水文・水資源学会誌
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15 巻, 1 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 竹内 邦良
    2002 年 15 巻 1 号 p. 1-2
    発行日: 2002/01/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
  • 永井 秀幸, 小林 哲夫, 石川 裕彦, 手嶋 準一
    2002 年 15 巻 1 号 p. 3-12
    発行日: 2002/01/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    土壌水文に関するBBH(bucket with a bottom hole,底穴つきバケツ)モデルはパラメーターが2個のバケツモデル(Manabe, 1969)を改良したもので,7個のパラメーターを持ち,底穴を通る重力排水あるいは毛管上昇と蒸発に対する表面またはキャノピーの抵抗を考慮することができる.チベット高原の安多(Amdo)に設置されたGAME/Tibetの草原観測点で,IOP98の間に得られた水文・気象データを,BBHモデルを用いて解析した.その結果,モデルで用いられているパラメーターは同観測点の土壌水文学的特性を簡潔かつ合理的に記述することが明らかになった.蒸発過程を記述するパラメーターσの値はモンスーンが始まると同時に著しく変化した.
  • 壁谷 直記, 大手 信人, 杉本 敦子, 吉川 賢, 王 林和
    2002 年 15 巻 1 号 p. 13-22
    発行日: 2002/01/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    中国毛烏素沙地において地下水の塩類濃度の上昇に対する蒸発散の影響を明らかにするために,砂丘と丘間低地というこの地域の代表的な2つの地表面条件下における地下水の電気伝導度,塩類濃度,酸素・水素安定同位体比を測定した.砂丘の地下水は蒸発の影響を受けておらず,地下水の塩類濃度の上昇が抑制されていることがわかった.一方,丘間低地の地下水は蒸発散の影響を受けて,地下水の塩類濃度が高まっていることがわかった.また,地下水のCl-濃度とd値の関係から植生があるところでも蒸散よりも蒸発による濃縮が卓越していることが示された.土壌水分,地被条件が同じで蒸発のポテンシャルが等しいと考えられる丘間低地の2地点における地下水の塩類濃度を比べると,砂丘に近い地点の塩類濃度がより低いことから,砂丘の地下水が丘間低地に流れこんでいる可能性が示唆された.
  • 2変量時系列解析手法の提案
    榎田 充哉, 福田 睦寿, 清水 洋, 福井 理作, 市川 仁士, 岸原 信義
    2002 年 15 巻 1 号 p. 23-38
    発行日: 2002/01/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    降水量などの誘因変量と応答関係にある水文量,例えば地下水位などに関する2変量の時系列解析手法は確立されているとはいえない現状である.第1報では水文量の応答関係の変化の有無と変化時期および変化量を調べる1つの手法を提案し,その有効性を検討した.その後解析手法の改良を重ねてきたが,本論では第2報として水文量に関する新しい2変量時系列解析手法を提案する.応用例として降水量と地すべり移動量の応答関係の変化や島原市での水位・水温・地温などの異常時期に関する解析結果を示し,手法の有効性の検討を行うと共に,島原市での地下水挙動と火山活動・地震活動などの関連性について考察を行った.
  • 吉野 文雄
    2002 年 15 巻 1 号 p. 39-50
    発行日: 2002/01/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    本報告はサヘル地域の河川であるNiger川,Chari川,Senegal川の長期間の年流出高とその関連する地域の年降雨量を調べたものである.この地域では1970~1980年代に大規模な渇水が発生し,その原因について多数の気象学や水文学の研究者がそれぞれの立場で分析している.本報告では水文学の立場から河川流出高の長期の変化傾向を調べ,準周期的な傾向があることを指摘した.このことを補足するため,関連する地域の降雨量と流出高の相関を求め,相関が高いことから,年降雨量の変化傾向により準周期性について補強する資料としたものである.結果は以下のように要約される. 1. 河川の流量減少は当該地域の降雨量の減少によるものであって,人為的な水資源の利用によるものではないこと. 2. サヘル諸国の10年平均の年降雨量は1970年代に入って急激に減少し始め,1980年代にその最少値を示すが,1990年代には再び増加傾向に転じていること. 3. Niger川の年流出高の長期変化を見ると約30年といった長い周期での増減が見て取れる.このため,1990年代に流出高が増大し始めている. 4. この準周期的な傾向が今後も成立すると仮定すると,2000年代末頃から2010年代にかけて再度,渇水傾向になることが予想される.
  • 下瀬 龍, 木村 玲二, 石島 英
    2002 年 15 巻 1 号 p. 51-59
    発行日: 2002/01/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    本研究では沖縄本島都市域における熱収支の季節変化について検討した.まず初めに,熱収支計算の妥当性を冬,夏,初冬に行われた赤外線放射温度計による地表面温度の観測値で検証した.地表面温度の計算値のRMS誤差は1.1℃であった. 流域面積の約90%が都市で構成された比謝川流域の流出量データを用いて,年蒸発量の算定をした.1984年から1997年までの年蒸発量は平均年降水量1,877mmに対して280±25mmであった.さらに,熱収支計算による沖縄本島都市域の年蒸発量と他の熱収支成分を推定した.1989年から1999年までの年蒸発量の計算値は平均年降水量1,988mmに対して368±42mmであった.これらの推定結果より,沖縄本島都市域における年蒸発量は本研究で扱った年降水量の範囲内ではほぼ一定値に近づくことが示唆された.平均年地表面温度,顕熱フラックス,潜熱フラックスはそれぞれ25.6℃,52.3Wm-2,28.5Wm-2であった.
  • 市川 温, 村田 康明, 椎葉 充晴
    2002 年 15 巻 1 号 p. 60-69
    発行日: 2002/01/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    筆者らが開発してきた,山腹斜面流出系における一般的な流量流積関係式を集中化する手法を基礎として,圃場容水量を考慮した流量流積関係式を集中化する方法について述べる.まずはじめに,圃場容水量を考慮した流量流積関係式と,基礎となる集中化手法の概要について説明し,つぎに,圃場容水量を考慮した流量流積関係式に対する具体的な集中化手法を展開する.本流量流積関係式には,関係する状態量として,単位幅流量q,水量hのほかに,自由水分水量hfが媒介変数の形で含まれており,基礎とする集中化手法をそのまま適用することができない.本論文では,集中化の過程で行なうhによる積分操作をhfでの積分操作に置き換えることで,本流量流積関係式の集中化を可能としている.最後に,本流量流積関係式から導出された集中化モデルを大戸川流域と桂川流域に適用し,その結果を分布型モデルによる計算結果および観測結果と比較して,本集中化手法の有効性と問題点を検証する.
  • 松浦 純生, 浅野 志穂, 岡本 隆, 松山 康治
    2002 年 15 巻 1 号 p. 70-76
    発行日: 2002/01/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    多雪地帯に位置する山地流域内で,標高差が667mとなる2カ所の気象観測施設を設置し,積雪環境や融雪要因に関する連続観測を実施した.その結果,積雪底面からの流出量(MR(a/o))のタイミングや強度が大きく異なることが明らかとなった.特に融雪期では,上部のMR(a/o)は下部に比べて14日程度遅れて観測されるとともに,上部の強度は下部よりも大きくなる傾向が見られた.流域上部では風速が大きくなることから,融雪期には顕熱および潜熱交換量による融雪量の占める割合が相対的に大きくなるものと推定される.
  • 松岡 健一
    2002 年 15 巻 1 号 p. 77
    発行日: 2002/01/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
  • 橋本 博文
    2002 年 15 巻 1 号 p. 78
    発行日: 2002/01/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
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