水文・水資源学会誌

究極の資源

椎貝博美

1996 年 9 巻 6 号 p. 487-488
発行日: 1996/11/05
公開日: 2009/10/22

DOIhttps://doi.org/10.3178/jjshwr.9.487

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京都府北部大江山蛇紋岩地域周辺における小流域の基底流量の空間変化および季節変化

小松陽介, 恩田裕一

1996 年 9 巻 6 号 p. 489-497
発行日: 1996/11/05
公開日: 2009/10/22

DOIhttps://doi.org/10.3178/jjshwr.9.489

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京都府北部大江山地方の蛇紋岩,花崗岩,古生層頁岩地域で各地質ごとの基底流量の空間変化を4月下旬と8月下旬に調査した.その結果,蛇紋岩地域では最も空間変化が大きく,比流量の大きな流域が存在する一方で,流出のみられない流域も多数存在した.これに対し,花崗岩地域および古生層頁岩地域では,どの支流も比較的比流量の値が一定でばらつきが小さい結果となった.また,季節変化は蛇紋岩地域で最も大きく,8月にはすべての流域において基底流量が著しく減少した.一方,花崗岩地域では季節変化が小さく,基底流量の値はほとんど変化しなかった.古生層頁岩地域の季節変化は,中間型であった.基底流量と観測地点(本流河川との合流地点)の高度の関係をみると,花崗岩と古生層頁岩地域ではほとんど相関がみられないが,蛇紋岩地域のデータによると基底流量と高度に負の相関がみられた.このことは蛇紋岩山地において基盤岩の地下水面が大きく季節変動していることを示唆する.

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ケニアの河川に適用した改造型タンクモデル

ニャダワ , 小葉竹重機, 江崎一博

1996 年 9 巻 6 号 p. 498-512
発行日: 1996/11/05
公開日: 2009/10/22

DOIhttps://doi.org/10.3178/jjshwr.9.498

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表面流出成分を表現する構造をもつ改造型のタンクモデルを提案した.ここでいう表面流とは,下層の中間流よりは早い流出成分で表層付近を流れる成分を考えている.表面流以外の流出成分は従来型のタンクモデルで表現する.このモデルを熱帯地域のケニアの流域に適用し,通常のタンクモデルで計算を行った結果と比較した.提案したタンクモデルによって計算結果は改良された.

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残流域流出を考慮したDDCルールカーブ

新谷渡, 竹内邦良

1996 年 9 巻 6 号 p. 513-519
発行日: 1996/11/05
公開日: 2009/10/22

DOIhttps://doi.org/10.3178/jjshwr.9.513

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DDCルールカーブは,季節別渇水持続曲線(Seasonal DDC)を用いて作成された,各時点の各貯水量に対し,どれだけの給水制限を施行するかということをまとめて図示したものである.本稿では,貯水池と取水地点の間に,貯水池を経由せずに流出する河川流量(残流域流出量)がある場合のDDCルールカーブ作成法と利用法を提案する.今回提案するDDCルールカーブは,取水地点における給水制限率をきめるルールになっており,貯水池流入量と残流域流出量の同時性を考慮に入れたSeasonal DDCより算定されたものである.このルールから,残流域流出を考慮することにより,貯水池からの放流をそれだけ減少させ,より現実に即したものであることが,シミュレーションにより確認された.

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現地観測に基づく植生場の乱流構造特性と運動量・顕熱輸送に関する研究

池田駿介, 舘健一郎, 山田知裕

1996 年 9 巻 6 号 p. 520-527
発行日: 1996/11/05
公開日: 2009/10/22

DOIhttps://doi.org/10.3178/jjshwr.9.520

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可撓性を有する植生場においては,風の流れと植生の揺動(穂波)が関係を持ち,複雑な乱流構造を形成している,本研究では,乱流構造の特性及び乱流による植生内外の運動量・顕熱輸送を調べるため,多摩川河口部に広がるアシ原において現地観測を行った.その結果,植生場に起こる上昇流(イジェクション)と下降流(スウィープ)によって形成される大規模組織渦を捉えた.植生頂上境界部での温度変動では,徐々の上昇とその後の急激な下降(ランプ現象)が確認され,運動量・顕熱輸送の特徴が明らかとなった.風速の変動と温度の変動には,位相のずれがあり,4象限解析で大きな歪みが見られた.

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乾燥過程における木本植物の蒸散量とAEの関係

堀野治彦, 武田実, 丸山利輔

1996 年 9 巻 6 号 p. 528-533
発行日: 1996/11/05
公開日: 2009/10/22

DOIhttps://doi.org/10.3178/jjshwr.9.528

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ガラス室内においてポットに移植されたコノテヒバを用い,AE数と蒸散量の関係を実験的に検討した.ここでは,蒸散によって生じる茎内流がAEの発生を伴うものと仮定している.本研究の主な目的は,AE数を計測することにより,土壌の乾燥過程における蒸散量を直接求めるられるか否かを検討することである.まず予備的実験から,周波数500～1,000kHzでのAE数が,使用した植物においては蒸散量と強い相関があることがわかった.そこでこの周波数帯において,土壌中の水分ストレスに伴うAE数と蒸散量を測定した.その結果,枝においても幹においても,同周波数領域ではAE数と蒸散量の間に線形関係がみられることがわかった.また,この関係は,土壌吸引圧がpF2.6以下においては成立するが,その吸引圧を越えると急激に悪化することもわかった.

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大台ケ原における樹雨観測と量的評価

池淵周一, 富田邦裕, 友村光秀

1996 年 9 巻 6 号 p. 534-541_1
発行日: 1996/11/05
公開日: 2009/10/22

DOIhttps://doi.org/10.3178/jjshwr.9.534

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大台ケ原頂上付近の森林地で,林外雨,林内雨,樹幹流,土壌水分の観測を実施し,樹雨の存在とその量的評価をおこなうとともに,樹雨発生時の気象条件を分析した.観測期間において樹雨量は広葉樹で94mm,針葉樹で90mmであり,林外雨量の約30%に相当し,これは水管理上,無視できない量と考えられる.

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農地造成に伴う洪水流出特性の変化

瀧本裕士, 堀野治彦, 丸山利輔, 渡辺紹裕

1996 年 9 巻 6 号 p. 542-550
発行日: 1996/11/05
公開日: 2009/10/22

DOIhttps://doi.org/10.3178/jjshwr.9.542

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奈良県及び京都府下の国営農地開発事業地区内の造成農地流域,山林流域を対象に,洪水流出特性を分析した.その結果,農地造成により洪水到達時間が短縮することが明確に示された.角屋・福島の洪水到達時間推定式から,雨水の抵抗則が造成農地ではManning則に従っており,山林では雨水の抵抗則がDarcy則とChezy則の間にあることが確認された.等価粗度係数は農地造成に伴い大幅に減少した.ピーク流出係数は,造成農地では山林に比べ平均値で約1.5倍大きかった.計画ピーク比流量は,造成農地では山林の2.0～2.6倍であり,土地利用係数Cの平均値と最小値を用いた場合よりも,ピーク流出係数fpの平均値と最大値を用いた場合の同流量の差の方がはるかに大きかった.

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飽和多孔体中の分散現象への混合距離的アプローチと粒径の影響

デブコタ , 松林宇一郎, 高木不折

1996 年 9 巻 6 号 p. 551-558
発行日: 1996/11/05
公開日: 2009/10/22

DOIhttps://doi.org/10.3178/jjshwr.9.551

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本研究は,通常開水路や管路流れにおいて乱流にともなう溶質の混合に対して用いられる混合距離理論を,飽和多孔体内の分散現象への適用について議論するものである.この理論では,分散係数は混合距離と間隙実流速の標準偏差との積で表される.これまでの実験から,飽和状態と不飽和状態では,分散機構が異なるのがわかっている.それは,流速が,飽和状態では水理勾配によって変わるのに対し,不飽和状態では媒体内の水分飽和度によって変わるからである. 一様な粒径のガラスビーズを媒体とした飽和流れでの濃度変化を測定する実験から,分散係数を表現するモデルの検証と粒径毎の混合距離特性の把握を行った.モデルのパラメータとしての実流速の変動係数は,水分特性曲線と不飽和透水係数～水分飽和度の曲線の二つから求めた. その結果,混合距離はいずれの粒径に対してもその1.8倍となった.これにより,分散係数は媒体の透水特性,水分特性,粒径及び平均実流速から求められた理論値と実験値によく一致することが確かめられた.

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確率曲線を用いたダム利水運用および計画の最適化(III)

確率概念および評価関数の運用曲線への導入

許士達広, 下田明

1996 年 9 巻 6 号 p. 559-569
発行日: 1996/11/05
公開日: 2009/10/22

DOIhttps://doi.org/10.3178/jjshwr.9.559

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ダムの最適利水運用については,過去に数多くの研究がなされてきた.しかし,現場で使いやすい数学的モデルがないことのほかに,長期間の将来流況が予測できないこと,運用を評価する指標が不明であることなどのため,実際のダム管理の現場において最適運用の実用化は行われていない.ところが,古典的理論であるマスカーブや確保容量に確率の概念を導入し,常識的に考えられる範囲の評価関数を仮定して比較すると評価関数による差は意外と小さく,将来流況や評価関数が不明でも高レベルのダム運用が可能となる.このことは世界的にも現在に至るまで内容が明らかにされていないため,本論文において解説するものである.なお,ここにおける最適利水運用は都市用水や農業用水を意味し,発電は別の理論による.

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水蒸気を測る:GPS気象学のねらい

内藤勲夫

1996 年 9 巻 6 号 p. 570-578
発行日: 1996/11/05
公開日: 2009/10/22

DOIhttps://doi.org/10.3178/jjshwr.9.570

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1996年度(第9回)水文・水資源学会総会・研究発表会の報告

澤本正樹

1996 年 9 巻 6 号 p. 585-586
発行日: 1996/11/05
公開日: 2009/10/22

DOIhttps://doi.org/10.3178/jjshwr.9.585

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研究集会「河川水文データベースの構築とネットワーク利用」の報告

椎葉充晴

1996 年 9 巻 6 号 p. 587
発行日: 1996/11/05
公開日: 2009/10/22

DOIhttps://doi.org/10.3178/jjshwr.9.587

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GEWEXはどこまで成果をだしたか

第2回GEWEX国際会議報告

安成哲三, 鼎信次郎, 遠藤伸彦, 谷田貝亜紀代, 沖理子, 沖大幹, 上野健一, 塩原匡貴

1996 年 9 巻 6 号 p. 588-594
発行日: 1996/11/05
公開日: 2009/10/22

DOIhttps://doi.org/10.3178/jjshwr.9.588

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シリーズ「発想のたまご」

山路昭彦

1996 年 9 巻 6 号 p. 596
発行日: 1996/11/05
公開日: 2009/10/22

DOIhttps://doi.org/10.3178/jjshwr.9.596

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シリーズ「若手のぺージ」XXX

大手信人

1996 年 9 巻 6 号 p. 597
発行日: 1996/11/05
公開日: 2009/10/22

DOIhttps://doi.org/10.3178/jjshwr.9.597

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