本研究の目的は,緑藻類
Scenedesmus quadricaudaおよび藍藻類
Microcystis aeruginosaにおける優占種変遷機構解明のための基礎的知見を集積することである.高濃度リン条件下(1.55 mg/L),窒素濃度を0.1~5.0 mg/Lおよび0.5~5.0 mg/Lとした窒素制限条件にてそれぞれ単種・競合培養実験を行い,得られた各種パラメータを用い両種の優占化特性について評価した.その結果,
M. aeruginosaの Δ N/ Δ Chl.
a値は,窒素濃度0.5,1.0,2.5および5.0 mg/Lの条件にて
S. quadricaudaより5~7倍高い値を示した.また
S. quadricaudaは
M. aeruginosaに比べ高い生産効率を有し,1.0~5.0 mg/Lの条件にて
S. quadricaudaが,窒素濃度0.5 mg/Lの条件にて
M. aeruginosaが優占化することがわかった.さらに,両種の優占種変遷の切り替わりポイントがN:P比0.3(
N = 0.5 mg/L)から0.6(
N = 1.0 mg/L)にかけてあることが見出された.
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