水文・水資源学会誌
Online ISSN : 1349-2853
Print ISSN : 0915-1389
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19 巻 , 3 号
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原著論文
  • 手計 太一, 吉谷 純一
    19 巻 (2006) 3 号 p. 171-182
    公開日: 2006/05/23
    ジャーナル フリー
    途上国において利用できるような,社会変動を考慮した新しい河川流量予測モデルを構築した.これは,国勢調査等のような容易に入手できる社会・経済データと流域雨量データから,年河川流量や季節河川流量を予測するものである.使用した社会変動要因は,人口,森林面積,野菜・果樹耕作地面積,天水田面積,灌漑面積,そして雨期作米生産量である.本稿で構築したモデルはいずれも極めて精度の良い再現性を持っている.さらに,精度良く6年間分の河川流量を予測することも可能であった.本研究の対象流域においては,低水管理,特に下流域の広大な灌漑地区への水供給は国家的な問題であり,本モデルを用いた分析がより高度な水資源管理を可能とする.
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  • 小林 哲夫, 王 維真, 井川 陽介, 長 裕幸, 賀 文君
    19 巻 (2006) 3 号 p. 183-188
    公開日: 2006/05/23
    ジャーナル フリー
    飽和土壌抽出液導電率ECSATが次式によって定義された:
    ECSAT≡EC1:χ ただし,χ=ερw/(1-ε)ρd

    ここで,EC1:χ は土水比1:χ の土壌抽出液の導電率,ε は実際の圃場条件下での土壌間隙率,ρd は土粒子の密度,ρwは水の密度である.ECSATは,慣習的な指標である標準的手法で調製された飽和土壌ペースト抽出液導電率(ECe)とは異なるが,両指標の物理的意味はほとんど同じである.比較試験の結果,ECSATは,圃場においてTDRを用いても,実験室において希釈抽出法によっても測定することができ,両者の一致度はかなりよいことが示された.ECSATとECeにはそれぞれ一長一短があるが,ECSATは,実験室で真空ポンプのような特別な装置を必要とせずに測定できるだけでなく,圃場でも自動的かつ連続的に測定でき,さらに,土壌断面内の水分・塩分移動を解析する際には地下水の導電率と直接的に比較することもできることから,ECeよりも実用的な指標であると言うことができる.
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  • 長谷川 裕史, 長谷川 覚也, 竹村 健, 藤間 聡
    19 巻 (2006) 3 号 p. 189-204
    公開日: 2006/05/23
    ジャーナル フリー
    本研究におけるフィールドは,北海道苫小牧市東部に位置し,1991年にラムサール条約に登録されたウトナイ湖である.このウトナイ湖は,流入する河川からの栄養塩や微細土砂の輸送などにより生態系への影響が問題になっている.湖内の流れは,水深が浅いことから地理的にも近い太平洋沿岸の海陸風による影響や湖周辺の地下水の影響を受けていることが予想される.本論文は,はじめにウトナイ湖の地域特性や土砂堆積特性について整理し,次に地下水流動や海陸風の影響を考慮した湖流解析モデルによる再現計算とラグランジェ的手法を用いた水質拡散モデルによるトレーサー粒子の集積箇所を推定した.さらに鉛直2次元流況解析モデルによる流下方向と鉛直方向の流速成分の相関関係式を設定した.その結果より鉛直方向の土砂の沈降量を取り入れた湖床変動解析を実施し,ウトナイ湖に関する土砂の分布域と実際の微細土砂の堆積箇所との比較分析を行った.この結果,本研究において開発したシミュレーションモデルのウトナイ湖における現地適用性を確認するとともに土砂の堆積傾向を明らかにした.
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研究ノート
  • 鈴木 研二, 山本 由紀代
    19 巻 (2006) 3 号 p. 205-211
    公開日: 2006/05/23
    ジャーナル フリー
    タイ国東北部の小規模溜池を対象として,フィールドにおける水文・水利学の知見に基づいた画像判読について紹介する.高解像度衛星データであるQuickBirdを用いた判読の結果,1)立地に応じた溜池の判読・分類が可能である,2)溜池の取水口・配置から集水域の接続方向を推定することが可能,3)こうした手法は,DEMなどから作成された落水網の精度検証に役立つ可能性があることが示唆された.複数の画像判読を通じて,フィールドでの調査・研究に対する高解像度衛星データの画像判読の有効性が確認された.
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  • 手計 太一, 吉谷 純一, チャンチャイ スヴァンピモル, 宮本 守, 山田 正
    19 巻 (2006) 3 号 p. 212-220
    公開日: 2006/05/23
    ジャーナル フリー
    土地利用変化や大ダム貯水池開発などの人間活動による河川流況への影響を評価することを目的に,汎用型水理水文モデル(MIKE11)を利用して,タイ王国・Chao Phraya川を対象とした水循環モデルを構築するとともに,その妥当性について検証を行った.大規模な開発がまだ行われていない1956年から1960年を対象にしてモデルパラメータの同定を行い,1961年から1962年の2年間分の河川流量と水位の再現計算を行った.その結果,河川流量,水位共に定性的・定量的に極めて精度の高い再現結果が得られたことから,本稿で構築したモデルの妥当性を明らかとなった.
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  • 東 直子, 森 也寸志, 井上 光弘
    19 巻 (2006) 3 号 p. 221-227
    公開日: 2006/05/23
    ジャーナル フリー
    フィルターにサクションをかけて下方浸透水を採取する際,一般には様々なフィルターが使用されており,フィルター直上のマトリックポテンシャルを周囲の土壌と全く同じになるよう制御する採水基準が用いられている.しかし,砂質土壌でガラスフィルターを用いて採水する場合,フィルター直上に土壌水分量が特に低い不飽和部分が残され,この点を考慮したサクション制御が必要である.本研究では,フィルターや土壌の種類を替えて,採水装置周辺のマトリックポテンシャルと土壌水分量の変化をシミュレーションにより予測した.ガラスフィルターよりも透水性の低いフィルターを砂質土壌で用いた場合は,フィルター直上の土壌水分量が多くなり易く,一方,ガラスフィルターを壌土あるいはシルト質壌土で用いた場合には,フィルター直上に土壌水分量の低い不飽和部分が残されることが示された.流線を乱さずに効率良く浸透水を採取するためには,土壌とフィルターの組み合わせ,あるいはフィルターにかけるサクションの大きさを考慮し,シミュレーション結果を反映させた厳密なサクション制御を行う必要がある.
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