 (2) 家の類型の提出、およびそれを前提とした相互転換論の構築がなされた。 (1) を実証的根拠とし、 (2) を理論的前提として、有賀の社会学的立場は表明されたといってよい。
    この有賀社会学の成立に、及川宏の同族理論のはたした役割は、従来もしばしば強調されてきた。にもかかわらず、従来の学説史研究は及川の問題意識を見落していたため、有賀にあたえた影響を「同族団概念の明確化」に限定しすぎた。この見解だけで有賀社会学の成立を説明しつくすことはできない。
    本稿では、及川宏の有賀批判の意義を再検討することによって、「同族団概念の採用」と有賀社会学の成立とのあいだの因果関連を、明らかにしたい。
  • 鈴木 宗憲
    1979 年 29 巻 4 号 p. 75-77
    発行日: 1979/03/31
    公開日: 2009/10/20
    ジャーナル フリー
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