水文・水資源学会誌
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28 巻, 6 号
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巻頭言
原著論文
  • 猪股 広典 , 川﨑 将生, 後藤 祐輔, 増田 有俊, 荒木 千博, 荒木 孝之
    2015 年 28 巻 6 号 p. 278-290
    発行日: 2015/11/05
    公開日: 2015/12/01
    ジャーナル フリー
     本報告ではアンサンブル予測雨量を用いたダム洪水調節手法について検討を行った.具体的には,GSMを境界値とした予測先行時間84時間のアンサンブル予測の計算を行い,得られたアンサンブル予測雨量を用いて最適なダム放流量を決定した.対象とした台風は2011年台風6号,12号,15号であり,この3洪水で洪水調節を実施したダムを検討対象とした.台風6号,15号については84時間という長時間の予測であるにも関わらず満足なアンサンブル予測雨量の精度が得られ,ダム洪水調節にとって非常に有意義な情報であることが分かった.それを用いて最適放流量を決定してダム洪水調節を行った結果,本則操作と比較して下流のピーク流量を低下させることができた.その一方で,台風12号については満足なアンサンブル予測雨量の精度が得られず,それを用いた洪水調節操作は本則操作と比較して下流の危険性を高める結果となった.ダム管理においては本則操作よりも下流の危険性を高める操作は避けなければならないため,実務への適用に向けては台風12号のような事例への対応手段が求められる.
研究ノート
  • 岩谷 綾子, 野口 正二, 金子 智紀, 澤野 真治
    2015 年 28 巻 6 号 p. 291-297
    発行日: 2015/11/05
    公開日: 2015/12/01
    ジャーナル フリー
     間伐によって林地に残置されたスギ針葉の遮断損失率を検討するために,貯留型雨量計を用いて予備実験を行った.遮断損失率はスギ針葉量が増加するに応じて増加し,雨量が変数である一次分数式で示された.スギ針葉の遮断損失率は貯留型雨量計の受水口面積換算の単位面積当たり,乾重量が10 t ha-1 で2.7 %,乾重量が20 t ha-1 で5.4 %と推定された.今後,間伐による林地残材のスギ針葉が遮断損失量に及ぼす影響を評価することが重要と考えられた.
  • 田内 裕人, 天口 英雄, 河村 明, 古賀 達也, 萩原 陽一
    2015 年 28 巻 6 号 p. 298-303
    発行日: 2015/11/05
    公開日: 2015/12/01
    ジャーナル フリー
     高精度の街区ポリゴンデータは,都市流域において洪水流出・氾濫解析モデルを構築する際の基礎的データとして用いられている.本研究では,入手が容易で分断箇所を有するポリライン型道路縁データを入力とし,街区形状が複雑な都市流域においても高精度な街区ポリゴンデータを自動生成する手法を提案した.本手法では,まず接触する複数の道路縁を接合し道路縁データを構成する点の順序を街区内側が右側となるように形状特性を用いて並び替える.次に道路縁の分断箇所に補完線を加え,道路縁と補完線で囲まれた領域を街区として出力している.本手法を都市流域である神田川上流域に適用し検証を行った結果,99%以上の街区を自動的に構築することができた.この結果より,本研究で提案した街区ポリゴンデータの自動生成手法は形状が複雑な都市流域においても高精度な街区を構築可能であると考えられる.
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