水文・水資源学会誌
Online ISSN : 1349-2853
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21 巻 , 3 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
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原著論文
  • 小田 智基, 浅野 友子, 鈴木 雅一
    21 巻 (2008) 3 号 p. 195-204
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    近年,岩盤に浸透する水が山地流域における流出や水質形成に影響することが報告されており,岩盤に浸透する水の量が無視できない流域があることが明らかになっている.本研究では,直接測定することが困難である流域末端で堰堤を通過せずに岩盤深部に浸透し,流域外へ抜ける水の量(深部地下水浸透量)を,Clの物質収支を用いて推定した.対象としたのは,これまで深部地下水浸透量が推定された例の乏しい新第三紀層の山地小流域(1ha)である.樹冠通過雨,樹幹流下雨,降雨時,無降雨時の渓流水,地下水のCl濃度観測結果に基づき,Clの物質収支を算出することにより,深部地下水浸透量を推定した.その結果,深部地下水浸透量は410 mm/yr から640 mm/yr,平均で520 mm/yrであり,年平均降水量の22 %と推定された.また,森林においてClの物質収支を用いる場合,樹冠通過雨,樹幹流下雨によるCl流入量を考慮する必要があること,洪水流出中のCl濃度変化を考慮する必要があることが示された.
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  • 井手 淳一郎, 智和 正明, 大槻 恭一
    21 巻 (2008) 3 号 p. 205-214
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    森林生態系からのリン(P)の流出は一般的に少なく,わが国の森林流域におけるP収支は多くの場合,支出が収入を下回るとされている.しかし,これまでのPの支出の算出方法は出水時の河川水中Pの濃度変化を考慮しない方法(区間代表法)が主流であったため,P収支を適切に評価しているとはいい難い.本研究では,支出の算出に出水時の濃度変化を考慮することがP収支の評価にどのような影響を及ぼすのかを明らかにするため,4年間にわたって,ヒノキ人工林に覆われた山地小流域の河川において週1回の定期採水と,18回の出水イベントにおいて1時間おきの連続採水を行なった.その結果,出水時の濃度変化を考慮した方法(分離型∑L-∑Q法)による支出は4年間の平均で,区間代表法のそれよりも3倍大きかった.このため,少雨年の区間代表法による支出は収入を下回る一方,分離型∑L-∑Q法による支出は収入を上回った.出水時,Pは主に懸濁態として多量に流出するため,河川水のP濃度は急激に上昇する.本研究では,分離型∑L-∑Q法を用いることによって出水時のP濃度上昇を考慮して正確にPの支出を推定することができた.
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  • Muhamad ASKARI, 田中 正, Budi Indra SETIAWAN, Satyanto Krido SAPTOMO
    21 巻 (2008) 3 号 p. 215-227
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    熱帯土壌の浸透特性を予測するため,インドネシアの多くの地域から採取された未撹乱土壌の水分保持特性と水理特性を分析した.採取した土壌の土性は国際土壌科学学会の分類法に基づいて分類した.また,pF=1,pF=2,pF=2.54,pF=4.2で体積含水率と土壌水分張力との関係を予測するためにvan-Genuchtenモデルを適用した.このモデルのパラメータを最適化するために,また空気浸入値を予測するために合計165個の土壌水分保持特性データを使用した.それぞれの土性の浸透能特性を明らかにするために,Green-AmptとPhilipの浸透モデルを適用した.さらに,室内実験結果との比較において,Green-Amptの浸透モデルによる累積浸透の数値シミュレーション結果を検証するために,Nash and Sutcliffeの効率係数を使用した.
    本研究の結果,合計165個の土壌試料が,国際土壌科学学会分類法に基づいて分類され,重粘土,砂質粘土,砂質粘ローム土,砂壌土,砂土,軽粘土,埴壌土,ローム土,シルト質粘土,シルト質粘ローム土の10タイプに分けられた.Green-Amptの浸透モデルの性能評価試験結果から,Green-Amptの浸透モデルは土壌の水分保持特性と水理特性のデータを使用することによって,各土壌の浸透特性を評価できることが明らかとなった.また,熱帯土壌の土性の違いは,浸透速度,浸潤前線深度,およびsorptivityに関して,著しい対照を示した. さらに,熱帯土壌の浸透特性は主に,透水係数,初期水分量,および浸潤前線先端における土壌水分張力の大きさによって影響されていることが明らかとなった.
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  • 高崎 忠勝, 河村 明, 天口 英雄
    21 巻 (2008) 3 号 p. 228-241
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    本論文は都市中小河川における実時間洪水予測に適した集中型概念モデルの精度向上に向けて,多くの大都市で採用されている合流式下水道の流出特性を考慮した二価関数の貯留関数モデルである都市洪水貯留関数モデルを構築し,これを都市型洪水氾濫被害が頻繁に発生している東京の代表的中小河川である神田川の上流域に適用し,その適合性及び特性について検討を行った.
    合成合理式,星らの貯留関数モデル及び構築した都市洪水貯留関数モデルの3種類の集中型モデルを3地点の実測洪水流量観測データに適用し5種類の誤差評価関数に対してパラメータ同定を行い,そのハイドログラフを作成して観測値との比較を行った.その結果,都市洪水貯留関数モデルは,ハイドログラフの形状全体を良好に表現でき,特にピーク流出高及び総流出高の双方が精度良く算定されることを確認した.さらに本モデルで考慮する合流式下水道の流出特性の妥当性を評価した.
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研究ノート
  • 舛谷 敬一, 馬籠 純
    21 巻 (2008) 3 号 p. 242-247
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    グリッド型の分布型水文モデルには,擬河道網の解像度を変えるとモデルパラメータを再調整しなければならないというグリッドサイズに起因する問題がある.近年,高解像度の擬河道網からどのような低解像度にも変換できる簡単な粗視化法(最大集水河道追跡法)が提案されたので,本論文ではこの粗視化法を用いて河川流量計算の解像度依存性を考察する.具体的には,富士川支流の早川及び中国の黄河全流域を対象として,様々な解像度の擬河道網を用いてMuskingum-Cunge法で河川流量計算を行ない,その粗視化の影響を詳細に評価した.最大集水河道追跡法は,高解像度擬河道網の河川特性量(河道長及び標高差,勾配等)を異なる解像度の擬河道網であっても精度良く保持することができるため,河川流量計算に対する擬河道網の粗視化の影響がほとんど無いことが分かった.
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