降水, 流量などの水文事象を時系列としてとらえると, ベクトルパターンとして表現することができる.Unnyや宇治橋らは, パターン認識概要を導入して, 降雨, 流量系列の特性把握を試みてきた.しかし, 分類にあたっては, (i) 解析に適した目的関数 (ii) グローバルな最適解を達成する手法, (iii) 適切なクラスター数の決定が必要である.そこで本研究では, 分類化手法の一種であるK-meansを用い, 解の改善策として, random K-meansと
DHB, ABFによる分類過程を比較・検討した.また, 目的関数は, 時間的相違の最大値, ピーク値の相違, 変化率の相違をベースとして, それらの最大値とした.この目的関数を最小化するように分類が達成される.クラスター数に関しては, 内部距離 (目的関数) と外部距離による多目的最適化の利用, 内部距離が正規分布するとして
AICで判定する方法, および, 制約による方法を提案した.最後に, 実流況での適用を通じて, 水文事象の分類化手順を明らかにした.
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