水文・水資源学会誌
Online ISSN : 1349-2853
Print ISSN : 0915-1389
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17 巻 , 3 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
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Original Research Article
  • 石岡 義則, 吉野 邦彦, 白谷 栄作, 石川 雅也
    17 巻 (2004) 3 号 p. 233-240
    公開日: 2004/06/16
    ジャーナル フリー
    本研究では,北海道道東に位置する別寒辺牛湿原流域を対象にして,土地利用別メッシュタンクモデルを用いて湿原の降雨流出特性を把握することを目的とした.土地利用別のタンクの構造を決定するために,流域内の優占土地利用が異なる8ポイントで流量観測をおこなった.実測値との比較により構築されたモデルでは,従来から把握されていた牧草地や森林の流出特性に加えて,湿原の降雨流出特性も把握することができた.湿原を含む流域では,湿原メッシュのタンク構造を水深により変動させた.また,河川の周辺が湿原である場合は,河川からのオーバーフロー現象を取り入れた.
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  • 野中 崇志, 松永 恒雄, 梅干野 晁
    17 巻 (2004) 3 号 p. 241-251
    公開日: 2004/06/16
    ジャーナル フリー
    本研究では衛星リモートセンシングデータによりユーラシア大陸の湖の解氷日を推定するためのテストスタディとして,現場データとMODISデータによる水温トレンドを用いてサロマ湖の解氷日の推定を行った.
    まず,サロマ湖の現場データによる水温トレンドを2次,または線形回帰式で評価した.それを用いて0.0°Cとなる日付の推定精度を評価した結果,1日から2日程度であった.これらの水温トレンド回帰式を用いて,サロマ湖の全面解氷日を推定した結果,オフセット除去後2日程度の精度で推定可能であった.次にMODISデータによる定点の水温トレンドより,2000年から2002年のサロマ湖の全面解氷日の推定を行った結果,オフセットが−14日,標準偏差が4日程度であった.最後に衛星データの取得頻度やデータの誤差と解氷日推定精度の関係を評価するために現場データを用いてシミュレーションを行った.その結果,サロマ湖において衛星データによる水温トレンドから4日程度の精度で解氷日の推定が可能であることを明らかにした.
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  • 鵜口 宗人, 恩田 裕一, 小杉 賢一朗, 斉藤 哲生, 森脇 寛
    17 巻 (2004) 3 号 p. 252-263
    公開日: 2004/06/16
    ジャーナル フリー
    降雨流出における岩盤浸透流の影響について検討をするため,岩盤の割れ目と見立てた開口部の存在する実験槽(斜面長6.25m,幅1.5m,深さ60cm,傾斜角30°)を用いた大型実験,およびシミュレーション解析を行った.斜面開口部下には地下水を貯留させるタンクを設置し,土層及び岩盤(タンク)から流出される地下水を別々に計測できるようにした.シミュレーション解析では,Richards式を二次元の有限要素法を用いて解いた.表層中のみを通過した実験は,岩盤浸透流の影響を考慮に入れた実験に比べ,降雨ピークに対する流出ピークが遅れた.また,岩盤浸透流の影響を考慮に入れた実験では土層からの流出と岩盤からの流出を比較すると,土層からの流出ピークは降雨ピークに対して同時であったのに対し,岩盤からの流出ピークは降雨ピークに対し遅れていた.シミュレーション解析では,実験結果をほぼ再現することできた.本研究では,岩盤への浸透および岩盤からの流出が降雨流出プロセスに重要な役割を果たす可能性を示し,本研究で有効性が示されたシミュレーション解析が有効な手段であることを示した.
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  • 王 維真, 小林 哲夫, 長 裕幸, 森 牧人, 渡辺 江梨子, 岩永 理佐
    17 巻 (2004) 3 号 p. 264-273
    公開日: 2004/06/16
    ジャーナル フリー
    1地点の土壌水分測定値の時系列を,降水量やポテンシャル蒸発量と共に,底穴付きバケツ(bucket with a bottom hole, BBH)モデルを用いて解析し,その地点の水収支項を評価した.小規模草の1.5m格子上の9点において求められたそれら収支項の推定値は独自の分布を示した.得られた結果は次のように要約できる.
    (a) BBHモデルに組み込まれている水収支項の空間変動性の大きさは,W (土壌水分) < E (蒸発) < Rs (表面流出) < Gd (重力排水),の順番になった.
    (b) 3×3mの小面積内で,表面流出と重力排水ははっきりした空間変動パターンを示した.これは地中水が厚さ30cmの表土層より深い所で数メートルのスケールの流系を持っていることを示唆する.
    (c) 土壌水分の空間変動と他の水収支項が示す空間変動の分布パターンは必ずしも一致せず,各項独自の形を示した.これはBBHモデルのパラメタリゼーションが,微地形,植被,土壌組成および土壌構造など土壌水分以外の諸因子の影響を適切に反映させることを示唆する.なぜなら,それらの諸因子は本来空間的に組織化された変動を示すはずだからである.
    (d) BBHモデルを用いて推定した日蒸発量は,フェッチの不足や地中熱伝導量を無視する便宜的な条件の下ではあるが,参考のためにボーエン比法によって求めた測定結果とよく一致した.
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  • 大上 博基
    17 巻 (2004) 3 号 p. 274-294
    公開日: 2004/06/16
    ジャーナル フリー
    前報の多層モデルを用いて葉面積密度の鉛直分布を増減 (葉面積指数LAI=0~10に相当) させる数値シミュレーションを行い,4つの生育ステージにおいてLAIの違いが個葉の蒸散量と光合成速度に及ぼす影響,そして水田の蒸発散量 (ET),光合成速度 (CER),水利用効率(WUEET=CER⁄ET)に及ぼす影響を検討した.LAIの増加に伴って,ETとCERは漸近的に増加して極大値をとった後減少した.その原因は,LAIの増加に伴って,群落層別の蒸散量と光合成速度が群落上部層で漸近的に増加したが群落中•下部層では逆に減少したためと,株間蒸発量が0に漸近したためである.その結果,WUEETもLAIの増加に伴って最大値に漸近し極大値をとった.朝と夕方や弱光条件では,LAIを増加させると群落中•下部層へ透過する日射量やPARが益々少なくなるため,ET,CERおよびWUEETの極大値が現れやすかった.CERとWUEETについての最適LAIは生育ステージ,時刻,気象条件によって異なり,それぞれ5.0~10.0と5.8~10.0であった.このCERについての最適LAIは,従来のイネ研究で報告された値よりもやや高かった.その主な原因は,本研究では総じて晴天の日を検討対象としたためであると考えられる.
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  • 小南 靖弘, 高見 晋一
    17 巻 (2004) 3 号 p. 295-303
    公開日: 2004/06/16
    ジャーナル フリー
    土壌から発生するガスフラックスを拡散理論に基づいて測定する新しいタイプのチェンバー測定法 (拡散型チェンバー法) を開発した.このチェンバーは,その天板の一部にガス拡散係数が既知の多孔質媒体で作られた拡散板がはめ込まれており,土壌からのガスフラックスはこの拡散板を拡散して大気中に放出される.このときチェンバー内外に生じるガス濃度差を測定することにより,フラックス密度を求める.本測定法は通気式チェンバー法と同様に定常法の一種で,動的平衡状態を達成することにより,連続測定が可能である.本方法の妥当性を確認するため室内実験を行い,土壌サンプルから放出されるCO2フラックスを,使用した濃度センサーの精度に応じた正確さで測定できることを示した.したがって,本方法は,簡便で安価なガスフラックスの連続測定手法となりうることが期待される.
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