水文・水資源学会誌
Online ISSN : 1349-2853
Print ISSN : 0915-1389
検索
OR
閲覧
検索
24 巻 , 5 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
原著論文
  • 鶴田 健二, 小松 光, 篠原 慶規, 久米 朋宣, 市橋 隆自, 大槻 恭一
    24 巻 (2011) 5 号 p. 261-270
    公開日: 2012/07/06
    ジャーナル フリー
     林分辺材面積(AS_stand)は,樹液流計測により林分蒸散量を推定する際に不可欠な要素である.AS_standは,一般的に各試験地において作成された胸高直径(DBH)-単木辺材面積(AS_tree)関係式に,全木のDBHデータを入力することで算定される.日本のスギ林とヒノキ林において適用可能な一般性の高いDBHAS_tree関係式を作成するために,AS_treeデータを収集した.その結果,試験地間でその関係に大きな違いは認められなかった.収集した全データを回帰することで,スギにおいてAS_tree = 10.0DBH-41.5 (DBH<30 cm),AS_tree = 19.1DBH-314.8(DBH>30 cm),ヒノキにおいてAS_tree = 8.2DBH-27.4(DBH<32 cm),AS_tree = 19.1DBH-374.7 (DBH>32 cm)なる関係式を得た.これらの関係式を用いた場合のAS_standの平均推定誤差は,スギ林で5 %,ヒノキ林で8 %であった.本研究で作成したDBHAS_tree関係式を用いることで,スギ林とヒノキ林のAS_standを簡便に推定することが可能である.
    抄録全体を表示
  • 吉川 夏樹, 有田 博之, 三沢 眞一, 宮津 進
    24 巻 (2011) 5 号 p. 271-279
    公開日: 2012/07/06
    ジャーナル フリー
     田んぼダムは,水田耕区の排水孔を装置化して落水量を安定的に抑制することによって,豪雨時における水田地帯からの流出量のピークを平滑化し,下流域の洪水を緩和するものである.田んぼダムの効果発現の特徴は,以下の5点に整理できる.①洪水調節量の操作可能性,②地区環境によって変化する効果,③効果の自律的発現,④発生しない生産効果,⑤制限される農家の危険回避行動.本稿では,新潟県村上市神林地区の取組事例をもとに,田んぼダムの公益的機能の評価を試みるとともに,技術上の特性と可能性を検討し,技術展開の方向性について提案した.神林地区の事例における評価額は,代替法を用いた試算では 39,000円/10 a/年であった.これは,水稲10 a当たり農家所得(24,000円/10 a/年)を大きく上回る.田んぼダムを適切に活用することによって多くの地域の洪水緩和に効果を発揮することが期待されるが,計画論的観点から戦略的な整備のあり方について提言した.
    抄録全体を表示
  • 道広 有理, 佐藤 嘉展, 鈴木 靖
    24 巻 (2011) 5 号 p. 280-291
    公開日: 2012/07/06
    ジャーナル フリー
     水文・水資源の分野では,過去の観測データに基づいて河川計画の策定が行われている.長期的には気候変動の影響を考慮したリスク管理を行う必要があるが,その影響の定量的な評価については気候モデルによる数値実験結果に大きく依存しており,気候モデルの再現性について正確に理解しておくことが重要である.本研究では,気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第4次評価報告書で用いられている第3次結合モデル相互比較プロジェクト(CMIP3)のマルチ気候モデルによる20世紀再現実験の結果を用い,日本陸域を対象に降水量をはじめとした地上気象要素の再現性について評価した.気候モデル別の実験結果のばらつきは特に降水量・降雪量で大きく,我が国の季節変動について全く再現できていないモデルも存在するため,再解析値(JRA-25)および気象官署の観測値を基準として再現性のよい気候モデルを選別し,将来予測の不確実性の低減を試みた.
    抄録全体を表示
解説
  • 金丸 秀樹
    24 巻 (2011) 5 号 p. 292-299
    公開日: 2012/07/06
    ジャーナル フリー
     気候変動のシナリオ下では,亜熱帯での降水量減少が天水作物の栽培に適した地域の分布に影響を与え,さらに灌漑用水の需要が高まることが予測されている.乾燥した低緯度地域で作物収量は減少する一方で,中高緯度地域では2 ℃程度の気温上昇までは収量は増加する.木材の生産は短中期的には増加することが予測されるが地域的なばらつきが大きく,また漁業においては局地的に魚種の絶滅も見込まれ,畜産業においても熱ストレスなどが家畜に悪影響を及ぼすであろう.平均的な気候の変化に加えて,極端な気象現象の頻度と程度の変化は食料,木材,畜産物の生産,そして食料安全保障に深刻な影響を及ぼす.世界的に食料と林産物の貿易は増加するが,多くの発展途上国は食料をさらに輸入に依存するようになるかもしれない.ある程度の気温上昇までなら適応策を講じることで食料生産に及ぼす影響に対処できるため,自律的かつ計画的な適応の双方を進めていき,同時に緩和策を実施することでさらなる気候変動を抑えることが必要である.
    抄録全体を表示
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
feedback
Top