社会学評論
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41 巻 , 2 号
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  • 桜井 洋
    1990 年 41 巻 2 号 p. 114-128
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2009/10/13
    ジャーナル フリー
    人間の自由は人間の行為を可能にする最も基礎的な条件である。人間は自由の下に、合理的行為を営む。行為の形式的表現は、選択である。自由とは、この選択の自由に他ならない。だが、行為の選択を可能にする選択基準を与件とすると、行為の選択は自動的になされるのであって、そこには人間固有の自由は見出されない。そこで、人間固有の自由の本質は、その自律性、すなわち、人間が自らがそれによって自己の行為を選択するところの選択基準を選択しうる、ということに帰着する。行為の選択基準を価値と呼ぼう。この価値の選択能、言い換えれば人間の自律性は、しかし、大いに逆説的な性格をもつ。すなわち、人間は自己の従うべき価値の選択に際しては、必然的に非合理的にしか振る舞えないことが明らかとなる。こうして、人間の行為の自由、合理性は、ある非合理性を根拠としていることが判明する。人間社会が安定してシステムをなすためには、自由の根拠をなすこの自律性は、禁止されねばならず、人間固有の自由は、却ってそうしたシステムの否定としてのみ顕現しうる。価値選択の非合理性、自由と制度の相剋は、素朴に直観されるところである。本稿はそれを行為の必然的帰結として論証する。
  • 土田 俊幸
    1990 年 41 巻 2 号 p. 129-145
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2009/10/13
    ジャーナル フリー
    戦後日本の独占資本は、規模別賃金格差を伴う重層的下請構造を形成してその強蓄積をはかってきた。その過程を通じて、「大企業体制」の価値規範の下請企業への浸透、「企業社会」化の進展がいわれている。そして、この「大企業体制」の矛盾の集中点ともいえる下請企業における労働者管理の構造をめぐって、大企業の構造の直接の持ち込みとか、中小企業の “生き残り競争” への巻き込みという議論がなされている。しかし、これらの議論では、職場における労働者状態の分析に基づいた解明がなされているとはいいがたい。本稿はそれについて、下請中小企業労働者のインテンシヴな事例分析を通してあきらかにすることを課題とする。これは従来、労働社会学研究の少なかった中小企業労働者の労働過程分析であると同時に、現下の「大企業体制」の価値規範とは同一ではない下請企業の職場社会における規範の分析を通して、下請企業労働者の「主体的状態」をあきらかにするというねらいをもっている。
    本稿の対象は、わが国自動車産業において「第三位グループ」に属するA自動車工業の一次下請・H社である。以下の分析では、大企業とは異なる中小企業労働者の労働過程と職場社会の構造、そこでの規範の特質の把握を通して、かかる課題にアプローチしていく。
  • 田中 紀行
    1990 年 41 巻 2 号 p. 146-159
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2010/01/27
    ジャーナル フリー
    「教養市民層」は、後発国ドイツの「上からの近代化」を推進するエリート階層として一九世紀中葉までに確立した、近代ドイツ特有の知識人層である。ブルジョアジー (経済市民層) が未発達な段階にあってこの階層は絶大な社会的地位と威信を享受したが、この世紀の後半以降、ドイツ社会の急速な近代化の帰結はその文化的・社会的優位を脅かすに至った。本稿ではこの教養市民層の「没落」の過程を、それに固有の階層文化、社会化の様態、「世界像」の特質およびそれらの社会的位置といった諸要因に着目することによって社会学的に解明することを試みた。教養市民層はギムナジウム・大学という本来開放的な選抜ルートを通して形成されたプロフェッション階層でありながら、学校・大学で身につけた教養やライフスタイルを他の諸階層から自らを区別し既得権を守るためにのみ用いたことから、次第にその社会的地位とともに文化的影響力をも失っていった。また、彼らの階層文化の根底にある教養理念も学問の専門分化と文化的平準化の結果、そのアクチュアリティを失って空洞化していったのである。そして、自らの地位をもっぱら「文化資本」 (P・ブルデュー) としての教養の専有に負ってきた教養市民層、特に大学知識人が、これらの事態を招いた近代社会に対して示した集合的なイデオロギー的拒絶反応が「文化ペシニズム」と呼ばれる思想的潮流であった。
  • 丹辺 宣彦
    1990 年 41 巻 2 号 p. 160-173
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2010/01/27
    ジャーナル フリー
    成熟した後期の資本主義社会においては、ほぼ例外なく新中間階級 (階層) と呼ばれている社会層の規模の拡大がみられ、この層の特性を解明することは、立場の違いを問わず社会理論にとって大きな問題となってきた。マルクス主義の階級論はこの問題に関してはこれまでのところ記述的な説明以上のものを提示することができず、二階級モデルに依拠しようとする伝統的傾向ともあいまって、産業社会論の側からも厳しい批判を受けている。そこで、本稿ではマルクス主義の理論に内在しつつ、まず近年の新中間階級論を批判的に吟味しながら、この階級の経済的規定を概念的に把握する。そのためには、直接的な生産関係のみからする階級基準でなく、流通の規定をいったん媒介した上で生産関係に準拠した階級基準を特定するという方法-このことは価値論を用いることを意味しているが-をとる必要がある。このような作業を経た上で、成熟した資本主義社会において新中間階級がその規模を拡張した根拠と条件を示すモデルを提示し、さらにこの階級の存在と資本主義社会の再生産の論理との関係を検討して今後の分析につなげることとしたい。
  • 小川 全夫
    1990 年 41 巻 2 号 p. 174-175
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2009/10/13
    ジャーナル フリー
  • 西田 春彦
    1990 年 41 巻 2 号 p. 176-177
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2009/10/13
    ジャーナル フリー
  • 古屋野 正伍
    1990 年 41 巻 2 号 p. 177-179
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2009/10/13
    ジャーナル フリー
  • 安藤 文四郎
    1990 年 41 巻 2 号 p. 179-180
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2009/10/13
    ジャーナル フリー
  • 宮本 孝二
    1990 年 41 巻 2 号 p. 181-182
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2009/10/13
    ジャーナル フリー
  • 草柳 千早
    1990 年 41 巻 2 号 p. 182-184
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2009/10/13
    ジャーナル フリー
  • 大黒 正伸
    1990 年 41 巻 2 号 p. 184-186
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2009/10/13
    ジャーナル フリー
  • 1990 年 41 巻 2 号 p. 187-229
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2009/10/13
    ジャーナル フリー
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