水文・水資源学会誌
Online ISSN : 1349-2853
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26 巻, 4 号
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原著論文
  • 金木 亮一, 岩間 憲治, 皆川 明子, 須戸 幹, 小谷 廣通, 小林 淳志, 田中 歩, 池田 恭子, 村長 宗明
    2013 年 26 巻 4 号 p. 201-211
    発行日: 2013/07/05
    公開日: 2014/04/07
    ジャーナル フリー
     育苗箱全量施肥法による4~6割の減肥および無代かき栽培法が,水田の表面流出負荷,浸透流出負荷,物質収支,玄米収量に及ぼす影響を明らかにするため,水田4筆を用いて,6年間に亘って実験した.
     その結果,育苗箱全量施肥区の表面流出負荷量は,窒素で慣行施肥区の43 %に,リンで39 %に減少した.浸透流出負荷量については窒素で慣行施肥区の67 %に減少し,リンでは減肥率が高くなるほど浸透流出負荷量は少なくなった.一方,無代かき栽培区の表面流出負荷量はSSで代かき区の41 %,CODで46 %,窒素で59 %,リンで65 %に減少した.物質収支から求めた肥料供給超過量については慣行施肥区で窒素の1割以上,リンの4割以上に達しており,慣行施肥区における減肥の必要性が示唆された.育苗箱全量施肥区の玄米収量は慣行施肥区の6 %減に留まり,肥料の生産性が向上していた.
研究ノート
  • -名古屋とその周辺地域を事例として-
    五名 美江, 蔵治 光一郎
    2013 年 26 巻 4 号 p. 212-216
    発行日: 2013/07/05
    公開日: 2014/04/07
    ジャーナル フリー
     限られた数の地点のデータから,地域の年降水量のトレンドを知るためには,対象とする地域内で複数地点の長期観測データを用いて,トレンドの年数依存性と地域代表性との相互関係を調べておくことが有益である.事例として名古屋とその周辺域の5地点の79年間の年降水量データを取り上げ,年降水量のトレンドの年数依存性と地域代表性との相互関係について調べた.年数45年間未満の場合,トレンドは5地点でそれぞれ異なり,年数45年以上70年未満では,岐阜を除く4地点について共通のトレンドがみられ,年数70年以上では5地点で共通のトレンドがみられた.この地域では,日本海側の気候の影響が無視できない河川流域において,流域全体の降水量のトレンドを知るために,少なくとも70年以上の年数のデータが必要であることが示唆された.
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