雨水には含まれず, 土壌中で濃度形成の行われる溶存物質であるSiO
2の雨水, 土壌水, 地下水帯, 渓流水における濃度分布を森林流域において測定した。測定の結果, SiO
2は土壌中を深く浸透するほど多く土壌水中に溶け出すが, 飽和地下水帯においてその濃度は一定となり (本試験地においては約18mg/
l), 飽和地下水帯中での側方流動によってほとんど変化しない。渓流水の濃度は飽和帯地下水のそれとほぼ等しく, 降雨時には雨水によって希釈される。またSiO
2の流域での収支は常にマイナスで, 桐生流域では年間約14~16g/m
2が表層土および基岩と表層土の境界から溶出していると推定された.
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