本研究は, 多層メッシュ型流出モデルであるHydro-BEAM(Hydrological River Basin Environment Assessment Model)において, 表面流・飽和中間流にはKinematic wave modelを, 不飽和中間流にはRichards' equation, 地下水には不圧地下水流を適用し, その総合化を図ったものである. 流出モデルに関しては, 流出, 土壌水分量, 地下水涵養量の動態をモデル化すると共に, 表面貯留での初期損失を考慮した. また,ダム貯水池操作を組み込むための流域分割と, 人間活動を考慮すべく土地利用の時間変化を用いた. モデルは初期条件やパラメータを最適化して, 琵琶湖野洲川流域に適用し, 地表水と地下水の間の動的関係を検証した.
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