水文・水資源学会誌
Online ISSN : 1349-2853
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22 巻 , 5 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
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原著論文
  • 真板 英一, 鈴木 雅一
    原稿種別: 原著論文
    22 巻 (2009) 5 号 p. 342-355
    公開日: 2009/09/28
    ジャーナル フリー
    山地森林流域の直接流出特性の解明のため,東京大学千葉演習林・袋山沢試験地(北緯 35°12',東経 140°06', 2 ha)を対象に,イベント降水量・初期流量と直接流出量の関係を解析した.対象流域の地質は新第三紀層に属し,年平均降水量は2170 mm ,年平均気温は 14.2 ℃である.植生は1929年植栽のスギ・ヒノキ人工林で, 1999年春に試験地の一部(1.1 ha)が皆伐された.イベント降水量が大きいほど,また初期流量が大きいほど直接流出量は大きかった.イベント降水量・初期流量と直接流出量の関係式として3パラメータの関数を定式化した.この関係式を用いて直接流出量を良い精度(R2 >0.94)で推定できた.直接流出量に対するイベント降水量・初期流量の効果は相乗的であると考えられた.植生の皆伐によって関係式のパラメータは変化した.直接流出量に対する植生の影響は中規模(100 mm 程度)の降雨イベントの時に相対的に大きくなると考えられた.初期流量と直接流出量の関係が伐採によって変化するのは,伐採によって流域の水分分布特性が変化するためであると考えられた.
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  • 大西 暁生, 佐藤 嘉展, 森杉 雅史, 渡邉 紹裕, 福嶌 義宏
    原稿種別: 原著論文
    22 巻 (2009) 5 号 p. 356-371
    公開日: 2009/09/28
    ジャーナル フリー
    中国の急速な社会経済発展に伴い水利用が増加することによって,黄河流域をはじめとする中国北部地域において水不足が深刻化している.特に,近年の工業化や都市化の進行に伴いこれら新規の水利用が増加することによって,農業用水が逼迫されはじめている.一方,人口増加や食の多様化により農業の増産が急がれる中,この農業を支えるための水の確保が必要不可欠となっている.現在,中国北部地域で頻発する水不足を打開するため,中国政府は南水北調プロジェクトなどの大規模な導水事業を敢行している.しかし,抜本的な問題解決のためには,どの地域でどの程度の水が削減可能か,またどのような水利用が物理的・経済的に効率的なのかを考える必要がある.特に,中国の持続可能な農業生産を展望するには,農業用水の有効且つ効率的な利用を進めることが重要である.
    そのため,本研究では各省(自治区)を対象に,包絡分析法(DEA:Data Envelopment Analysis)を用い農業用水効率性の評価を試みた.また,主要河川流域界を各省(自治区)の行政界で区分することによって,この流域間における効率性の違いを比較・検討した.さらに,効率性の違いがどのような要因によって決定されるのか分析した.
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  • 加藤 敦, 真木 雅之, 岩波 越, 三隅 良平, 前坂 剛
    原稿種別: 原著論文
    22 巻 (2009) 5 号 p. 372-385
    公開日: 2009/09/28
    ジャーナル フリー
    都市部では,地下への雨水の貯留・浸透能力が低下し,局所的な豪雨による内水氾濫が多発する傾向が指摘されている.都市における中小河川や排水区などの降雨に対する応答時間は非常に早く,都市型水害の発生を予測するためには精度よい短時間予測雨量情報が求められる.本研究では,Xバンドのマルチパラメータレーダ雨量情報(以下,MPレーダ雨量)を用いた降水ナウキャスト(以下,ナウキャスト)を開発し,1時間先までの降雨量予測の精度向上を図った.Xバンドのマルチパラメータレーダ(以下,MPレーダ)は比偏波間位相差に基づく精度よい降雨情報を提供するが,ナウキャストに用いるには強い降雨域の後方で電波の消散領域が生じるという問題や観測範囲が限られるという問題がある.本研究では,MPレーダ雨量と気象庁の全国合成レーダー・エコー強度GPV(以下,JMAレーダ雨量)を相補的に用いる合成手法を開発し,この問題を解決した.この方法によって得られた合成雨量(以下,MP-JMA合成雨量)はJMAレーダ雨量に比べて精度良く,気象庁レーダー・アメダス解析雨量と比較しても,同程度かそれ以上の精度であった.ナウキャストに対する合成手法の効果を調べるために,MP-JMA合成雨量とJMAレーダ雨量をそれぞれ初期値とするナウキャスト実験をおこなった.3つの事例について実験をおこなった結果,MP-JMA合成雨量を初期値として用いることにより,予測精度が向上することを示した.
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  • 呉 修一, 山田 正
    原稿種別: 原著論文
    22 巻 (2009) 5 号 p. 386-400
    公開日: 2009/09/28
    ジャーナル フリー
    本論文は,合理式,貯留関数法,タンクモデルなどの既存流出概念モデルの理論的な導出を行い,概念モデルおよび流出パラメータの物理的意味を明らかにすることを目的としている.Kinematic Wave法に基づき斜面流下方向流れに着目し,流れの抵抗則をマニング則,ダルシー則や飽和・不飽和浸透流で表現するとともに,斜面流下方向流れに対して時々刻々の定常解の仮定,斜面流下方向断面平均流速が斜面流下距離に比例するという仮定を導入することで既往の概念モデルが導出される.これにより,貯留関数法は斜面流下方向流れに対して時々刻々の定常解を仮定した場合に,タンクモデルは斜面流下方向断面平均流速が流下距離に比例すると仮定した場合に,合理式は斜面流下方向流れが飽和ダルシー則,もしくは定常状態とした場合に成立することを明らかにした.また,概念モデルの物理的背景およびその適用条件に対して考察を行うとともに,貯留関数法およびタンクモデル中のパラメータが飽和透水係数,表層土層厚,有効空隙率,土壌の透水性を表すパラメータなどの土壌・地形特性から決定できることを示した.
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  • 長井 正彦, 柴崎 亮介, アーメッド アフザル
    原稿種別: 原著論文
    22 巻 (2009) 5 号 p. 401-408
    公開日: 2009/09/28
    ジャーナル フリー
    本研究は,河川環境の効果的なモニタリング手法を開発することを目的とし,デジタルカメラ,赤外線カメラ,GPSを無人ヘリコプターに搭載し,高分解能かつ高精度な計測をいつでも安全に実現できる調査手法を開発した.複数のカメラを搭載することにより,低高度から詳細かつ広範囲のデータを効果的に取得することができた.さらに複数年にわたり観測を行うことにより,開発した計測システムが植物の分布変遷の傾向や出水が及ぼす地形および植生への影響評価等に利用できるかを検証し,データの利用の可能性を検討した.また,既存の高分解能衛星画像との比較検証により,無人ヘリコプター搭載型のモニタリングシステムで計測されたデータの特異性を明らかにした.
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  • 松山 洋, 泉 岳樹
    原稿種別: 原著論文
    22 巻 (2009) 5 号 p. 409-418
    公開日: 2009/09/28
    ジャーナル フリー
    SRM(Snowmelt Runoff Model)は,実測流量を使ってオンライン,あるいはオンライン的にパラメータの逐次同定や数学的な最適化を行なわなくても動かすことができる集中型モデルであり,これまで,山岳積雪流域の日平均流量の推定に用いられてきた.本研究では,日本有数の豪雪地帯である新潟県魚野川上流域にSRMを適用し,融雪-流出量を推定・検証した.SRMの入力に用いたのは,1993年4月26日,5月12日,5月28日のLandsat/TM画像から計算された流域内の積雪面積率,およびAMeDAS湯沢の日平均気温と日降水量であり,計算結果の検証には国土交通省六日町観測点の日平均流量を用いた.SRMを動かすのに必要なパラメータの一部は,1992年の融雪期における六日町の日平均流量を用いて決定し,客観的に決めるのが難しいパラメータは,魚野川上流域の北東約40 kmに位置する奥只見流域でSRMに適用された値を元に決定した.
    魚野川上流域で分布型流出モデルを用いて融雪-流出量を推定した先行研究との比較のため,1993年4月23日~5月30日についてNash-Sutcliffe指標を計算した.六日町の観測値とSRMの推定値で計算したNash-Sutcliffe指標は0.82となり,上述したような特徴をもつ集中型モデルであるにも関わらずSRMの推定結果は良好であった.また,4月26日と5月12日の積雪面積率のみを用いて5月13日以降の積雪面積率を外挿した場合でも,上述した期間のNash-Sutcliffe指標は0.83となったことから,SRMは短期~中期の流量計算にも使える可能性がある.
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