水文・水資源学会誌
Online ISSN : 1349-2853
Print ISSN : 0915-1389
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29 巻 , 5 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
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巻頭言
原著論文
  • 安部 豊, 辻村 真貴, 中尾 正義, 肖 洪浪
    29 巻 (2016) 5 号 p. 283-293
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
     半乾燥地域に位置する中国・黒河流域の灌漑農業地域において,広域の地下水の水質特性および涵養・流動プロセスを解明することを目的として,トレーサー手法を用いた水文調査を2008年9月に実施した.灌漑農業地域の上流域においては,地下水の無機溶存イオンおよび安定同位体比が,河川水におけるそれと類似していることから,黒河本流河川を起源とした灌漑水により地下水が涵養されていることが考えられた.中流域の地下水における安定同位体比,トリチウム濃度は,河川水におけるそれと類似したもの,および相対的に低いものがみられ,灌漑を通じた本流河川水による地下水涵養に加え,他の水源による涵養プロセスの存在が示唆された.祁連山脈北東麓からの支流河川における安定同位体比が黒河本流河川水のそれに比べて低いこと,また降水の安定同位体比における高度効果の勾配が流域毎に異なることから,中流域における地下水涵養源として支流河川が重要であることが示された.また中流域における地下水形成には,祁連山脈北東麓からの支流河川を起源とする滞留時間の長い地下水と,河川水を起源とする滞留時間の短い地下水の,2つの成分が重要であることが示唆された.
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総説
  • 太田 岳史, 檜山 哲哉, 小谷 亜由美, 山崎 剛, Trofim C. MAXIMOV
    29 巻 (2016) 5 号 p. 294-312
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー

     東シベリアにおける1998年~2013年にわたる水・エネルギー・炭素(WEC)循環の結果を総括する.スパスカヤパッド観測サイトでは,カラマツ林での暖候期におけるWEC循環と様々な環境因子との関係が明らかになった.また,スパスカヤパッドとエルゲイでの観測では,同じカラマツ林でほぼ等しい気象条件であっても下層構成樹種によりWEC循環が異なっていた.レナ河流域における流出量の観測では,永久凍土帯における年々の活動層深は100 cm year-1 で深くなっており,近年はその速度が増加していた.WEC循環のモデル研究では,陸面モデルで推定された蒸発散量は渦相関法から導かれた蒸発散量の実測値とほぼ同じ範囲にあった.流出モデルでは,年間の流出量のうち約30 %が非常に遅い流出成分であり,それは実測値ともほぼ一致した.今後は,地球温暖化が予測される中で,東シベリアに存在する北方林が環境の変化にどのように応答するのかを明らかにすることが課題である.東シベリアにおける湿潤化のWEC循環への影響は,流域全体へと広がっていくであろう.WEC循環の研究は,乾燥化ばかりでなく湿潤化にも目を向けなければならない.

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解説シリーズ「都市気象学の体系化に向けた最近の研究から」
  • VARQUEZ Alvin Christopher Galang
    29 巻 (2016) 5 号 p. 313-325
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー

     都市気象学を地球スケールに展開する試みとして「グローバル都市気象学」を提案する.その主な狙いは,個々の都市を対象に行われてきた領域スケールの研究を地球規模に拡張・相互比較し,それぞれの都市の,インフラ形態,地理条件,気候区分,社会経済状態,などの違いを踏まえた上で,都市気象の機構を包括的に理解しようとするものである.それを実現するために,都市気象を解析するためのグローバル観測ネットワークを精査し,都市気象シミュレーションに必要な都市パラメータや人工排熱のグローバルデータを新たに整備する.本論では,現時点でのグローバル都市気象学の進展をいくつかの具体例を示しながら紹介する.

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