水文・水資源学会誌
Online ISSN : 1349-2853
Print ISSN : 0915-1389
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21 巻 , 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
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Original research article
  • 和田 一範, 川崎 将生, 冨澤 洋介, 楠 昌司, 栗原 和夫
    21 巻 (2008) 1 号 p. 12-22
    公開日: 2008/05/12
    ジャーナル フリー
    水管理の実務において,地球温暖化に伴う降雨特性の変化が河川管理に与える影響に対する政策的な対応を実施するためには,将来の洪水・渇水リスクについて地域別かつ定量的な指標が必要となる.地球温暖化に対応する取り組みとして,地球温暖化に伴うリスクの変化を的確に予想し,洪水・渇水といった水管理実務について政策的な提言を行うことが重要である.本研究では,気象庁・気象研究所が開発した地域気候モデル(以降「RCM20」という)および,地球シミュレータを使用した高解像度全球気候モデル(以降「GCM20」という)による温暖化予測計算の結果を用い,洪水リスク評価としての確率雨量の有効性を分析した上で,GCM20による100年後における地域別の洪水リスク変化を予測,解析した.
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  • 清水 美代, 土屋 十圀, 孫 士禹
    21 巻 (2008) 1 号 p. 23-31
    公開日: 2008/05/12
    ジャーナル フリー
    水資源の多くを山地河川流域に依存している日本では,特に積雪地域でその重要度が高く,水資源の開発や管理は的確に行わなければならない.そのためには,流出特性を正確に把握する必要があることから,本研究では,日雨量・日平均気温などの基本的な水文資料から解析を行うことができる,安藤らの長期流出解析モデルを用い,積雪・融雪を含む流出の再現計算を行うこととする.安藤らにより開発された日単位の水循環モデルは,物理的意味を有しながら比較的簡単な計算で長期流出の変動を良く再現できるモデルである.すでに,いくつかの山地河川流域でも適用されているが,本格的な積雪地域における研究事例は少ない.従って,積雪地域である桜川流域に適用し,本モデルの適合性を詳細に検討,桜川流域での水収支を明らかにすることを目的とした.その結果,積雪・融雪の影響を考慮しない時には,実測流量とモデル解析より得られた計算流量の相関が極めて低かったものが,これらを考慮した場合には高い相関を示すようになり,精度の良い解析を行うことができた.また,2001年から2005年までの5年間の流出解析の結果より,流域における水収支も明らかとなった.
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  • 濱野 裕之, 斉藤 則子, 加藤 茂, 北原 弘道, 高橋 伸英, 山田 興一, 小島 紀徳
    21 巻 (2008) 1 号 p. 32-38
    公開日: 2008/05/12
    ジャーナル フリー
    乾燥地における大規模植林による炭素固定のための技術確立が求められている.乾燥地に降る貴重な降雨を有効に利用するために,不透水層破壊による土壌構造改善技術の導入,および土盛りによる堰(Bank)を築いた西オーストラリア州レオノラ近郊を対象とした植林実証試験が行われている.
    本研究では,集水技術導入による塩類の供給,蓄積の変化に焦点をあて,Bank内の土壌および雨水,表面流出水,灌水の化学性評価から,集水に伴う塩類集積状況の把握を行った. Bank造成および植林開始から5年経過時点では塩害発生には至っていないが,Bank外と比べ中では電気伝導度,水溶性イオン濃度共に高く,ゆっくりとではあるが蓄積していることが示唆された.
    また,元素ごとに供給源の水を特定した.Na,Ca,Mgは主に灌水より供給されており,灌水の供給を止めた現在以降は蓄積の恐れが無いと期待された.一方,植物必須元素であるK,Pは,主に雨水より供給されている.土壌の化学分析の結果からも根域での濃度が裸地部と比べ高く,リターや樹幹流による土壌への還元があると考えられる.
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  • 山中 勤, 田中 正, 辻村 真貴, 大倉 博, 清水 英幸, 吉谷 純一, 嶋田 純, 開發 一郎, 近藤 昭彦
    21 巻 (2008) 1 号 p. 39-49
    公開日: 2008/05/12
    ジャーナル フリー
    水問題・環境問題解決のための国際高等教育協力リソースについて,我が国の大学・研究機関を対象としてアンケート調査を実施した.また,5つの開発途上国(中国,インドネシア,モンゴル,タイ,およびチュニジア)において同様のニーズ調査を実施した.これらの調査の目的は,(1)水問題・環境問題に関する世界的な認知構造を明らかにすること,および(2)リソース・ニーズ間の関係性を検討すること,の2つである.回答結果を数量化?V類によって分析し,関連キーワードの認知空間を地図化したところ,水問題・環境問題は主として汚染・災害・利水の3要素(端成分)に分解可能であることが示された.また,環境保全・環境教育・環境アセスメント・生態系といったキーワードは中立的なイメージで捉えられているのに対し,地域計画・意思決定・法整備といった政策に関わるキーワードは利水と強く結びつけて認知されていることが明らかとなった.上記の認知空間におけるリソースとニーズの分布を調べたところ,国ごとに固有の分布傾向が認められた.リソース・ニーズが共に多いホットスポットは水循環・環境保全・意思決定を包含する領域であった.一方,特殊性の高い汚染・災害に関するニーズも存在しているにもかかわらず,それらに対応したリソースは絶対的に不足している現状が明らかとなった.
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Technical note
  • 酒井 秀孝, 鈴木 力英, 近藤 昭彦
    21 巻 (2008) 1 号 p. 50-56
    公開日: 2008/05/12
    ジャーナル フリー
    気象衛星NOAAの観測による全球植生指数データセットが1980年代から利用可能となっており,現在では20年以上のスケールで植生変化の解析が可能となっている.これまでに北方林地域における植生活動の活発化が指摘されているが,気候変動に対する植生の応答をさらに明らかにするためにはエコトーン(植生帯の遷移地帯)を重視すべきである.本研究では,エコトーンに対応する東シベリア地域を対象として,1982~2000年の19年間における植生指数のトレンドを年積算値と各年の年最大値の二つの指標を用いて求めた.その結果,従来から指摘されているように北方林分布域に年積算値の増加域が認められる一方で,北方林分布域の北側,すなわちツンドラと北方林のエコトーンにおいて年最大値の増加域が発見された.これは,その地域に分光反射特性の異なる植生が侵入したか,あるいはバイオマスの増加が起こった等の変化が生じたことを示唆しており,気候変動に伴う植生変化のシグナルである可能性が考えられる.
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Commentary article
  • 大手 信人, キャロル ケンドール
    21 巻 (2008) 1 号 p. 57-63
    公開日: 2008/05/12
    ジャーナル フリー
    都市や農業地帯等の人為的な栄養塩負荷源をもつ中規模から大規模な河川において,下流部での低酸素現象は,多くの地域で共通の懸案事項となっている.筆者らは,半乾燥地帯の中規模河川の富栄養化-低酸素現象に対する効果的な対策立案のために,どのような研究調査の戦略が必要か,どのような新たな研究手法が利用可能かについての研究を進めてきた.本稿ではカリフォルニア州の中央部を流下するサンウォーキン川での研究を例にとって,その背景からこれまでの研究の経緯を示し,河川によって輸送される溶存栄養塩類の安定同位体比の測定など,先端的な手法を利用する今後の展開について紹介する.
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