水文・水資源学会誌
Online ISSN : 1349-2853
Print ISSN : 0915-1389
25 巻 , 4 号
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原著論文
  • 内田 龍彦, 濱邉 竜一, 福岡 捷二
    2012 年 25 巻 4 号 p. 201-213
    発行日: 2012/07/05
    公開日: 2012/07/17
    ジャーナル フリー
     低平地河川である六角川の流域では,内水の自然排水が困難であり,内水排除のための排水機場が多く設置されている.六角川,牛津川ではポンプ排水量が洪水流量に対して無視できない大きさのため,外水氾濫の危険性を増大させずに内水氾濫被害を軽減する適切なポンプ運転操作方法が求められている.本研究では,ポンプ排水が洪水流に与える影響を明らかにすることを目的としている.解析に必要な有明海における大きな潮位変化,支川,排水機場からの流入量,高水敷に繁茂するヨシの抵抗を評価するため,河道の水位計の他に,多くの排水機場,排水樋管の外水位データを活用し,水面形時系列観測データを用いた六角川,牛津川の非定常二次元流解析法を構築している.計画高水位を超える出水となったH21.7六角川,牛津川洪水に,解析法を適用し,その妥当性を示した.そして,ポンプ排水量が洪水時の最大流量と最高水位等に与える影響を示すとともに,本解析法を低平地河川の河川管理に用いる方法を検討した.
  • 飯島 雄, 樋口 篤志, 近藤 昭彦, 黒崎 泰典
    原稿種別: 原著論文
    2012 年 25 巻 4 号 p. 214-225
    発行日: 2012/07/05
    公開日: 2012/07/17
    ジャーナル フリー
     スリランカにおけるパン蒸発量の長期変動とその要因を考察するため,パン蒸発量と関係する複数の気象要素についてトレンド解析を行った.その結果,1951-1973 年,1974-1993 年の両期間で気候帯によらずパン蒸発量が減少したことが分かった.さらに,(1)スリランカ周辺域のOLR減少,(2)湿潤条件下でのパン蒸発量減少,(3)日照時間の減少,(4)高温下ではPenman式の放射項の寄与が大きいこと,の4点から,少なくとも1974-1993年においては,雲量の増加に伴う日射量の減少がパン蒸発量減少の主因であると結論づけた.
  • 長坂 丈巨, 中村 要介, 吉川 勝秀
    2012 年 25 巻 4 号 p. 226-242
    発行日: 2012/07/05
    公開日: 2012/07/17
    ジャーナル フリー
     わが国での堤防システムは,計画洪水を想定して,計画高水位をもとに整備・管理されている.そして,一つの河川ではその計画洪水のもとで,一連区間では左右岸,上下流の安全度は確率的に一様とされている.しかし,現実には,計画で想定している状態とは乖離しており,河川の安全性は上下流等で異なっている場合が多い.
     そのような堤防システムの整備・管理においては,堤防システムの決壊等に係わる水理的な検討とともに,堤防システムの破綻(決壊)時の被害からの検討が必要である.
     本研究は,堤防システムの破綻(決壊.破堤)によって生じる被害を推定することで,その河川の被害特性分析を行ない,被害からみた河川堤防システムの管理の方向性について,諸外国の場合とも比較検討しつつ,基本的な考察を行った.その検討・考察は,日本最大級の河川である利根川を対象として定量的に行ったが,その方法は,他の河川流域にも適用しうるものである.
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