日本海水学会誌
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32 巻, 6 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 高井 信治
    1979 年 32 巻 6 号 p. 287-300
    発行日: 1979年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 大矢 晴彦, 坂西 良一, 庄司 敏博, 鶴岡 義典, 高橋 統, 根岸 洋一
    1979 年 32 巻 6 号 p. 301-309
    発行日: 1979年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    1) LNGを用いた直接冷凍法によるかん水の淡水化においては, LNGのハイドレート形成の有無が重要となる.もしハイドレートが形成される場合には, これの熱分解に基づく圧力の急上昇が装置の安全性の点から問題となる. MarshallらやKnoxらの研究によるとLNGの主成分メタン, プロパン等のハイドレート形成条件は, 氷ができる状態ではおのおの30tam, 2~3atmくらいであつて, 常圧操作の場合とくに問題とならないことが判明した.
    2) 晶析槽に安定して供給できる液体窒素の最大許容冷媒流量は, 晶析槽表面近傍に設置された攪拌翼の浸漬深さおよび攪拌速度によって規定されることが判明した. 攪拌動力Pvが0.15 [g/cm2・sec] 以上では最大許容冷媒流量は飛躍的に増大する.
    3) 生成した氷結晶の平均径は300μm以下であった, 冷媒投入量を増大させると, 一度最大値をとった後, 減少する. 攪拌NRe数に対しても同様の傾向が存在する.
    4) 結晶成長速度は, 冷媒投入量を増大させると一度最大値をとった後減少する. 攪拌NRe数に対しても同様の傾向が存在する.
    5) 生成した氷結晶の固定粒子層をもちいて洗浄実験を行ない, 氷結晶とほぼ同量の水で洗浄すれば, 飲料水が得られることが判明した. また洗浄過程における残余濃度曲線は川崎らの結果とほぼ等しい結果を得た.
    6) 川崎らの定義によるEL'=4.73×10-3を得た. したがって洗浄水流れはピストン流に近く, 従来の向流式洗浄方式に関する知見より考え, 数%の淡水損失で塩分濃度500ppm以下の淡水が得られる可能性があることがわかった.
  • 長島 義悟, 前田 伸一
    1979 年 32 巻 6 号 p. 310-313
    発行日: 1979年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    冷凍法海水淡水化パイロットプラントの冷媒直接接触式結晶缶を気泡攪拌によって操作し, 氷の塊が缶内壁に付着するかどうかを観察した. 缶壁に付着する氷が安定運転を妨げるものとみなして安定運転のための操作条件を把握することを試み, 次の結論を得た.
    (1) 安定運転のためには, ΔT0の小さい範囲では缶内における氷の濃度を高く保つことができるが, ΔT0の増加にともない氷の濃度を低くする必要がある. また, 機械攪拌操作における氷の濃度よりも低く保たねばならない.
    (2) 結晶生産量はΔTT0によってほとんど変化しなかった.
  • 長島 義悟, 山崎 隆尉, 前田 伸一
    1979 年 32 巻 6 号 p. 314-322
    発行日: 1979年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    従来から冷凍法による海水淡水化のための分離洗浄装置における洗浄水の損失に関してはあまり研究されていないが, 損失量の大小が淡水のコストに関係するので正確に知る必要がある. しかし, パイロットプラントや小規模実験装置においては, 高濃度の母液中に洗浄水がわずかに混入する際の濃度変化を計測することになり実際上不可能である. そこで, 上昇速度, 空隙率, 母液排出量がそれぞれ一定のモデル洗浄装置を製作し, 移動層における洗浄水の損失量を計測した. これらの結果は, きわめて単純な計算モデルから引き出した結果と全体的によく一致した. しかしながら, モデル装置における膜流れ係数は, 氷粒子の移動層における値よりも固定層における値に近いことが知られたので, この計算モデルの氷粒子移動層への適用が可能なことを, 氷粒子層を用いた従来の研究結果を用いて確認した.
  • イオン交換膜に関する研究 (第29報)
    安積 敬嗣, 米田 昭夫
    1979 年 32 巻 6 号 p. 323-328
    発行日: 1979年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    塩化ニッケル単独溶液の濃縮と塩化ナトリウムとの混合溶液の濃縮および脱塩をイオン交換膜電気透析法により行なった.
    単独溶液の濃縮実験を1~5A・dm-2の電流密度で行なった結果, 濃縮液濃度, 濃縮液量に及ぼす電流密度の影響は海水の濃縮の場合と同様の傾向を示し, 電流効率は約90%と良好であり, 工業的にも十分利用可能であることがわかった.
    混合溶液の濃縮実験の場合には各電流密度における原液濃度と濃縮液濃度の値とから, ナトリウムイオンに対するニッケルイオンの選択濃縮係数, PNiNaを求め, ナトリウムイオンに対するニッケルイオンの透過性を比較した結果, このPN1Naの値は電流密度が増加すると減少する傾向が認められた. そこで, 電流密度が零のときの値,[PN1Na]0を外そうすると1.24の値が得られた.一方, 同一の原液中に陽イオン交換膜を浸漬し, 膜中の両イオンの濃度比を測定し, ナトリウムイオンに対するニッケルイオンの選択吸着係数, SNiNaを求めたところ1.79の値となった.両者の値よりナトリウムイオンに対するニッケルイオンの移動度比は0.69と推定された.
    塩化ナトリウム-塩化ニッケル混合溶液の脱塩実験では, 両金属イオンおよび塩素イオンの濃度は通電時間とともにほぼ直線的に減少し, 濃度の経時変化からナトリウムイオンに対するニッケルイオンの選択脱塩係数,P'N1Naの値を求めると1.42となった.
    以上, 濃縮および脱塩の実験結果から, ニッケルイオンはナトリウムイオンにくらべて陽イオン交換膜をいくぶん透過しやすいことがわかった.
  • 複合吸着剤を用いる海水からウランの採取に関する研究 (第9報)
    和田 英男, 北村 孝雄, 藤井 綾子, 加藤 俊作, 菅坡 和彦
    1979 年 32 巻 6 号 p. 329-334
    発行日: 1979年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    スパーク源質量分析法を用いて, 吸着前後のチタンー活性炭系複合吸着剤中の元素濃度を求め, ウラン吸着過程における海水溶存成分の挙動を明らかにした. さらに海水中の元素濃度を考慮して濃縮係数を算出し, チタンー活性炭系複合吸着剤の海水溶存成分に対する吸着性を考察した. 吸着剤の各元素に対する吸着性は次の順序で高くなる.
    アルカリ金属, ハロゲン, イオウ<ホウ素, アルカリ土類金属<リン, ヒ素<遷移金属, ウラン
  • 村上 正祥
    1979 年 32 巻 6 号 p. 335-348
    発行日: 1979年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
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