水文・水資源学会誌
Online ISSN : 1349-2853
Print ISSN : 0915-1389
ISSN-L : 0915-1389
28 巻, 1 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
巻頭言
学会賞受賞記念寄稿
原著論文
  • 尤 欽, 近藤 昭彦
    2015 年 28 巻 1 号 p. 24-33
    発行日: 2015/01/05
    公開日: 2015/07/03
    ジャーナル フリー
     三江平原は,中国の重要な食糧生産基地である.生産する食糧は75 %を商品として域外へ輸出する.耕地開拓に伴う湿地の消失や森林遷移による環境問題,特に三江平原の地理的特徴に起因する頻繁な水害の発生は作物の生産量に大きな影響を与える.三江平原では治水施設の整備は不完全であり,建設が進むダムや堤防の効果は直ちに現れない.よって,水害リスク分析は効果的に農業被害を避ける手段として重要である.本研究では,食糧生産安全保障及び食糧生産量の増加を担保するため,三江平原における水害リスクの地図化を試みた.その結果,小興安嶺山脈・完達山山脈の山麓及び河川に沿った平野などの氾濫リスクが高い地域を特定することができた.三江平原では耕地面積の約8割が洪水氾濫のリスクを抱えている.三江平原内で耕作に適した場所は,全て耕作地として利用されている.耕地面積の変化と水害リスクとの関連性に基づき,潜在的な水害リスクに対する要因も検討した.
研究ノート
  • 天野 健作
    2015 年 28 巻 1 号 p. 34-38
    発行日: 2015/01/05
    公開日: 2015/07/03
    ジャーナル フリー
     「国際水路の非航行的利用に関する条約」が,国連総会での採択から17年を経て,2014年8月に発効した.この条約は国境をまたぐ河川,湖沼,地下水を含む淡水資源の開発や管理に関する国際基準を示したもので,国際社会に大きな影響を及ぼすものと考えられる.特に,条文上最も重要視される「衡平利用原則」については,水資源をめぐる当事国間で紛争があった場合の一つの解決基準として用いられると期待され,事実,発効前にもかかわらず,これまで国際司法裁判所の判決でも引用されてきた.条約は当事国のみを規律するのが原則であるが,締約国以外にも当該条文が適用できるか,いわゆる国際慣習法化されているかは,条約発効後の国家実行や裁判例を待つ必要があろう.
発想のたまご
若手のページ
feedback
Top