水文・水資源学会誌
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15 巻, 5 号
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  • 松井 三郎
    2002 年 15 巻 5 号 p. 459-460
    発行日: 2002/09/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
  • 村上 茂樹
    2002 年 15 巻 5 号 p. 461-471
    発行日: 2002/09/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    本研究はスギ,ヒノキ人工林を対象として,葉面積指数(LAI)およびLAIに関わる林分構造と蒸発散量との関係を林齢を基軸に検討し,施業によるLAIおよび蒸発散量の制御に向けての方向性を模索することを目的とした.林齢10~約300年の15林分でプラント・キャノピー・アナライザー(LAI-2000)を用いてLAIを測定し, LAIを主要なパラメータとする蒸発散モデル(ペンマン・モンテイス式に基づく)を用いて蒸発散量を算出した. LAIの測定値と蒸発散量の計算値とはいずれも林齢10~20年で大きな値を示し,その後は緩やかに減少した.文献による蒸発散量の測定値は計算値とほぼ同じ範囲に分布した.胸高断面積合計とLAIとの関係を文献値に基づいて検討したところ,生枝下断面積と胸高断面積とがほぼ等しい若齢(胸高断面積合計約30m2ha-1以下)においては胸高断面積合計の増加とともにLAIが増加し,若齢林ではパイプモデル理論の適合性が高いことが示唆された.今後の展開に向けて,林分構造および施業によるその動態の定量化・モデル化などに関しての方針が提示された.
  • 金子 真司, 服部 重昭, 後藤 義明, 玉井 幸治
    2002 年 15 巻 5 号 p. 472-485
    発行日: 2002/09/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    瀬戸内地域に位置する竜の口山森林理水試験地(E130°58′,N34°42′,以後竜の口山試験地と呼ぶ)の渓流水質の特徴と生成過程を明らかにするために,北谷流域と南谷流域で渓流水の調査を行った.2流域とも渓流水中の溶存成分濃度は我が国の他の渓流に比べて全般的に高かった.流出量の増加に伴いCa2+,Mg2+,Na+,HCO3-およびCl-濃度は大きく低下し,降雨イベント時にNO3-,全窒素および溶存有機炭素(DOC)濃度の上昇ピークが出現した.溶存成分の渓流水の溶存成分濃度が高い原因として,塩基含量の高い岩石の存在している可能性があることや,少雨のために蒸発散による溶存成分の濃縮率が高いことが考えられた.また竜の口山試験地は直接流出率が高く貯留水量が少ないことから,無降雨時には蒸発散によって高濃度の渓流水が形成され,降雨時には多量の直接流で多くの溶存成分濃度が急激に低下するが,NO3-やT-NおよびDOCは土壌表層からの洗脱によって濃度上昇が起きること考えられた.北谷流域ではCa2+,Mg2+,HCO3-,Cl-,SO2-4が高く,南谷流域ではpHとNa+,NO-3,SiO2濃度が高かった.地質や斜面傾斜の違いが2流域の濃度の違いに影響しているのではないかと推定した.
  • 張 寅生, 大畑 哲夫, 平島 寛行
    2002 年 15 巻 5 号 p. 486-495
    発行日: 2002/09/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    土壌水分および蒸発の地形依存性を調べるために,1999年7月東シベリアティクシ近郊小流域において19点からなるネットワーク観測を行なった.比高(DZ)―観測点と近傍の流れとの高度差―が,表面の土壌水分および蒸発の空間分布に影響する支配的な要因である.DZの増加につれて,表面の土壌水分,蒸発はともに減少する.しかし,前者は指数関数的に,後者は対数関数的に減少する.川を挟んで比較してみると,たとえDZが同じ値であっても表面の土壌水分および蒸発は東側と西側では違いが見られた.
  • 劉 景時, 高橋 弘幸, 早川 典生, 陸 旻皎, 張 徳偉
    2002 年 15 巻 5 号 p. 496-504
    発行日: 2002/09/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    流域内の降水量の推定精度の良し悪しは水文的な予測と計算の精度に大きく影響を及ぼす,特に降水分布の極めて不均一な山地流域においては推定精度の向上が望まれている.地理情報システム(GIS)に基づく数植標高モデル(DEM)と分布型流出モデルにおいて,降水の空間分布の解析を行い,“空間モデル”を導入することにより,補間精度を向上させることができる,ティーセン法と空間モデルを用いて日,月,年間の流域平均降水量の評価について比較した.その結果,ティーセン法による日,月,年間の流域平均降水量は空間モデルのそれに比べ,それぞれ40~190%,14~40%,17~28%過小評価されることが分かった.したがって,洪水予測に用いられる水文モデルにおける流域貯留は,観測された河川流量と一致させるために大きく過大評価されることになる.月単位の水収支が,高地にある二つの小流域における降水量分布の有効性の実証に利用され,蒸発を考慮に入れなくても月の流出高が時々降水量を大きく上回ることが示された.ならびに夏季の降水を貯留した飽和土が,土壌の凍結期である10月と11月にその貯留水を排出することが分かった.
  • 李 尚奉, 西村 眞一, 伊藤 健吾, 千家 正照
    2002 年 15 巻 5 号 p. 505-512
    発行日: 2002/09/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    一般的な日本の用水系は受益地需要水量を河川自流から取水し,その不足分をダム放流から補給する形態となっている.この場合,降雨があれば受益地需要量の減少と河川自流量の増加により,取水されずに無効放流される水(余剰水)が生じる.しかし,ある程度の容量を持つ調整池が水源と取水施設の間にあれば,余剰水を吸収し受益地の水需要が生じたときに利用することが可能である.また,変化する河川自流量を予測しながらダムと調整池を連係操作することにより効率的な用水管理が可能である.本研究では,これらの余剰水を有効利用するためのダムと調整池の運用方法を提案する.また,提案した運用方法を用水が不足している実存の用水系に適用し,得られる用水量増加の効果をシミュレーションで検討した.さらに,このシミュレーションに河川自流量の予測モデルを加え,現実により近い運用に対して試みた.その結果,提案するダムと調整池の運用方法は渇水年に大きい効果があることが定量的に明らかになった.
  • 近森 秀高, 永井 明博
    2002 年 15 巻 5 号 p. 513-521
    発行日: 2002/09/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    岡山における日雨量データを対象に統計的解析を行い,日降雨特性の経年変化を調べた,降雨日が連続する期間の降雨量をひと雨雨量と定義し,年最大ひと雨雨量の確率年の変化を調べた結果,1899~1931年の100年確率のひと雨雨量255.8mmは1965~1997年では確率年が7.6年となり,発生頻度がほぼ13倍になっていることが分かった.また,ひと雨とひと雨との間の連続無降雨期間について同様の解析を行った結果,1899~1931年の100年確率の連続無降雨期間35.5日は1965~1997年では確率年が19.7年となり,発生頻度がほぼ5倍になっていることが分かった.これらの結果は,水工施設を設計・建設する際に,設計の対象とする水文量の取扱に十分注意する必要があることを示している.
  • 丹治 肇
    2002 年 15 巻 5 号 p. 522-532
    発行日: 2002/09/05
    公開日: 2010/02/10
    ジャーナル フリー
    本論は日本の農業用水の価格について, 歴史的なトレンド分析を元に市場形成の可能性を検討した. さらに, 問題点の分析と展望を述べた. まず, トレンドとして, 市場経済の進展(≒グローバリゼーション)と環境重視(≒ローカリゼーション)の2つを想定した. 次に, 検討対象を末端水利用と水利権(≒施設規模)にした. これらのトレンドを過去の農業水利事業に当てはめると, 前者重視の時代と双方重視の時代に分けられた. 末端水利用においては, DSM(需要調整)が次第に市場経済化による金銭支払いに置き換わってきた. しかし, 市場経済化のトレンドにもかかわらず, 施設構造上の問題から, 末端農業用水へは価格導入がなされなかった. 今後は, DSMへの市場メカニズムの組み込みが拡大するだろう. 水利権の取引は, 公水主義にもかかわらず, 代替事業で実現されてきた. 環境重視のトレンドは, 拡大しており, 今後は, 環境用水の拡大とともに, 水利権制度の見直しが必要になろう. さらに, 欧米と同様に, 日本でも, PPP(汚染者負担原則)などの水関連制度への組み込みが重要になろう.
  • 石田 祐宣
    2002 年 15 巻 5 号 p. 535
    発行日: 2002/09/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
  • 2002 年 15 巻 5 号 p. 536-537
    発行日: 2002/09/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
  • 2002 年 15 巻 5 号 p. 538
    発行日: 2002/09/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
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