水文・水資源学会誌
Online ISSN : 1349-2853
Print ISSN : 0915-1389
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23 巻 , 4 号
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原著論文
  • 景山 宗一郎, 池田 誠, 富山 眞吾
    原稿種別: 原著論文
    23 巻 (2010) 4 号 p. 301-311
    公開日: 2010/07/28
    ジャーナル フリー
    統合的かつ持続可能な水資源管理を行なう上で,流域水収支を把握することは非常に重要である.水収支を構成する涵養量は,地下水資源開発や3次元地下水流動解析における重要な因子であり,水収支解析においては降水量から蒸発散量および流出量を減じた残差として算出される.近年,レーダーアメダス解析雨量データなどの2次元分布データの整備により,降水量および蒸発散量についてはその空間分布を精度良く推定することが可能となってきている.一方の流出量に関しては,流量観測所の設置が主要河川に限定されるため,観測所が存在しない流域(未観測流域)における流出量推定手法の確立が課題となっている.
    本研究では流出と密接に関係している地形に着目し,DEMを用いた地形計測および統計量解析より求められる「流出指標」をもとに,北海道下川地域の未観測流域における流出量の推定を行なった.流出指標と2008年8月に測定した河川流量データとを比較した結果,両者の間には強い正の相関関係が見られた.この結果は流出指標の妥当性を示すとともに,両者の回帰式を用いて未観測流域の流出指標を河川流量に変換することが可能であることを示唆している.
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  • 鈴木 賢哉, 田中 隆文
    原稿種別: 原著論文
    23 巻 (2010) 4 号 p. 312-322
    公開日: 2010/07/28
    ジャーナル フリー
    対照流域法は森林の植生変化と流出の関係を明らかにするために有効な手法であり,世界中で広く用いられてきた.本研究では世界各地の69個の流域量水試験(伐採施業が行われた流域のみ)の流出変化量と,各流域の詳細な流域情報を収集した.そして,各流域を4つの観点(植生タイプ,施業の方法,森林土壌の状態,年降水量)から特徴づけ,年流出に対する流域特性の影響を,HAYASHI(1952)の数量化I類によって評価した.その結果,年流出量は年降水量,施業の方法,森林土壌の状態,植生タイプの順番で影響を受けることが示された.年降水量が流出に与える影響は特に強く示された.施業の方法と森林土壌の状態も年流出量に対して大きな影響があった.植生タイプの観点から見ると,針葉樹は広葉樹よりもわずかに大きな流出変化量を示した.また,同じ69個の流域量水試験に対して,流域の特徴づけにバイオーム型を考慮した植生分類タイプ,施業の方法,森林土壌の状態の3つの観点を用いた場合の解析も行った.バイオーム型を考慮した植生分類タイプでは「タイガ(針葉樹),温帯多雨林(針葉樹),温帯多雨林(広葉樹),温帯林(針葉樹),温帯林(広葉樹),温帯林(低木),疎林(針葉樹),疎林(広葉樹),疎林(低木),地中海性硬葉低木林,熱帯季節林(低木林)」の11カテゴリーに分類した.各カテゴリーが流出に与える影響はカテゴリー数量として示される.その結果,各バイオーム型で異なるカテゴリー数量が示され,流出に与える影響の違いがみられた.また,同じバイオーム型における植生タイプ間でも,異なるカテゴリー数量を示した.温帯多雨林と温帯林のバイオーム型では,針葉樹は広葉樹よりも大きなカテゴリー数量を示した.しかし,疎林のバイオーム型では,針葉樹は広葉樹よりも小さなカテゴリー数量を示した.このことから,年流出量に対する植生の影響はバイオーム型によって異なることが示唆された.
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  • 三崎 貴弘, 土屋 十圀
    原稿種別: 原著論文
    23 巻 (2010) 4 号 p. 323-338
    公開日: 2010/07/28
    ジャーナル フリー
    河川生態系の生物群集は,台風や前線等の影響により大規模な洪水が発生すると,流量の増大と伴に土砂の洗掘や堆積が生じ,大きく変化する.これは,主として河床に生息する底生動物の生息環境が洪水による撹乱の影響を受け,その群集構造が変化するためである.本研究で対象とする利根川上流域に位置する群馬県には,1979年から2004年の26年間に渡り採取された底生動物のデータが存在し,流況変動が底生動物に及ぼす影響を長期間検証することが可能である.本研究では,県内の利根川本川の水位流量の基準点である八斗島において,高速フーリエ変換を用い流量と底生動物の周期性と密度の関係を検討した.この結果,1982年以降に台風や前線による影響で撹乱頻度の上昇と規模の増大が生じ,底生動物群は個体数が減少している結果となっていた.また,長期に渡り撹乱が過大な状況下では,極相に達する経路の一つである滑行型から造網型への変移は生じず,流況に適応した生活型である匍匐型や掘潜型の個体数が増加していることが確認された.
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研究ノート
  • 野口 正二, 金子 智紀, 和田 覚, 石川 具視
    原稿種別: 研究ノート
    23 巻 (2010) 4 号 p. 339-346
    公開日: 2010/07/28
    ジャーナル フリー
    秋田県長坂試験地のスギ林における間伐区(間伐斜面・作業路)と無間伐区および気象露場において,2008-2009年冬期に積雪深を比較検討した.積雪深は,鋼尺を用いて測定するとともに,高さ0,25,50,75 cmに設置した温度センサーによる推定も試みた.堆積期において積雪深は,気象露場>作業路>間伐斜面>無間伐斜面の順で深かった.融雪期において積雪深の低下は,気象露場>間伐斜面または作業路>無間伐斜面の順で早かった.積雪深は,樹冠開空度の大きさによって異なり,降雪遮断量と放射収支量の影響を受けていると考えられた.また,作業路において融雪出水時の地中水の影響と思われる積雪深の著しい低下が認められた.感温式積雪計は,多支柱式を使用することによって林内の積雪深の測定に有効と考えられた.さらに,地表に設置した温度センサーは,積雪下で生じる地中流の発生を把握するのにも有効と考えられた.
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