水文・水資源学会誌
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15 巻, 3 号
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  • 楠田 哲也
    2002 年 15 巻 3 号 p. 227-228
    発行日: 2002/05/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
  • 松尾 奈緒子, 小杉 緑子, 大手 信人, 木庭 啓介
    2002 年 15 巻 3 号 p. 229-242
    発行日: 2002/05/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    森林群落上におけるH2O・CO2フラックスの長期推定を行う際に重要となる樹木個葉によるガス交換制御に関する情報を提供することを目的とし,兵庫県赤穂市人工樹林帯に生育する5種の暖温帯性常緑広葉樹を対象として葉と周辺大気CO2の炭素安定同位体比を測定し, Farquhar et al. (1989)の炭素安定同位体分別モデルを用いて長期平均的な細胞間隙と大気のCO2濃度比(Ci/Ca iso.)を算出した.その結果,上層成熟葉のCi/Ca iso.は樹種間差が小さく,様々な気候区に生育する樹木の文献値と比較すると暖温帯性気候区に生育する樹木と近い値であることが示された.また,対象木下層葉は上層葉よりも受光量が小さいことに起因してCi/Ca iso.が大きかった.上層葉のCi/Ca iso.は展開直後に最小値をとり,夏に上昇するという季節変化を示した.したがって,樹林のガス交換量推定のパラメータとしてCi/Ca iso.を用いる際には,その空間分布や季節変動を考慮する必要がある.
  • (第1報)大気境界層スケールの対流構造の影響
    神田 学, 渡辺 力, レッツエル マルコス・オリバー・, ラッシュ ジークフリード・
    2002 年 15 巻 3 号 p. 243-252
    発行日: 2002/05/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    LES(Large Eddy Simulation)モデルを用いて日中の典型的な大気混合層の3次元シミュレーションを行った.計算対象場は,起伏の無い平坦な地面が一様に加熱されており,鉛直一様な水平風(0~4ms-1)は存在するが領域全体にわたる広域スケールの上・下降流を(場の水平面平均として)持たない,理想的な対流混合層である.それに基づき,点計測時系列データから得られる乱流フラックスの空間代表性,および,渦相関法による点計測フラックスがエネルギーバランスから推定される水平面平均フラックスを過小評価するいわゆるインバランス問題の原因について理論的考察を行った.その結果,以下の結論が得られた.(1)点計測の時系列データに基礎を置く限り,測定点数を増やして空間平均をとっても,乱流フラックスは真の水平平均乱流フラックスを過小評価する(負のインバランスが生じる).これは,計測点に於けるローカルな平均鉛直流の熱輸送寄与によるものである.(2)点計測乱流フラックスの空間代表性に対して一般風の強さが影響を及ぼす.風速が弱いほど,点計測乱流フラックスの水平面平均値はより大きな負のインバランスを示し,またその水平面分散値はより大きくなる(つまり点計測の空間代表性が乏しくなる).(3)上記のインバランスの物理的理由は,大気境界層スケールに形成される「大規模組織構造対流」の影響に集約される.これは通常20分程度のライフサイクルを持つ個々のサーマルプリュームとは明確に区別され,より長い持続時間を有する.
  • (第2報)水平一様な植生キャノピー層を含む中立接地境界層における検討
    渡辺 力, 神田 学
    2002 年 15 巻 3 号 p. 253-263
    発行日: 2002/05/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    LES(Large Eddy Simulation)モデルを用いて水平一様な植生キャノピー層を含む中立接地境界層の3次元シミュレーションを行い,渦相関法による点計測フラックスの空間代表性に関する検討を行った.それに基づいて,渦相関法によるフラックスが熱収支から要請されるフラックスに比べて過小評価となるいわゆるインバランス問題の原因に関する考察を行った.その結果,次のことが明らかとなった.(1)渦相関法による点計測フラックスは,対象領域が水平一様で平坦であっても,空間的なばらつきが±50%程度もありうる.(2)対象領域内に何らかの原因で定在的な流れが存在し,その流れがスカラー量の場と相関をもっている場合には,点計測フラックスでは系統的に負のインバランスが生じる.そのインバランスの大きさは,定在的な流れによる輸送量が大きいほど大きくなる.(3)機械的原因で定在的な流れが形成され,それがインバランスの原因となっている場合には,インバランス率(フラックスの評価誤差を真のフラックスで規格化したもの)の大きさは風速には依存しない.(4)大気安定度が中立なとき,キャノピーの存在は負のインバランスを減少させる働きがある.(5)地表面が平坦な場合には,座標変換やLee(1998;Agric. Forest Meteor.)による鉛直移流補正の手法ではインバランスをなくすことはできない.
  • 小栗 秀之, 檜山 哲哉
    2002 年 15 巻 3 号 p. 264-278
    発行日: 2002/05/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    上層を落葉広葉樹林(主にコナラ),下層を常緑樹で覆われた二次林においてCO2フラックスと熱フラックスに関する乱流観測を約1年間実施し,各フラックスの季節変化と年間のCO2収支を算出した.熱フラックスは,上層のコナラの着葉状態により大きな季節変化を示し,冬期には顕熱が大きく潜熱が小さいため日平均のボーエン比が1から3を示した.コナラの開葉とともに潜熱が卓越するようになり,夏期には日平均ボーエン比が0.2から0.5と小さい値を示した.この季節変化の傾向は同じコナラを主とする落葉広葉樹林と同様の観測結果となった.森林による正味のCO2吸収量も上層木の着葉状態に大きく依存し,5月下旬から6月上旬に最大となった.欠測期間のCO2フラックスの補完には,日中はPPFD(光合成光量子束密度),夜間は風速による関係式を用いて,CO2収支の季節変化を推定した.その結果,当森林では12月から4月まではCO2を放出,5月から11月まではCO2を吸収していることになった.年間のNEP(Net Ecosystem Production;正味の生態系生産量)を見積もった結果,-6.6(tC ha-1 yr-1)となり,南ヨーロッパで観測された値と同程度の吸収量を示した.この原因として,中・下層の常緑樹による光合成の効果と,人為起源によるCO2の施肥効果が原因として考えられた.また,当観測地では水平移流がNEPに影響を与える可能性が大きいことから,CO2収支解析によりCO2の水平移流量を見積もった.冬期のCO2フラックス自体が少ない場合,水平移流は大きな割合を占めたが,夏期のようにCO2フラックスが多い場合には移流の占める割合は少ないものと考えられた.
  • 朝岡 良浩, 風間 聡, 沢本 正樹
    2002 年 15 巻 3 号 p. 279-289
    発行日: 2002/05/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    東日本を対象に,衛星観測と既存のモデルを用いて広域の積雪分布のデータベースを作成した.これらのデータから,積雪水資源量の経時変化によって「1月最大型」,「2月最大型」,「3月最大型」,「4月最大型」,「アーチ型」,「平行型」の6種類に分類した.次に,いくつかの地域においてその空間分布を多雪年(1999-2000),標準年(1998-1999),小雪年(1989-1990)について調査した.その結果,積雪水資源量分布の地域変動特性は東北地方北部の高山域では4月最大型,東北地方南部の高山域では平行型,北陸信越地方の高山域では4月最大型となるなど,対象とした多雪年,小雪年の積雪水資源特性が地域によって理解された.
  • トゥァン グエン・リ・, 杉尾 哲
    2002 年 15 巻 3 号 p. 290-301
    発行日: 2002/05/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    本論文は,河川網における洪水流出解析のためのモデルを構築し,そのモデルを実際の河川網に適用している.まず,河川網の非定常開水路流の数理モデリング方法と計算方法を示している.モデルは,ベトナム北部最大のレッド川流域に適用している.次に,モデルキャリブレーションを行った後,解析によって検討対象河川網の水文学的特性を明らかにしている.また,レッド川流域において洪水制御と水資源の管理は重要であり,本論文ではこれらの工学的一面も検討している.
  • 小松 光, 熊谷 朝臣
    2002 年 15 巻 3 号 p. 302-308
    発行日: 2002/05/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
  • 新河川法制定後の流域協議会の取り組み
    宮崎 利博, 竹崎 幸博, 福留 章洋
    2002 年 15 巻 3 号 p. 309-319
    発行日: 2002/05/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
  • 内田 太郎, 浅野 友子
    2002 年 15 巻 3 号 p. 320
    発行日: 2002/05/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
  • 勝山 正則
    2002 年 15 巻 3 号 p. 321
    発行日: 2002/05/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
  • 服部 美紀
    2002 年 15 巻 3 号 p. 322
    発行日: 2002/05/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
  • 2002 年 15 巻 3 号 p. 323-325
    発行日: 2002/05/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
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