水文・水資源学会誌
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27 巻, 6 号
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巻頭言
原著論文
  • 廣木 謙三
    2014 年 27 巻 6 号 p. 269-285
    発行日: 2014/11/05
    公開日: 2015/02/19
    ジャーナル フリー
     水の国際会議プロセスの成否は会議の形式・規模・参加者や結果の表現,フォローアップ方法などの会議構造要因に多く支配されるが,これらについての科学的知見不足のために,試行錯誤が繰り返されているのが実態といえる.本稿では小規模でハイレベルの有識者による賢人会議「国連水と衛生に関する諮問委員会(UNSGAB)」とその基調提言書「橋本行動計画」について,提言書の主要提言事項実現の成否と会議構造の関係をアンケート及びケーススタディによって調査し,この国際会議プロセスの主要提言項目実現における有効性とその要因を分析・検討した。この結果,「橋本行動計画」主要提言項目実現成功の主要因は,①計画策定及び実現時の能動的な事務局と委員の連携,②計画の具体的・明快な提言内容,③提言実現時に用いられた委員の影響力とネットワーク,④有力なパートナー組織の同定と動機づけ,⑤トップダウンの問題提起と能動的な事務局によるボトムアップの働きかけという同時並行型アプローチ,であった事が明らかになった。この結果は水に関するハイレベル小規模グループによる国際会議プロセスでの組織運営の方向性について一定の示唆を与えている.
  • 廣木 謙三
    2014 年 27 巻 6 号 p. 286-303
    発行日: 2014/11/05
    公開日: 2015/02/19
    ジャーナル フリー
     任意大規模国際会議プロセス「世界水フォーラム」の会議構造上の特徴,それに基づく地球規模水行動実現へのアプローチの方法及びその有効性を主催者アンケート及び追跡検証により分析した結果,以下が明らかになった
    1.世界水フォーラムは,大規模性,開放性,決議の非拘束性,新しい議論形式の試行・取捨選択と継続を会議の特 徴としている.
    2.世界水フォーラム主催者は上記1.の特徴を認識・活用して地球規模水行動の促進を達成しようとしている.
    3.このため会議規模(参加者数とレベル)の確保,参加の多様性の確保,注目度の確保を会議開催の優先項目としている.
    4.上記3.の強みを背景に主催者は次のアプローチで目的達成を図っている
    -多様な利害関係者の参加と役割の明確化により問題に取り組む行動者を増やす
    -政府・組織が新しいコミットを発表することで関係者の自発的約束・活動を促す
    -特定の課題に関して明確なメッセージを発出する(行動の方向性を示す)
    5.上記4.に述べたアプローチの結果,実際に近年の有力な地球規模水行動の多くが世界水フォーラムと関連付けられる形で発表,実現されていることが追跡検証された.
研究ノート
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