水文・水資源学会誌
Online ISSN : 1349-2853
Print ISSN : 0915-1389
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25 巻 , 2 号
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原著論文
  • 谷 誠, 細田 育広
    原稿種別: 原著論文
    25 巻 (2012) 2 号 p. 71-88
    公開日: 2012/03/19
    ジャーナル フリー
     岡山県にある竜ノ口山森林理水試験地の69年(1937~2005年)にわたるふたつの小流域の降水と流出のデータを用いて,森林放置と植生変化の年蒸発散量に及ぼす影響を評価した.毎年の水収支には貯留量が影響を及ぼすので,年末の基底流出量がほぼ等しい期間を選び,その期間の損失を年平均蒸発散量とみなした.1947年以降植生が放置されて広葉樹林が成長してきた流域では,年蒸発散量は,平均気温によって増減したが,植生成長によって増加する傾向や,温暖化傾向のある1991~2005年では,蒸発散量の増加が拡大する傾向がみられた.毎年の年損失量は,森林の期間では,年末の基底流出量と相関があったが,森林未回復の期間では,相関が認められなかった.これは,乾燥年でさえ蒸発散があまり抑制されずに持続する森林の特徴を示すものである.また,植生がクロマツ林であった期間は広葉樹林であった期間よりも年損失量が小さかったのであるが,基準流域との損失量の比較,月流出量の比較を行った結果,マツ林は広葉樹林よりも,年蒸発散量,冬季の遮断蒸発量,夏季の蒸散量がともに大きいと推定された.
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  • 阪田 義隆, 池田 隆司
    原稿種別: 原著論文
    25 巻 (2012) 2 号 p. 89-102
    公開日: 2012/03/19
    ジャーナル フリー
     扇状地河川の流量変化を把握する同時流量観測では,複雑な水深や流速分布に対して精度と効率性の両立が課題となる.本研究では,可搬式ドップラー流速計(ADV)と流量分布に応じた細密な測線分割を組み合わせた観測法を提案し,ISO748(2007)が示す不確定値を精度評価の指標として,その有効性を示した.札幌市を貫流する豊平川への適用では,観測流量は不確定値2-3 %に留めつつ,日4-6地点の縦断的な連続観測が可能であり,その結果,流量減少は南19条大橋から南大橋までの約1.5 km間,その間の伏没量は約1 m3/sと特定できた.この伏没量は市の地下水揚水量の約8割に相当し,重要な地下水涵養源であることを改めて示した.一方,基準観測所である扇頂の藻岩観測所と扇端の雁来観測所間の流量変化は,途中の東橋付近で流量の増減傾向が逆転するため,扇頂から扇端へのトータルの伏没量は見かけ上小さくなった.同一地点・流況での現行法との比較では,現行法の不確定値は7-9 %と伏没量と同等となるため,豊平川に現行法を適用した伏没量評価は困難と言える.また流速プロファイラー(ADCP)の場合,水深が一定以上(本観測の場合0.3 m以上)ある区間の流量は本観測法(ADV)による結果とほぼ一致したが,浅水深の区間では不感帯に起因する流量欠損が生じ,豊平川の低水流況では上下流を通じて全体に少なめの値となった.
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  • 三石 真也, 唐澤 仁士, 新井 勝明
    原稿種別: 原著論文
    25 巻 (2012) 2 号 p. 103-112
    公開日: 2012/03/19
    ジャーナル フリー
     21世紀においては,水需要が飛躍的に増加すると予測されており,水資源の確保が重要な問題となる.本研究は,21世紀半ばにおける世界の水需給変化について,既存統計データを活用しつつ,マクロ的な概算を実施したものである.すなわち,GDP値を説明変数としたシミュレーションを行い,地域,国別に農業用水,上水,工業用水について水需要量を算出した.そして,気候変動モデルによる降雨量から水供給量を求め,国,地域別に水需給バランスを分析し,ヨーロッパ・アジア温帯地域の主要国等に大きな水ストレスが生じると予想した.また,主要穀物であるコメ,小麦,コーン,大豆について,供給可能な農業用水量から穀物生産量を算出するとともに,需要に対する過不足を求め,2050年においては,新たに約7億人分の食料が不足すると推計した.さらに,ダム等の水資源開発により,2.5兆 m3の水資源が利用可能になることを明らかにした.
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