水文・水資源学会誌
Online ISSN : 1349-2853
Print ISSN : 0915-1389
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巻頭言
原著論文
  • 兪 江, 孫 玫, 沈 彦俊, 近藤 昭彦
    31 巻 (2018) 3 号 p. 152-165
    公開日: 2018/06/06
    ジャーナル 認証あり

     地球の平均気温は過去130年程度の間に約1 ℃上昇したが(IPCC, 2007),作物の農事暦も変化していることが予想される.本研究の目的は,中国華北平原における主要農産物である冬小麦の農事暦変化及び作付面積の変化を定量化し,その変化要因を気候変動や利水政策等を含めた総合的な側面から明らかにすることである.本研究では2時期の衛星データを組み合わせて得られた1982年から2012年の植生指数(NDVI)データを解析に利用した.その結果明らかとなった冬小麦の春季の起生期(生育開始時期)の早期化は3月の平均気温上昇と対応し,秋季の播種期の遅れは9-10月の約2度の気温の上昇と10月初旬の降水量増加に対応していた.また,冬小麦の作付面積の変化は水不足に対応した地下水への課金や,農業税の廃止等の政策とも関連していると考えられた.

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  • 須田 芳彦
    31 巻 (2018) 3 号 p. 166-177
    公開日: 2018/06/06
    ジャーナル 認証あり

     確率降雨量と継続時間の関係(DD関係)に降雨強度公式としてTalbot公式R=at/(t+b)とSherman公式R=ctn をあてはめた.ここでRは確率降雨量,tは時間,abcnは定数である.

     Talbot公式のa/bの値とSherman公式のcの値はともに短時間の大雨特性を示しており,これらの値の地理的分布は明瞭な緯度差を示している.Talbot公式のbの値とSherman公式のnの値はともに大雨の持続性を示しており,これらの値の地理的分布は地形との関連が明瞭である.

     DD関係が両対数グラフ上で上に凸となることからDD関係に特徴的な時間があり,この時間は対数変換したTalbot式の曲率が最大となる時間(1+√5)b/2として求まり,この時間は大雨の持続時間とみなすことができる.

    bnの値の間の一対一対応およびba/cの値の間の一対一対応は解析的に証明することができる.a/cの値も,bnの値と同様,大雨の持続性を示している.

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「森林水文」特集
原著論文
  • 勝山 正則, 伊藤 雅之, 大手 信人, 谷 誠
    31 巻 (2018) 3 号 p. 178-189
    公開日: 2018/06/06
    ジャーナル 認証あり

     花崗岩からなる森林流域において,約100年前に設置された土砂止め堰堤上流部に発達した渓畔湿地の水文生物地球化学的過程を明らかにすることを目的に観測を行った.観測プロットの上流側では全層で砂質土壌が堆積しているのに対し,土砂止め堰堤に近い下流側では表層には泥質土壌が,下層には砂質土壌が堆積していた.土砂堆積様式に起因して不均質な水移動経路が形成され,透水性の高い砂質土壌を通過する地中の経路と,透水性が低い泥質土壌上を表流水として流下する経路が存在した.湿地内部は脱窒に伴うNO3の除去が起こりうる還元的な状態が維持されており,年間降水量の多寡や水移動経路の不均一性に応じて,還元的環境の強弱が時空間的に変動することが明らかになった.これに伴い,湿地を通過する渓流水の水質も流出経路に応じた変動が見られた.土砂止め堰堤によって形成された小規模の渓畔湿地は各地に存在する.このような渓畔湿地が流域の水文生物地球化学現象に対して果たす役割を評価していくためには,湿地内部の過程を詳細に観測すると同時に,湿地の形成過程や流域内における分布と規模,消長を広域的かつ継続的に把握していく必要がある.

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  • 仙福 雄一, 小杉 緑子, 岩田 拓記, 鶴田 健二, 鎌倉 真依, 坂部 綾香
    31 巻 (2018) 3 号 p. 190-199
    公開日: 2018/06/06
    ジャーナル 認証あり

     日本は降雨の多い地域だが,これまで降雨中・直後の生態系CO2/H2Oフラックスを直接測定するのは困難であり,未解明の部分が多かった.本研究では,滋賀県南部の桐生水文試験地ヒノキ林において,エンクローズドパス型分析計を用いた渦相関法により生態系CO2/H2Oフラックス,及び各種気象条件,樹液流速を測定した.従来のオープンパス型,クローズドパス型CO2/H2O分析計による測定結果と比較したところ,エンクローズドパス型が降雨中・直後のCO2/H2Oフラックス測定に最も適していた.エンクローズドパス型分析計を用いた観測の結果,降雨中・直後のH2Oフラックスに関しては,飽差の増大につれて放出が増大し,無降雨時と比べて大きな放出の値が観測された.この間は樹液流速の上昇が伴わなかったことから,遮断蒸発がおこっていたと考えられる.さらに強い日射が続くと,樹液流速が増大したことから,H2Oフラックスの成分が遮断蒸発から蒸散へ移り変わったと考えられた. 一方でCO2フラックスは,降雨中・直後も無降雨時と同じように日射の増大に応じて森林生態系への吸収の増大が観測された.

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