水文・水資源学会誌
Online ISSN : 1349-2853
Print ISSN : 0915-1389
21 巻 , 5 号
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原著論文
  • 佐合 純造
    原稿種別: 原著論文
    2008 年 21 巻 5 号 p. 353-360
    発行日: 2008/09/05
    公開日: 2008/12/04
    ジャーナル フリー
    水文量の不確定性が計画値や管理値にどの程度影響するのか総合的に示しておくことは水文量を河川計画や管理に活かしていく上で不可欠である.このため,水文データの誤差を地点雨量から流量までを共通の定義(相対誤差)を用いて個々に評価するとともに誤差伝播の法則を用いて水文量を総合的に評価した.その結果,雨量から流量まで誤差を一貫して考えた場合,流出計算から求められる流量値は約25 %の誤差を有すること,誤差のもっとも大きな要因は流出率であり約19 %であることが示された.さらに,水文量の不確定性を反映させるため計画洪水流量に信頼度を考慮すべきであることを提案した.
研究ノート
  • 諸泉 利嗣, 池本 賢弘, 濱田 浩正, Somsak SUKCHAN
    原稿種別: 研究ノート
    2008 年 21 巻 5 号 p. 361-367
    発行日: 2008/09/05
    公開日: 2008/12/04
    ジャーナル フリー
    東北タイ天水圃場での水資源確保を目的に,誘電率法の一種であるProfile Probe土壌水分センサー(PR1)を用いて土壌水分調査を行った.PR1を用いて土壌水分量を測定するためには,PR1の出力電圧と体積含水率の実測値との校正式を予め求めておくことが必要である.本論文では,天水田と傾斜畑からなる東北タイ天水圃場において実施したPR1の原位置キャリブレーションとその校正式を用いた土壌水分の測定例について報告した.原位置キャリブレーションの場合は,室内と違って試料の水分調整などの手間がかからない.海外での集中調査の場合など手軽に行える利点がある.キャリブレーションの結果,校正式は,ローム質砂土についてはボルツマン関数,砂質粘土については直線回帰式となった.これらの校正式を用いて土壌水分を測定したところ,天水田,傾斜畑ともに60 cm以深の土壌水分の変化が非常に緩やかで年間を通じて高い含水率が維持されることがわかった.また,天水田は傾斜畑よりも土壌水分を貯留しやすいことが推察された.
総説
  • 池田 鉄哉
    原稿種別: 総説
    2008 年 21 巻 5 号 p. 368-377
    発行日: 2008/09/05
    公開日: 2008/12/04
    ジャーナル フリー
    中国においては,ここ数年,急速な経済成長及び社会生活の向上を遂げつつある一方,洪水等の水関連災害や水不足,水質汚染等,水に関して実に多くの課題を抱えている.なかでも人口増加や,その自然・気象条件から季節的・地域的分布がアンバランスとなっていることなどを要因として,中国の水資源問題は今後の持続可能な成長・発展に係る重大な制約条件となることが懸念されている.本研究では今まであまり広く知られていなかった中国の水資源問題について,特にその首都・北京市の水資源に係る現状と課題,そしてその解決策として講じられている越境導水について将来的な持続可能性の観点から検証を行うとともに,地域内における限られた水資源を有効に利活用しようとする取り組みとしての節水型社会づくりについて初歩的な考察を行い,アジア地域を中心に今後更なる成長・発展が見込まれる国々における統合的水資源管理のあり方について提言するものである.
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